斬首に値するのだ
友人が妊娠していた。ことをついさっき知った。11月頃らしい。
内臓がひっくり返った。
いや、私は何を期待してこんなことを言うのだろう。もはや私には関係のないことのはずだが。私はこの心境とどう接せればいいのか見当もつかない。ただ巨大な困惑がそこにある。
しかしおそらく同様の何かを、私は与えもしなかったろうか──この文言には多大なる傲慢さが入り込んでいるのだが。ある一時までは、大切な人ではあったのだから。いや、未だにそうであろう。心の、中心のすぐそばに確かに「ある」。しかし何らの契約もなく、その居場所を他人に明け渡すことは本来であるならば斬首に値するのだ。
つまり本件については、私が被るべき、咎だったのだ。それでいいそれでいいのだ。
帰り道。かまぼこが乗った建物を出て、夜の真っ暗闇。月明かりのなか本件を反芻し、膝が崩れ落ちそうになる。いや気を取り直して歩を進める。自転車置き場で、自分の自転車にもたれかかる。
しばらくしてなんとか自転車をこぐ。頭の中がぐちゃぐちゃだ。あるいはからっぽだ。黒い道の上を滑りながら、吐き捨てるようにつぶやく「」
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