秘密は秘密のままに

自分は人間性の問題を大切にしたい。その人がその人であり、別の誰かではないという事実。それぞれ別の人生を歩んできて、これからも独立した個であり続けるであるだろうという事実。それらを尊重するということ。

たとえば、誰かと交わした大事な話は絶対自分のなかでの秘密にする。約束してもしてなくても。それがいい話でも悪い話でも。その人のパーソナリティに関わることなら、絶対他言しない。

これは私の一方的な約束事だ。私はこの約束をひけらかしたりはしない。私は、私に少しでも心をゆるし、大事な話を打ち明けてくれたその人自身を尊重するために、秘密を守る。

でも例外があって、その話について別の人の意見を求めたくなったり、別の人に話すことで自分を救うことになるなら、話してしまう…。でも、その時にも、自分の心に生じるためらいを忘れないことにする。本当に、それを話す必要があるのかどうかを胸のうちに聞く。

あと、うっかりでペラっと喋ってしまうこともあるし、良かれと思って話してしまうことも少なくない...。今から気をつけることにする。話す前に、私の胸のうちに聞く。

逆にいうと自分は、意を決して心中をさらしても、それがなんのためらいもなく広まって悲しくなることが多い。けどそのことで残念に思うのはやめる。ちょっと失望してしまう心も、少しだけ許してしまおう。

なぜなら、これは私の一方的な取り決めなのだから。世間はたぶんそうはなっていない。みんながみんなおしゃべりで、私はみんながおしゃべりなことに傷ついている。しかしそれはお門違いというもので、自分に課した枷に勝手に自分で苦しんでいるだけのことだ。

とにかく私は、人類すべての人間性を尊重するために秘密を守る。

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