ほんとうのこと

ほんとうのことだけがほしい
うそじゃなくて

ほんとうのことだけがほしい
ごまかしでもない

ほんとうのことは少ないから
だからそれを求めなくては

ほんとうのことは少ないから
だからそれを大切にしなくては

風のように透き通った文を
伸びやかにまっすぐな声を
濁りのない肉体を、心を

果てのない空の青さを飽きずに愛せるか

足で地面を踏みしめ歩み
明日を待ち遠しく思い
流された涙を忘れず
瞳の奥の自分を見
木漏れ日を浴び
背筋をのばし
誰かを想う

それは砂漠の渇きを潤すもの
そして海の孤独を癒すもの
森の深い闇を照らすもの

ほんとうのことだけがほしい
例えばそれはどこまでも青い

ほんとうのことだけがほしい
それは黒い一粒のずっしりとした重み

ほんとうのことだけがほしい
それは日曜の午後のカフェオレ

ほんとうのことだけがほしい
それは胃に落ちぽっと照り

ほんとうのことだけがほしい


2015.6.1












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昔ここに書いた詩が途中だったので、当時書いた続きを投稿した。

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