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010便 職場の嫌な人間関係から解放される未来② 行き

こんにちは。元客室乗務員の夏果です。

今日の行き先は前回と同じ。職場の嫌な人間関係から解放される未来②です。

今回のテーマは全部で3本立て。前回は、私が実際に上司から受けたパワハラと、それに伴って私の身体や心にどんな影響が現れたかについて書きました。今回はそのパワハラから、どうやって逃れたのかについてお話します。

少しでも多くの人の役に立ちますように。

ではでは離陸いたします〜。


私がパワハラから逃れた話

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私がどうやってパワハラの日々から逃れたか。

結論から言うと、

直談判

です。でもIさんではなく、その上の管理職(マネージャー)に。辞表を持って、マネージャーの所へ討ち入り!!


といっても、別に何か後ろ盾があるわけでも、次の仕事のアテがあるわけでもない。そんな私が、管理職という名の城に攻め入るわけですから、それなりの覚悟はしなければなりません。最悪、職を追われるかも。

まあまず試しに、辞表でも書いてみるか〜。書くだけなら、誰にも迷惑はかけないし。


そう思って、100円ショップ(100円かい)で便箋を買ってきて、ネットで「辞表の書き方」を検索。さながら辞世の句を書く武将のように、神妙な面持ちで書きはじめて、まず一文字めで手が止まる。

字が・・・下手すぎる。


その後何枚書いても字が下手すぎて、段々、辞表を書くというイベントに飽き始める。

飽きる前に書き上げようと、適当な字で1枚仕上げ、封筒に入れ・・・

お次は、城へ攻め入る際のセリフを考えます。

で、これが、なんかノッてきちゃったんですね。

ここまで来たら、格好良く、啖呵切ってやめたい。

今後部署内で、私のように苦しむ客室乗務員がいなくなれば良い。

そう思うと、次々にセリフが浮かんできます。それらはとりあえずiPhoneのメモに記録し、

その勢いのまま、「えーいやっ!」という感じで、マネージャーにメールです。


「一言、お話したいことがあります。」


マネージャーへ訴えるまでの道のり

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なぜ私がこんなに大胆な行動に出られたかというと、それは私の場合、久しぶりに会った同期の言葉がきっかけでした。

「夏果ちゃん!なんか、表情変だよ!?笑ってるのに、笑ってない!」

そう言われて、自分が少しおかしいことに気づきました。いや、気付いていたんだけれども、気がつかないフリをしていた事についに目を向けたのです。 体調もしょっちゅう崩していたし、これは何か原因がある。そしてその原因は、ひとつしかない。


やっと、目覚めました。


今まで従順に聞いていた、上司からの理不尽な叱責。

でも、冷静になって聞いてみると

言ってること、おかしい。絶対おかしい。

これは耐えないといけないの?

いや、これは、耐えちゃいけない部類のものだ。

そこから、色々と考えて、本を読み漁りました。

脳科学と出会ったのも、この頃です。

いろんな本を読んで、自分の人生を守るため、行動しようと決心し、様々な対策を講じました。(具体的な対策については、次回お伝えします)


これらは結構効き目があって、

その頃から、Iさんを見ても

よく見てみ?

そんな怖い?

包丁持って襲いかかってくるわけでもないし

私の方が背高いし

若くて体力もあるし

コイツと野生のクマだったら、絶対クマの方がこわいわ。

そんな風に思えるようになりました。

野生のクマと比べたら、Iさんの脅威レベルはカミツキガメ程度。噛まれたら痛いけど、最悪指を持っていかれるレベル。命までは取られない。よし、いける!

一段視野が高まった瞬間でした。

Iさんは怖い。仕事を失うのも怖い。でも、私は私を失うのがもっと怖い。

何かしなければ、と強烈に思ったのを覚えています。

そうは言っても、カミツキガメと闘うのは疲れるし、最悪、噛まれて終わり。ならば、カミツキガメの飼育係(マネージャー)から落とすしかない!と思ったのです。


飼育係との対決

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オフの日に、マネージャーに呼び出されました。

そして、二人きりの会議室で話をしました。


私「マネージャーから見ても、おかしいのはお分かりだと思います。Iさんの行動は、指導の範囲を超えている。何人もの社員が泣かされています。どう考えてもIさんに悪い点があることは明らか。でも、Iさんを放っておく会社も悪い。あの行動を許す会社に私はいられない。今すぐチームを変えてくれないのなら、私は辞めます」と。

会社に入って初めて、ボロボロと泣きながら言いました。


不思議と、気持ちはとても落ち着いていました。

こんなこと言ったら怒られるかな?


って少し思いながら。

でも、私は、マネージャーよりも、Iさんよりも、自分の時間と人生が大事だった。怒られるのなんて、もうそんなに怖くなかった。

するとマネージャーはこう言いました。


マ「ごめんなさい。あなたがいっぱいいっぱいなのは、分かっていたの。でも、なんでもキチンとこなす人だから、Iさんとうまくやっていける人が現れたのかと思って嬉しかったの。誤解しないでほしいんだけど、あなたを放っておいたわけではなくて、Iさんも私も、あなたに期待していたの。でも、あなたにこんなに負担をかけてしまった。あなたの気持ちはわかりました。辞める必要はありません。どのようにするかは、またご連絡します」

マネージャーも、半分泣いていました。



わかってたんかい(笑)

これで、肩の力が抜けてしまいました。

ああ、マネージャーなんて大層な肩書きがあると、すごく上の人と思ってしまうけど

やっぱり面倒なことは関わりたくなくて

従順にチームに尽くしてくれる若手がいたら

それはそれでちゃんと利用しちゃう。

所詮はみんな、ちっぽけな一人の人間なんだ

会社なんて、大きく見えるけれど、人の集まりでしかないんだ。

そう思って、また視野が上がったような気がしました。


結果、私は翌週から違うチームに異動になりました。

新しく配属されたチームは、私の事情を察して

「よく今まで耐えたね」
「これからはのんびりやろうね」

と言ってくれる、優しい方々ばかりでした。

Iさんは、私が何らかの行動を起こしたのだと分かったようで、全く関わってこなくなった上、数ヶ月後に出向になりました。


マネージャーからはその後、私が日々楽しくフライト出来る様に、なるべくフォローすると連絡が来ました。


私が怖がっていた、

・マネージャーに疎まれる
・Iさんの怒りを買って、復讐される
・他の同僚から、腫れ物に触るような扱いを受ける

等の事柄は一切起こらず


そこから退職まで、平穏な日々を過ごすことができました。

まさに案ずるより生むが易し。

例えマネージャーに疎まれても

Iさんの怒りを買って、復讐されても

他の同僚から、微妙な扱いを受けたとしても


そしたらその時、また考えれば良い。

一度、考えて行動するという癖がついたら、こんな風に、良い意味で開き直ることができます。

どうにもならない、なんて、自分の生み出した幻想でした。

どうにかなります。何かひとつ踏み出せば、違う景色(課題)が見えてきます。

クマに襲われて、そこから生還することよりは、大半のことが簡単なはず。


とにかく

耐えない
逃げる
考える
行動する

これらを心に留めて、あなたの大切な時間と人生を守ってください。


※ちなみに、マネージャーに対して言ってやろうと考えていた、格好いい啖呵の数々は、結局披露されませんでした。ビビリな私だけれど、それはそれで、私だったんだなと、今思い出すと、微笑ましい気持ちになります。

まあ、それで良かったんだろうな。それを言ったら、私は私の言葉で、マネージャーのことを嫌いになってしまっていたかもしれない。マネージャーに責任はあったかもしれないけれど、もともと悪いのはマネージャーではないですからね。


さて、今日のところはこのあたりで着陸します!

次回のフライトでは、私が実際にIさんへの恐怖を克服した具体的な方法や、その際役立った知人の言葉などをご紹介いたします!

ではまた!次の搭乗おまちしてます!

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