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0156:やくみん覚え書き/公務員の小説、公務員による小説

 最近『集団左遷!!』ドラマ版を観始めたが、素直に面白い。銀行は預金・融資を通じて「外」との繋がりがあり、利害も欲得もがっちり絡むから、物語はいくらでも生み出せるだろう。だからこそ、半沢直樹を筆頭に銀行モノはビジネス系物語の舞台として定番になった。

 ひるがえって役所・公務員の世界も外との繋がりは多方面にわたるし、どの役所どの部署でも必ず何かしらの公共課題と関係するから、銀行同様に物語の舞台として不足がない。マンガでは労基署を描いた『ダンダリン一〇一』や麻薬取締官の『マトリズム』、生活保護『健康で文化的な最低限度の生活』それからお役所一般『サーバント×サービス』など。小説でも『官僚たちの夏』『県庁の星』『県庁おもてなし課』などなど。

 ただし、銀行も役所も、内情は経験者にしか分からない。だから、作家は経験者や組織に綿密な取材をして物語を紡ぐ。または、現役乃至OBOGが、作家に転身する道もある(池井戸潤が代表例)。試しに検索してみたら、「カクヨム」にも公務員小説がたくさんあるようだ。アマチュアで公務員を題材にするのは、多くは公務員経験者なのだろう。

 「やくみん」もまた、こうした公務員小説の山にそっと積む小石となる。どれだけの丘、どれだけの山に育てられるかは、さておく。ただ表現者として、やはり自分が経験してきた公務員の世界への想いを、他の誰のものでもない私自身の視線を通した「人間の物語」として紡ぎたい。

 本日のヘッダ画像は東京都渋谷区・日本料理旬菜の先付。

■本日摂取したオタク成分
『刀使ノ巫女』第3話、ちょっと面白く感じられてきたかも。『集団左遷!!』第3~4話、主人公福山雅治の粗忽なところが視聴者には「志村、うしろうしろ!」という感じで惹き込まれる。こういうドラマ作りもありっちゃあ、ありだな。『CUBE』いわゆる密室脱出モノ。グロい表現は引くけどマンガなら普通に読んでるレベルではある(なのでその手が苦手な人にはお勧めできない)。展開は面白かったよ。

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