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0947:質問の意図

昨日のG7最終日。ゼレンスキー大統領への報道機関の質問で、地元RCC中国放送の記者の質問が一部で炎上している。最初に目にしたのは、リアルタイム実況中の東野篤子先生のツイートだ。

https://twitter.com/AtsukoHigashino/status/1660265946215485441?s=20

うーん、確かにこりゃひどい。記者が「和平の話し合いをすべきだ」「違和感がある」と非侵略国の大統領に突きつけるとは(とこの時点では思った)。その後ウオッチしていると瞬く間に批判ツイートが溢れ出した。RCCは今のところ炎上に対する説明はしていないらしい。

で。今夜のプライムニュースで初めて実際の質疑応答動画を観た。RCCの記者は次のように発言している。

「今回広島に来られてですね、原爆資料館を御覧になったわけですけれども、その原爆資料館の中で印象に残った資料などありましたら教えていただきたいと思います。もう一点はですね、せっかく被爆地広島を訪れているんだから、もっと戦争を終わらせるための、和平に向けて話し合いをした方がいいのではないかと、広島で行われるサミットで、違和感がある、という声があります。その声にどう答えますか」

「声があります」。ふむ。よくある定型句「批判を呼びそうだ」みたいに報道機関自身の批判的視点を他人の発言にすり替えて主張するずるい発言、なのかも知れない。しかし音声を聴いた私は、予想外に柔らかい口調と、東野先生ツイート(「もっと和平の話ができなかったのか。違和感がある」)とはニュアンスの異なる言い回しから、少し違う印象を受けた。実際世の中にあるそのような批判の声に対して、ゼレンスキー大統領自身の説得的なメッセージを引き出そうとした、いわば仲介的な役割を意図した質問ではなかったか。

だとすれば、炎上の背景にある「記者は批判的意図でゼレンスキー大統領に無礼な質問をぶつけた!」という認識は誤解ということになる。普通に考えれば、外国の賓客に対して報道機関所属記者が無礼な質問を投げかける筈がない。もしかすると現在の炎上は、東野先生の咄嗟のツイートがツイッタラーの認識を固定してしまい、多くの人が記者の意図に悪意があると誤解したままストローマンな論難をしている状態なのかもしれない。

仮にそうであったとしても、批判者たちは「記者の意図なんて関係無い、そのような質問をすること自体がアウトだ!」と自分の意見に固執するだろう。振り上げた拳を下ろすことは、とても難しい。相手が間違っている理由を見つけて拳を振り上げたことを正当化するバイアスが働いてしまう。

もちろん、事実は私にだって分からない。実はガチで大統領を非難する質問だったのかもしれない。それなら私も記者を批判する立場に立つよ。少なくとも、時間制限のせいか質問が言葉足らずなのは確かだ。「違和感がある」の内容がちっとも分からないのだから。もし質問意図が上記推測のとおりだとしたら、むしろこのひとことは必要なかったのではないか。このひとことがあったがために、親露派陰謀論者たちと同じ地平で捉えられてしまい、無用の炎上を招いたのではないか。

RCCが何らかの説明をするのを待とう。

--------以下noteの平常日記要素

■本日の小説進捗
「J」、3,360字から258字進んで3,618字。今日はちんまり。

■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積328h30m/合格目安3,000時間まであと2,672時間】
まったく手つかずの日。

■本日摂取したオタク成分
『レジデント・エイリアン』第1~4話、ははあ、とぼけたアメリカンコメディ。さらっと下ネタが乱舞するところとか家族問題が描かれるとかブラックテイストな笑いとかいろいろアメリカン。でもおもろいよ。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第17話、ふわああ。なんかほんとこの作品てシナリオ練り込んでるよねえ。ラスト、宇宙服の中でスレッタの泣き顔を描き、しかし声が聞こえない孤独と絶望。『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』第1話、お、これ、さりげなく演出のセンスが良いね。設定も魅力的。『推しの子』第6話、うおお、相変わらずすげえ。明らかに木村花さんの事件を下敷きにしており、それだけに絶対最後でああ来ると信じてた。悲劇を回避する物語は、これからが本番だ。

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