0653:旧統一教会の名称変更と行政の認証手続
安倍元首相暗殺事件の動機として言及されていた「特定の宗教」、それが世界平和統一家庭連合であることが本日一斉に報じられた。聴き慣れない教団名だが、旧名称「統一教会」といえば、一定年齢以上の人は「ああ!」と思い当たるだろう。昭和の時期から長く霊感商法で、平成に入ると合同結婚式で注目された宗教だ。私も昭和の人間なので当時のことは強く印象に残っている。それに、霊感商法はガチの消費者問題で、全国の消費生活センターに相談が寄せられていたと聴く。
さて。実はこの統一教会を巡って、元公務員として気になることがある。それは、「世界基督教統一神霊協会(通称:統一教会)」が「世界平和統一家庭連合」に改称した経緯だ。
まず前提知識を押さえておこう。これは登記が絡むので、司法書士の仕事にも関わるものだ。
ここでいう「所轄庁」は、普通の神社やお寺のように所在地が一箇所だけのもの、複数あっても全て同一都道府県内であるものは、都道府県知事になる。全国展開しているような法人の場合は、文部科学大臣(事務は文化庁所管)だ。
統一教会の場合は全国組織なので、名称を変更する場合は文部科学大臣の認証を要する。通常であれば、法令の要件さえ満たせば名称変更は通る。仮に所轄庁が認証しない場合は、行政手続法に基づき理由を明確に示す必要があるし、申請者側に不服があれば行政不服審査制度や訴訟を通じて争える。
統一教会から家庭連合への名称変更は、1997年から継続して申請されていたようだ。しかし、霊感商法を行う団体として世間の注目を集めている教団であり、被害拡大防止のために名称変更を認めない取り扱いが続いていた。不服審査請求があったかどうかは知らない。
それが2015年に突然認証された。当時の報道でそれを聴いた時、えっなぜ? と思ったものだ。さきほど当時の経緯がどこかにないかネットで探してみたが、間接的なものしか探し出せなかった
先に記したように、規則変更認証申請があった場合、形式的に適法であれば行政は通す。長年それを通さなかったのは、形式以外の理由があってのことだ。それは当然、霊感商法で世に知られた教団名を変えることの社会的影響を考慮してのことと思われる。
形式ではなく実態をみての判断。その判断が変更になったのは、何故だろう。当時も意識して報道を追っていたつもりだが、理由は明らかにならなかった。今検索してみても同じだ。検索の中には「安倍長期政権下で有力議員の○○が圧力を掛けたから」という説もあったが、根拠の不確かな陰謀論的意見を鵜呑みにするわけにはいかない。
もうほんとただ純粋に、「行政の判断に決定的な変更があった背景に、どのような経緯があったんだろうなあ」と興味があるのだ。
【続報はこちら】
--------以下noteの平常日記要素)
■本日のやくみん進捗
第1話第21回、5,180字から進まず。
■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積266h57m/合格目安3,000時間まであと2,734時間】
勉強再開するつもりが結局ノー勉強デー。
■本日摂取したオタク成分
『クローズアップ現代 安倍元首相銃撃 事件の"背景"に何が』、これを観ながら今回の記事を着想した。
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