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0800:やくみん覚え書き/その形式でしかできない表現

 最近風呂の中で『フラジャイル 病理医岸京一郎の所見』(恵三朗、草水敏/講談社アフタヌーンコミックス)kindle版を少しずつ読み進めていることは、以前にも書いた。

 今日の入浴時に既刊23巻のうち15巻に突入。ここまでで既にこの作品の完成度の凄さに圧倒されてきた。絶妙なキャラクター造型と配置、高度な医療現場のリアリティ、筋立ての見事さ、何ひとつ文句のつけようのない作品だ。そして、先ほど浴槽の中である頁に至り、思わず「すっげえ……」と言葉が漏れた。72-73頁の見開き、リンチ症候群のある特性を患者に告げる場面だ。ネタバレ回避のため、詳しくは書かない。15巻冒頭からここまで、患者の人間性、彼女を取り巻く家族たち、寄り添う孫娘の姿を描いてきた。その全てがこの見開きで強烈な意味を持った。

 これはマンガでしか出来ない表現だ、と思った。言葉の説明をせず、一枚の絵で、読者に伝えるべきことをまことまっすぐに伝えている。あらためて、本当に凄い作品だと思った。

 今、公務員小説「やくみん! お役所民族誌」第1話第25回(おそらく最終回)を書き進めている。完結を急ぐせいか、あれこれ説明的な文章になっているのが気になる。連載初期の頃は、いかにストレートな説明を回避して読者に情報を伝えるか、感情を喚起するかを意識していた。しかしその工夫を凝らすのはかなり脳の力(理性と感性)を使う。なので全体を通すと「説明」の贅肉がかなりたっぷりあると自覚している。今書いている場面も残念ながらそうだ。今はひとまずドラフト稿を書き上げることが目的なので、それはそれでいい。

 その先に、どこまで作品を磨き上げることができるか。『フラジャイル』の表現の高みを見て、自身の表現者としての覚悟を問われた気がした。

--------以下noteの平常日記要素

■本日のやくみん進捗
第1話第25回、3,097字から567字進んで3,664字。

■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積325h15m/合格目安3,000時間まであと2,675時間】
ノー勉強デー。

■本日摂取したオタク成分
『SKET DANCE』第5~6話、回を追う毎にドライブがかかってるな。斉木楠雄に近い感じがある。『NieA_7』第4~8話、ドタバタコメディの背後に漂う鬱感覚、いいなあ。『うる星やつら』第7話、こういうちょい役ちびキャラ、うる星の定番。『不滅のあなたへ シーズン2』第3話、ボン登場。

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