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0803:はじめての胃カメラ

1.前振り──医者嫌いと検診すっぽかし

「私は医者嫌いだ」

このフレーズから始まるエントリを書いたのは昨年10月のこと。この時には初めての大腸ガン検診について記した。

あらためて。私は医者嫌いだ。それでも定期検診は公務員時代に毎年受けていたので、むしろそれは受けておきたい。と、思っていたのだが。

県庁を早期退職して地方公務員共済から協会けんぽに移行した初年度である昨年度は、結局検診を受けなかった。主因は「受け方が分かってなかったから」。公務員時代のように保険者から検診通知が届くものと思い込んでいた(正確にいえばそう期待していた(より正確にいえば敢えて自分から調べたりしなかったのだ)のだ)のだ。素晴らしく読みにくい文章だな。まあいい。ともあれ昨年は数十年振りに検診を受けなかった、という事実だけご理解いただければ問題無い。最初からそう書けという苦情は受け付けない。

ひとつ弁明しておくと、妻の特定健診の案内は郵送されてきたのだ。なら被保険者本人の私も、と思うじゃない。それで待っていたのだ。しかしよく考えてみれば、公務員時代も妻の通知は郵送され、私は職場の声かけでやってたわけで、私は被雇用者であると同時に雇用者(法人代表役員)だから、私が私に声かけをする流れだったわけだ。なんと、ひとつも弁明になってなかった。

2.協会けんぽの検診の受け方──尻に火がついてから調べ始めるタイプ

昨年のエントリにも書いたが、私は検診の2ヶ月前から禁酒・節食し毎年の検診を乗り切り、検診が終わると毎日酒を飲む、酒を飲んだらつまみも喰う、という体にダメージを与える効果的な方法を採ってきた(一般にそれを「不摂生」という)。こうした不摂生の最も分かりやすい数値は体重だ。私の身長は174.5cm。検診のタイミングではBMI標準範囲内の70~71kg程度に押さえ、食べ出すと80kg近くまで行く。まあ数十年こんな感じで大きな不調もなく50代半ばまで来たわけだ。

ところが昨年は検診をすっぽかしてしまったものだから、そういう節制期間のないまま、丸一年と数ヶ月、酒を飲み続けてきた。酒量は時期に依るが、缶酎ハイ500ml+焼酎お湯割り1杯がデフォ、これに醸造酒1杯が加わる事も少なくない。日本酒換算2~3合というところか。

そんな状態で8月の救急車騒ぎが起きたわけだ。

この時点で体重は78kgくらいだったと思う。それから一定の節制をして、現在は72kgだ。

さすがに今年はちゃんと検診を受けねば、と思った。実際に調べたのは1ヶ月後の9月下旬。協会けんぽの検診の受け方は、ちゃんとHPに掲載されていた。

ポイントは

  1. 被保険者本人は、事業所単位または被保険者が直接検診機関に予約する。

  2. 被扶養者は、受診券が送られてくる。その後は直接検診機関に予約する。

つまり被扶養者は受診券送付が通知になるが、被保険者本人はそれがないわけだ。ははあ、なるほど(何を暢気に)。

というわけで、協会けんぽ地元支部のページからもよりの検診機関を確認。大きな病院だけじゃなくて診療所もあるな。ただかかりつけは含まれていないので、ここは寄らば大樹の陰で病院にしよう。残念ながら救急車で運ばれた徒歩圏内の病院は含まれておらず、少し距離のある市立病院で受けることにした。ところが病院HPを見ると当面の検診は予約が埋まっていて、最速で12月半ば。仕方ない、これで予約しよう。ポチッとな。

3.はじめての協会けんぽ生活習慣病予防健診──大病院はシステマティックやね

で、今日が検診日。前日21時以降は絶食、当日朝6時までは水か白湯なら飲んで良いとのお達しにつき、5時50分に起床して水をコップ一杯飲む。

7時半過ぎに家を出て、受付開始8時の数分前に会場に至る。既に10人くらい集まっていた。順番に呼び出しがあり、問診票などを渡して受付。脱衣所で検診衣に着替えて検尿を採り検便と共に提出するよういわれる。ははあ、以前から大きな病院に行くとこの手の服を着てる人がいて、てっきり入院患者だと思ってたけど検診受けてる人だったのね。

待合室の四方に各項目のブースがあり、待っている間に名前を呼ばれてブースに向かうシステム。レントゲン、心電図、聴力、視力、採血の順に受ける。次の問診も含めて、公務員時代の定期検診と同じような感じだ。もっとも公務員時代は勤務時間中に敷地内で受けたから、検診衣なんてなかった。

で、最後に問診。年配のお医者さんだったが、人懐っこく明るい感じでいろいろお話ししてくれる。安心感をくれるお医者さんは有り難いよね。お話のポイントは以下のとおり。

  • 後日結果の出る血液検査を除いて、今のところあまり問題がない。視力と腹囲がひっかかる。

  • 視力は左右のアンバランスがあると片目で見てしまう。医者だとこれは禁忌、ものをうまく立体的に見られないから。一般の人はそれほど問題ではないが、何かの病気でそうなることもある。いい年齢なので、すぐじゃなくてもいいから一度眼科を受診してみては。

  • 腹囲が大きいので内臓脂肪も予想される。怖いのは脂肪肝。休肝日はなくていい。肝臓専門医の連中(←ママ)もみんな休肝日に意味は無いといってる。それよりも酒量が大事。3合は多いので、2合以下にした方がいい。もちろんたまに痛飲する日があるのは構わない。

  • この後、最後に大物がある。胃カメラは初めてとのことで、是非受けた方がいい。本当はピロリ菌検査もやった方がいい。一定年齢以下の人は殺菌された水道水で育っていて、ピロリ菌はまずいない。昔は井戸水を飲んでいて感染している場合がある。食物を噛んで子供に与える親から感染するケースも。ピロリは胃に入ると、自己防衛のために胃を収縮させて生き延びる。そこから胃がんが発生することが分かっている。検査をして、ピロリ菌がいたら除菌することをお勧めする。今ピロリ菌がいなければ、今後感染することはまずない。その場合は胃カメラを毎年飲む必要もない。

最後の話を聴いて「今からでもピロリ菌検査受けられますか?」と確認すると、受付の人と調整してくださって、先ほどの採血から追加検査してもらえることとなった。

4.はじめての胃カメラ──ああっそんな奥まで!

いよいよ最後の大物・胃カメラだ。アラカンにして初体験。検診とは別の建物である病院本体に移動。いろいろ説明を聞き、鼻の奥に鼻を広げる薬と麻酔を流し、胃を膨らませる液をコップ一杯飲む。しばし待機して、いよいよ検査室に呼ばれる。ベッドに左を下に横たわる。こちらがマスクを外しているので、先生はマスクの上から透明なフェイスシールドを着けている。

「初めての胃カメラですね。胃カメラって、鼻でも口でも、それなりにつらい検査なんですよ」

はい。こちらは既に俎の上の鯉なので、はいとしか言いようがない。

胃カメラを見せてくれてあれこれ解説。

「鼻から入るかどうかは、鼻の奥の狭さに依るんです。狭いかどうかは入れてみないと分からない。ダメだったら口から入れますね」

はい。

まず右の鼻からぐいっ、ぐいっ。ちょい痛い。もともとインフルエンザの検査で鼻の奥に綿棒突っ込むのとか苦手なんだよな。まあある程度は麻酔が効いてるわけだが、無痛という訳にはいかないようだ。

「どうもうまくいかないな。左でやってみますね」

ずぼっと右から抜いて、ずぼっと左へ差し込む。こちらもなかなか苦労している。痛い。熱いような痛さ。でも、堪えられないほどではない。でも痛い。

「思ったよりあなた、鼻の穴が狭いね」

ですかあ。

そこからぐりぐり1分くらいやってるうちに喉まで通る。

「喉を通るときにちょっとオエッとするけど、我慢してね」

はい(としかいえない)。確かに喉を異物が通る不快感はあったが、おそらく喉からカメラを入れるのに比べればマシなんだろう。やがて鼻も喉も痛みや違和感はなくなり、カメラが食道から胃へと進入していく。これはあまり感じない。熱いものを食べても喉元を過ぎれば熱さ忘れる、要は感覚が鈍いのだろう。

「胃炎があるな」

「ああ、ポリープが」

映像を見ながら先生の独り言だか実況中継なのだか。期待していた「綺麗な胃ですね」というわけにはいかないか。途中から看護師さんがずっと背中をさすってくれていた。犬が飼い主に撫でられてリラックスするように、こちらの気分も落ち着く。皮膚マッサージって大事だな。

「じゃあ抜きますね、あと少しで終わります」

ずりり、ずりりり。ずりっ。差し込むときほどの痛みはなく、何かが動く違和感のみ。

「はい、終了です。お疲れ様でした」

はあー。奥まで突っ込まれた初体験は、確かに心身のダメージはあった。その一方で、そうかこういうものか、とも思った。何かに似ているが、経験を重ねるうちに大好きになるような要素は、胃カメラにはないね。

その後は椅子に座って先ほどの画像を一緒に確認。ポイントは次のとおり。

・食道癌や胃癌はない。
・3mmほどのポリープがあるが、これは良性。経過観察。
・色の濃いところと薄いところがあり、薄いところは慢性胃炎。おそらくピロリ菌がいる。血液検査で見つかったら除菌をすることになる。

現時点で今回の検診で指摘された一番の問題は、この慢性胃炎だな。血液検査の結果を待って、善後策を講じよう。

5.まとめ──検診は受けた方がいい

最後に会計。数千円レベルを想定していたら、あれこれオプションをつけた結果、13,684円。おおっ、そんなにか。

まあメニューと金額を照らすと、完全自費ではなく協会けんぽ負担を除いた自己負担分なのだろうということは理解出来る。胃カメラが総額1,650円でできる筈ないもんね。

こうしてみると、オプションを抜いた「一般検診」を毎年無料で受けられていた公務員の世界は、ほんと福利厚生が充実していたんだなあ。しかも職場で受診できる利便性、日時が決められていて職員が交代で行く仕組みなど、恵まれていた。

とはいえ、自覚症状のない身体の異常を見つける定期検査は、とても大事だ。自分の生活行動を反省する契機にもなる。来年以降もきちんと受けるよ。

--------以下noteの平常日記要素

■本日のやくみん進捗
第1話第25回、4,238字から384字進んで4,622字。

■本日の司法書士試験勉強ラーニングログ
【累積325h15m/合格目安3,000時間まであと2,675時間】
ノー勉強デー。

■本日摂取したオタク成分
『SKET DANCE』第15~18話、ギャグと感動のバランスがいいよなあ。『BURN THE WITCH』、おお、なんか個性あるな。原作者久保帯人の作品は読んだことがない。『憂国のモリアーティ』百合の追憶&モリアーティ家の休日、前者はええ話系、後者はコメディ。『闇の末裔』第1~3話、うーん、世界にはまれない。ながら観してたら筋もあまり頭に入らなかった。美形男子が活躍するという点ではモリアーティと同じなわけだが、あっちは好きなんだよ。物語作りが少し古いのかな。続きどうしようかなあ、あまり惹かれないからなあ。『孤独のグルメSEASON10』第6話、下呂の食堂。美味そう。

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