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持続化補助金の申請書を拝見して思うこと

小規模事業者持続化補助金(一般型)、小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の2回目の応募締め切りが6月5日でした。例年になく多くの方に注目をされている状況で、職業柄多くの方の作成した申請書を目にする機会がありました。

さて、「補助事業計画」ですが、拝見しますと、とても読みやすくて中身を把握しやすくイメージがわきやすい計画書と、なんだか読みにくくて読んでもなかなか中身が把握できず何をなさりたいのかイメージしにくい計画書があります。もちろんお仕事の内容によって、私が経験してきた人生からイメージしやすい事業と想像がしにくい事業がありますが、ここで言いたいのはそのようなことではありません。

それは、ずばり、『「補助事業計画書」がきちんと物語になっているか?』です。

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桃太郎を例にあげましょう。

桃太郎は、川で洗濯をしていたおばあさんが拾った桃から生まれて、成長したあときびだんごを手に鬼ヶ島へ鬼退治に向かい、途中きびだんごを渡してきじ、猿、犬をお供にして、鬼退治に成功する。そういうお話ですよね。

これを例にとるとまず目的、一般型の書式でいうと【補助事業の効果】のところは「鬼退治をする」があたるわけです。さて、補助要領をみますと 「小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取組の経費の一部を補助することにより、地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とします」(第5版)とあります。つまり、簡単な言葉でいうと、この補助金で販路を開拓したり生産性を向上させて、「儲けて」、事業を継続してね、ということです。

読んで理解がしにくい計画はこの【補助事業の効果】のところが、あいまいであったり、的外れであることが多いです。桃太郎の話を読んでいたと思ったら途中から浦島太郎になってしまった、というような印象の計画書を時折見かけます。物語のエンディング、結末であるわけですから、当然「公募要領の指定する目的」に沿った形で書かないと採択はされにくいかと思います。できれば数字を用いて目標を説明するとなお良い計画になるのではないでしょうか。

そして、桃太郎の中のきびだんごが「補助事業計画」では補助金、「きじ、猿、犬をお供にする」が【取組内容】にあたります。

さあ、勘の良い皆様はもうお分かりですね。先に【補助事業の効果】が補助金の目的と合致しているかが大事とお伝えしました。では、【取組内容】は他人が見てその効果が期待できると思えるような内容になっているでしょうか?

きじ、猿、犬が鬼と戦う際のお供にふさわしいかはわかりませんが、少なくても「可愛いからチワワにきびだんご渡す」とか、「好きだからカピバラ仲間にする」では困るわけです。内部環境分析、外部環境分析、とりわけ内部環境の「強み」の洗い出し。そして、「強み」を活かしながらどう販路を開拓して売上を伸ばすのか?そのために補助金(きびだんご)を何に使うのか?そして何を達成したいのか?(鬼退治)。これらを一貫して書かれている計画書は非常に読みやすいですし、わくわくするし、応援したいと思うものです。

これから小規模事業者持続化補助金に応募される皆様。ぜひ話の筋が通った読みやすい計画書を作成して頂き、無事に採択されますことを祈念いたします。

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