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世田谷美術館で行われているシャガール展に行ってきました!

作品数130点、全てが版画作品の企画展。
最初の部屋に入ると、目に入る作品全てが白黒のものでした。
順番に見ていきましたが、多くの絵がすぐには何が描かれているのか判断できず、タイトルを見ながら内容を確認するように見る、という感じ。
色がない分描き方が強調されて見えて、その独特すぎる世界観にずっと「独特だー」の感想しか出てこない自分。

このモノクロ作品が、次の部屋もずっと続いていたらちょっとしんどいかも、、、、と思いながら順路を進むと、次の部屋ではパッと華やかなカラーの世界が広がっていました。

ほっと一安心して見始めましたが、最初の部屋が白黒作品のみだったせいか、今度は色の使い方に注目してしまい、、、、なんだか今回は絵そのものよりも、彼の独特の絵の特徴に注目するという、特殊な絵画鑑賞となりました。

今回気づいて面白かったのは、シャガールの人物に対する色使い。
一人一人、色違いの全身タイツを履いているかの様に、全身一色で塗り分けるという大胆な着彩だったり(トップ画像の展覧会案内チラシの人たちもこのパターン。左上に青い人と白い人、右下に黄色い人と緑の人)、

左のポストカードの絵の様に、画面を大胆に4色分割して、人の存在はおかまいなしに色で塗り分けたり。(花やパレットなど、モノには結構細かく色を使うのに、人にはベッタリ緑色。。。)

購入した2枚のポストカード(今回の展示作品ではないもの)


どちらのタイプの絵も散見されましたが、特に全身タイプバージョンは、赤い人や黄色い人など、色も多数でカラフルなのが衝撃的でした。
自分だったら、なんとなく青は病的とか赤は熱がありそうとか、色によってマイナスに見えてしまいそうな気がしてしまいますが、何にも縛られないところが凄いなぁと感心しました。

今回のシャガール展は、『ダフニスとクロエ』や『サーカス』など6つの本に収録された絵を、本ごとにまとめて見ていくというものでした。カラーの作品は、さすがシャガール!と思える美しい色使いで楽しめましたが、同じ本の絵は同じストーリーがテーマですから、当然似たような雰囲気を醸し出していて、多種多様な絵を見たい欲張りな私にとっては、少し物足りない気持ちも残りました。

美術館2階では、山口勝弘と北代省三展(イカロスの夢)が見られたので、そのまま2階へ、、、結局、あまり自分のお気に入り作品は見つからず、出口にむかいかけた最後の壁で、駒井哲郎(920年 - 1976年)さんの作品に出会いました。

結構著名な作家なのにこの日まで全然知りませんでしたが、一目で作品のファンになってしまいました。
展示は10点弱でしたが、どの絵も美しく離れ難く、もっと他の作品も見たい!と思っていたところ、図書館内に図書室を発見!
蔵書の美術書の中に4冊の作品集を見つけて、食い入るように見てしまいました。

エッチングという手法の版画作品で、日本を代表する銅版画のパイオニアだそうです。画集の表紙の絵も可愛い!

煌めく紙上の宇宙/駒井哲郎

また1人好きな作家に出会えて、嬉しい収穫のあった1日となりました。



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