3月買ったCD①

vivid/kiki vivi lily(2019年)☆×5
天才。今期今後買うCDでこれを上回れるか心配なくらいクオリティーが高い。なぜ最近まで気づかなかったのか。
vivi(from iyiyim)となんとなく文字列と声質が似てたからか。

youtubeに上がっている「80denier」をとにかく聞いて欲しい。
CDを見て気づいたけど、バックはWONKが参加してるのか。
エレピの入り方と音がカッコいい。ふわっとした音と絶妙な前のめりなリズムが
夜の散歩に気持ちよく歩調に合わせてくれる。


音もそうだがとにかく歌詞が最高に良い。
何度目かのデートの後の歌だろうか。
「手を引かれゆく15分の間中考えていたの」

「階段を10段登ってゆく間中考えていたの」
という短い葛藤が彼との距離感を感じる。
微妙な、そして繊細な距離感だ。

その繊細な距離感を壊せるのは
思いっきりだったりする。
サビは似てるようで、全部違う歌詞だ。

1サビ
ねぇ今触ってもいいんだよ
恥ずかしがっていないでよ
わたしだって本当はこそばゆい
ねぇ今触ってもいいんだよ
恥ずかしがっていないでよ
わたしだってちょっぴり期待してる

2サビ
ねぇ今触ってもいいよね
恥ずかしがっていないでよ
わたしだって本当はこそばゆい
ねぇ今触ってもいいよね
恥ずかしがっていないでよ
そうきっとちょっぴり期待してる

3サビ
ねぇ今触ってもいいんだよ
恥ずかしがっていないでよ
わたしだって本当はこそばゆい
ねぇ今触ってもいいよね
恥ずかしがっていないでよ
わたしだって本当は...

4サビ
ねぇ今触ってもいいんだよ
恥ずかしがっていないでよ
わたしだって本当はこそばゆい
ねぇ今触ってもいいんだよ
恥ずかしがっていないでよ
そうきっとちょっぴり期待してる

すごくないですか。まじで。
お互いの葛藤が伝わってきません?
ほぼ同じ言葉の使いまわしで意味が全然変わってくる。
少ないコードと少ない言葉回しで曲の主題を歌えるのは見事としか
言いようがない。そして、最後は、

「あなただってちょっぴり期待してる
そうデニールの意味さえわかってないくせに」

最後の「ない……くせに」の間の一瞬が
音楽的には曲を引き締め、歌詞としては勇気を振り絞って小悪魔的に笑う女の子が見える。
そして、聞いてる人は恋に落ちる。
ちなみに、80デニールのタイツは60デニールと違うんですか?
濃い色のほうが80デニールですよね?
とまあ、男なんてデート中はあらぬ期待はしてもデニールの意味もわかってないんですよね。


しかも、この曲以外も4番打者クラスの曲がごろごろ入ってる。
全体的に演奏もえげつないくらい上手い。
「Brand New」の前奏。絶対にやらなくていいユニゾンばっかりやってる。
しかも、「そこ?」みたいな上がり下がり。
これがまたカッコいい。全体的にそんな曲ばかりだ。

彼女は語弊を恐れずに言えば、新時代のaikoだと思う。
花火やキラキラの線上にある緩く乗れるファンク。表現的にはふぁんくかもしない。
そして、渋谷系。音やコードの使い方は間違いなく渋谷系の系譜にある。
ただ、それはシンバルズやROUND TABLEなどの後期渋谷系とは違い、
フリッパーズギターの案件だ。音を使いすぎず、勢いを付けすぎず、
ふわふわさせる。

本当にいいCDを買った。これを超えるCDは今期現れるのか本当に分からない。

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