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ポケモンWCS2024「ポケモンユナイト」部門 出場チーム紹介~前編~

こんにちは、eスポーツキャスターの水上です。遂にこの時期がやって来ました。

ポケモンWCS2024、ポケモンバトルの頂点を決める戦いは今年ハワイ・ホノルルにて行われます。勿論「ポケモンユナイト」部門も開催!
各地域にて限られた枠を勝ち取った代表チームがホノルルに集まり、ユナイトバトルの世界一を競います。実況させて頂きます。ありがとうございます!嬉しい!!
ユナイトのWCSは今年で3年目。これまでは現「Luminosity Gaming」が2連覇を達成している状況です。
日本チームは勿論、海外チームも3年目になると「かつてはこのチームにいた」「去年は同じチームだった選手たちがそれぞれ別のチームに入って権利を取った」って事が生まれます。そういったドラマはチーム戦の醍醐味のひとつであり、仮にゲーム内容そのものに関係無くとも、観戦を楽しくさせてくれる要素の1つで、僕たちキャスターが伝えるべきファクターの1つだとも思っています。

なのでこの記事では、普段は中々見る機会の少ない海外チームの情報や、WCSだから初めてユナイト見てみるぞ!って方に向けて、出場する全チーム・選手達をご紹介できればと思います。
内容は各選手が代表経験はあるか等の競技シーン歴や、どんなポケモンを選んで勝ち上がってきたか、どんな戦い方をしていたかを纏めるつもりです。めちゃ長くなっちゃうので前後編に分けます。

いくつか前提として
「選手はリザーブを除いた5人を記載」
「出場しない事が解っているチームについては記載しない」
「使用ポケモンや戦略はWCS権利のかかった公式大会での試合を資料とする」をルールとしております。5~6月あたりの試合を参照しているので今とは環境が違いますが、使用ポケモンの傾向とかを参考にして頂ければ。
また、長くなっちゃうんでWCSの試合形式説明などは今回は無しで。1日目に沢山勝つと2日目に行けて、2日目に負けなければ優勝です!

前編となる本記事ではアジア圏を中心とした以下のチームを、それぞれ地域ごとにご紹介します。

アジアのポケモンユナイトは強い

長くなるとは思いますが、多少なりとも見ればWCSユナイト部門をより楽しめるようになる記事を目指していきますので、よろしくお願い致します。


日本

FENNEL

pyi/アマージョ・バシャーモ
yumenyan/キュワワー・ハピナス・ワタシラガ
TON・GG/ブラッキー・カビゴン・ヤドラン・プクリン・イワパレス
Mashio/ドードリオ・アマージョ・ウッウ
Lucapo/ニンフィア・エーフィ

FENNEL。代表決定戦となるPJCSで無敗のまま優勝。現在名実共に日本最強のチームです。
pyi選手・yumenyan選手・TON選手の3名は「おやすみマクロ」として昨年のWCS2023で3位に。Lucapo選手は「Mjk」として4位に。じゅうぶん誇るべき順位ではあるものの、選手達としてはとても悔しい思いをしたでしょうから、今回のWCS2024に向けても強い気持ちで臨んでいると思います。
Mashio選手は2024年にこのチームに加入しましたが、加入直後の大会から苦しい状況を逆転するキーマンになったりと、既にチームに欠かせないメンバーとして存在感を示しました。

特徴は練られた多彩な戦術と、それを可能にする個人個人の高い技術、マンパワーにあります。
PJCSでは環境が固まっていた事もあり使用ポケモンとロールは固定気味ですが、殆どの選手がロールを超えて多くのポケモンを高いレベルで使いこなす事が出来、相手チームの作戦に対してとても柔軟に戦う事が出来ます。
yumenyan選手は今では基本サポートのみを使用しますが、味方の支援に留まらず相手への妨害も非常に長けており、勝ち筋を作り出せるプレイヤー。日本予選において厳しい状況をヤミラミのユナイトわざ一発で大逆転したシーンは今後も語り継いでいきたい。
集団戦に置いても自分達から相手にアクションを起こし相手を動かしてそこを突くような戦いを得意にしているとインタビューでも話してくれました。

個人的にとても楽しみにしているのは、持ってきた構成にpyi選手とLucapo選手のダブルエースがどう収まっているか、です。
pyi選手は日本屈指の技術の持ち主として海外でも注目されており、Lucapo選手も昨年「Mjk」のエースとして4位にまで上り詰めました。こんな絶対的エースが2人もいるチームはそう多くは無く、そのパワーをどう作戦と構成に落とし込んでくるのか、期待しています。

日本代表が決まった瞬間に反省会が始まったと語られたくらいストイックなチーム、FENNEL。
リーダーのpyi選手は自身を「最強」と称し、彼ら自身もとても自分達に自信をもっています。そして多くのファンも「FENNELなら世界を獲れる」と信じています。その期待を背負って戦う彼らの試合、是非見届けてください。

もっと「FENNEL」について知りたい方は昔詳しい記事を書いたので是非こちらを。

ZETA DIVISION

Cocoatta/メタグロス・ドードリオ・ヌメルゴン・アマージョ
Vitoppo/リーフィア・ゾロアーク・カイリュー
IamTomato/マンムー・ブラッキー・オーロット・カビゴン・ヤミラミ
Rom/ニンフィア・エーフィ・インテレオン
Wajirou/キュワワー・ワタシラガ・ハピナス

ZETA DIVISION。結成から1年に満たない彼らですが、数えきれないほどの大舞台を経験し、そして結果を手にしてきました。日本予選では常に上位。アジアリーグではアジアの強豪を蹴散らし無敗優勝。招待されて向かったEUICでは準優勝。間違いなく今年一番日本のユナイト界で話題になったチームなのでは無いでしょうか。

チームとしてはとにかく相手のポケモンと戦闘を行う集団戦に自信を持ち、どんどん攻めていく強気なプレイが特徴です。基本ポケモンユナイトにおいて、相手側のエリアに攻めていくのは大きなリスクを伴う行為ですが、そのリスクをカバーできるよう、相手からの攻撃に対しても全員で対応できるよう、息を合わせて立ち位置を揃えて攻めていく練習をしたとインタビューでは語ってくれました。
本番の勝負強さを持ちダメージを出し続けるVitoppo選手とRom選手や、ディフェンス・サポートとして冷静に、不利な状況でも勝ち筋を見出すIamTomato選手とWajirou選手とメンバーのメンタルも強く、大会でも非常に華のあるプレイを魅せてくれます。

リーダーのCocoatta選手はまだ見つかっていない強いポケモンや、隠れた強戦術を見つけ、試合中に相手の意識していないポケモンをぶつける事も得意としています。日本できずぐすりドードリオを見つけて流行らせたのも彼。PJCSから2ヶ月の間にどんなポケモンを育ててきたのかとても楽しみ。
2024年活躍をし続けてきた彼らですが、実はWCSの舞台は初です。大舞台中の大舞台に挑む彼らの試合を是非ご覧ください。

「ZETA DIVISION」についてももっと知りたい方は、リザーブの1LevUP選手も含めて書いた記事がありますので是非ご覧ください。

REJECT

Yakou/ハピナス・フーパ・ワタシラガ・キュワワー
Haruta/エーフィ・ニンフィア・ギャラドス・ルカリオ・ドードリオ・フシギバナ・タイレーツ・ゼラオラ
piui/ピカチュウ・ウッウ・ニンフィア
Tamerin/オーロット・カメックス・ヤドラン・ブラッキー
Satake/アマージョ・バシャーモ・ミミッキュ・ゾロアーク

REJECT。PJCSでは唯一プロチームとして出場(他2チームはPJCS後に加入)し、見事代表の権利を掴み取りました。
Yakou選手、piui選手は2022、2023年共に「Secret Ship」として出場しており、3年連続WCS出場のお2人。Haruta選手は2022年に「T2」として代表なので、2年ぶりの代表出場。初年度から「ポケモンユナイト」のシーンを引っ張ってきた選手が多いチームですね。
Tamerin選手、Satake選手はどちらもWCSの出場自体は初ですが、Tamerin選手は2023年の競技シーンでも活躍。逆にSatake選手は2024年から頭角を現した、REJECTの最若手にして現役の高校生でもあります。

戦術の方向性はSatake選手をエースとして、その動きをサポートしていくスタイル。Satake選手はREJECTへの加入順としては最後になるんですが、その最後の枠にはチームのエースとしてセンスのあるプレイヤーを求めていた所、Satake選手のプレイが本当に良かったから今のスタイルに落ち着いたとの事。
更にポケモンの構成や戦略も非常に豊富なイメージがあり、本当に多くのポケモンを使用できるHaruta選手を中心にTamerin選手が戦術を考え、試合ごとに様々な顔を見せてくれるチームだと思います。
WCSまでの期間でもチーム全員で三日間泊まり込みのブートキャンプを行ったりと気合じゅうぶん。色々な作戦を試していて、練習試合をする度に毎回別の構成を持ってくるとのお話も伺ったことがありました。

REJECTの加入発表はPJCS直前に行われました。その事についてリーダーのYakou選手は「プレッシャーもあったが、もし乗り越える事が出来ればチームとして更に成長できると思った」とインタビューで語ってくれました。覚悟の末代表を掴み取ったREJECTの戦いを楽しみにしています。

「REJECT」ももっと知りたい方は、リザーブのO2選手についても書いた記事がありますので是非ご覧ください。

韓国

Xora Tigers gaming

chobo/ブラッキー・ハピナス
jjong/ギャラドス・バシャーモ
ward/マンムー・オーロット
Mule/バシャーモ・ウーラオス(れんげき)ドードリオ
Subben/ピカチュウ・エーフィ

ゾラタイガースゲーミング。韓国地域の代表。
チームとしては2024年のアジアリーグで実力を見せた強豪チーム。
chobo選手とMule選手は「Akjil」jjong選手とsubben選手、ward選手は「Team3stars」としてWCS2023年に参戦していた選手たち。Akijilは6位でT3SはDay1落ちでした。ちなみにchobo選手だけは「No show」として2022年にもいた3年連続選手。

韓国予選では勝者側のまま突破しており、試合数が少なくてちょっと資料が乏しい。少なくとも韓国予選の決定戦では全勝で不利でラストスパートを迎えた試合も無く、安定した勝ちを納めました。
ディフェンスのward選手の集団戦の始め方と、それに合わせるチームの連携が非常に綺麗で、集団戦が強いチーム。
予選ではサポートのchobo選手が妨害の出来るイカサマ+ねがいごとブラッキーを採用していて、ward選手と合わせて前線に出る事で安定感も増している様に見えました。

戦い方はギャラドス+バランス1匹を選び、上ルートを攻めてギャラドスを育ててから下に行く。
選べる限りギャラドスは毎回選んでたけど、禁止されたときはjjongがバシャーモでMuleはドードリオ。Mule選手はバシャーモが特に上手い。ブレイズキックからチャンスを掴むのが上手くて、ワカシャモの時点で存在感がある。
集団で動く意識が強く、基本2人以上で行動し誰かが孤立して動くシーンは少ない。重要な野生ポケモンに対しても出現する10数秒前にはしっかりポジションを確保して草むらから先手を取る。ラストスパートも、点数有利で攻める必要が無かったのはあるけど焦らずじっくり戦ってた。

ドラフト面は基本フーパを禁止。アジアリーグでは自分達でフーパを使うシーンもあったが、今回はずっとフーパ+1を禁止枠にしていた。

変に孤立して倒されるとか、有利状況でゴールに抜けて相手チームにレックウザを攻撃するチャンスを作らせるとかそういうシーンが無く、言い方合ってるか解らないけど「余計な事を全然しないチーム」と感じた。何度も言っているけど本当に安定してる。
XTGはREJECTと同じCグループ。試合が今から楽しみです。

台湾/香港

Shinn & Ruoday

Shingdi/グレイシア・バシャーモ
Ice/ハピナス・ワタシラガ・キュワワー
ZzzRay/ミュウ・インテレオン
Ikura/イワパレス・ブラッキー
BKZ/アマージョ・バシャーモ・ギャラドス・マスカーニャ

シンアンドルオディ。SAR。台湾/香港地域代表。
「Hi5」として初代アジアリーグを制してから活躍を続ける強豪チーム。去年も「ORANGUTAN」として出場していて結果は7位タイ。Ice選手のみ2022年も「ORANGUTAN」として出ている3年連続出場。

今年のアジアリーグの際はIce選手とZzzRay選手が抜けていたが、WCSで再集合。昨年のWCSを戦った5人で今年も挑む形になりました。

Shingdi選手を中心としたポケモン選択をし、以前はスピードタイプを得意といていたが今回は主にグレイシアで大活躍。絶妙な立ち位置で相手の攻撃を捌きつつダメージを出し続ける。更にその後ろから長距離で相手を狙うZzzRay選手の技術も素晴らしく、ミュウやインテレオンで10万以上のダメージを出していた。この2人の2アタッカーが構成の主軸。Ikura選手は今回イワパレスを多く使用していたが、がんせきふうじによる分断やシザークロスの妨害で、Ice選手と共にこの2アタックを上手く支えていた。
Shingdi選手がバシャーモを使用してBKZ選手とバランス2を行うパターンもある。

更にこのチームと言えばBKZ選手が前線の要。バランスを主に使用し、特に1VS1が非常に得意な選手で、今年はマスカーニャ等スピードタイプも使用していました。正直な感想として、去年等に感じた「うおおおBKZ最強だ」という様な印象は受けなかったのですが、活躍する前にShingdi選手とZzzRay選手が2人で相手ポケモンをどんどん倒していたからだけな気もします。
BKZ選手と言えばやはりウーラオスなイメージで、今の環境はウーラオスも全然強いのでちょっとそこも楽しみにしています。

フィリピン

Talon ESports

Kyy/フーパ・ピクシー・ヤミラミ・ワタシラガ
RBX/オーロット・ヤドラン・カメックス・ブラッキー
Dylan/ニンフィア・ミュウ
Lance/カメックス・ギャラドス・ファイアロー・イワパレス・アマージョ
Sync1/グレイシア・エーフィ・ドードリオ・ニンフィア・マフォクシー

たろん。フィリピン地域代表。
Dylan・Lance・Sync1の3選手は去年「KUMU」としてWCS2023に出場し、Day1で敗退。
アジアリーグ2024にも出場しており、その時は3位。その際はLance選手の枠がLebrone選手というプレイヤー。彼も登録はありそうなのでリザーブかも。
「Talon esports」というプロチームは2023年頃からユナイト部門でも活動しており、Kyy選手は古株。Dylan選手は競技シーンの経歴が解らず。

戦術の幅が多く、昔ながらのカメックスフーパや、ニンフィア+グレイシアのレベル4で押していく2アタック構成。ドードリオ+ヤミラミ等様々な構成を見せた。基本的には2アタック2ディフェンスが多かった。特に2アタックの部分は徹底が見られ、ニンフィアやグレイシアが選べない時はマフォクシーやミュウの出番が来る。
相手の序盤が強いゾロアークの構成にはヤドランを選んだ上で上ルートに4人集まり迎撃するなど、相手の戦術を読み切る力もある。
RBX選手のディフェンスタイプは妨害の精度が凄く高くて、相手のエースを的確に捉える。ゾロアーク相手にもヤドランのテレキネシスかなり当てていた。

ドラフト面はリーフィア、ミミッキュの禁止が多かった。
Lance選手が何を使っても個人技の高さを見せ、序盤取れたら結構強気に相手へと攻め込んでいくチーム。

インドネシア

ONIC Rise

dev/リーフ・オーロット・ギャラドス・アマージョ
illuna/イワパレス・ブラッキー・カメックス
AXQ/ミュウ・エーフィ・ニンフィア
Eeyorr/ニンフィア・ドードリオ・グレイシア・エーフィ
Zoe/ブラッキー・ワタシラガ・ピクシー

おにっくらいず。らいず。インドネシア地域代表。
去年はRex Regum Qeonとして同メンバーで出場。グループで2-1の成績を納めるも惜しくも敗退。Day1落ちだった。その後のアジアリーグ2024にも出場し、5位タイ。
その前は「Rise」としてアジアリーグ2023に出ていたので、Riseの名前が戻ってきた形になる。Riseはずっとインドネシアのシーンでトップを走っているチームでもあります。
dev選手は2022年「ORANGUTAN」として出場していた3年連続選手。

とにかくこの5人でチームを組んでいる期間が長い。2022年から発足していて、その時のメンバーはdev選手以外の4人が続いている。dev選手ももう1年半以上は組んでいて、期間の長さからくる連携力や土壇場での粘り強さは言葉で言い表しきれないものがあります。

序盤重視の構成を組んでおり、中でもミュウの評価は高い。リーフィアが空いている状況でも優先してミュウを選んでいた。
加えてニンフィア・グレイシア等も合わせて4レベルで強いポケモン達による2アタック編成。今年はこの編成が色々なチームで見られた。
8:50を迎える一歩手前で相手ポケモンのKOを狙い、序盤のテンポが取れたらどんどん相手エリアにも攻め込んでいく。この辺の動きは結構日本のチームにも通ずるものがあった。

Eeyorr選手は昨年からグレイシア+スピードタイプで存在感を出していたんですが、今年もその方向性でパラメータがかなり伸びているのを感じました。dev選手も上ルートのバランスタイプを担う事が多く、育った時の安定感がピカイチ。この2人がしっかり序盤を作った時の勢いは目を見張るものがありました。
Eeyorr選手は日本でCocoatta選手が使っていたきずぐすりドードリオを大会で使用しており、その理由は「日本の大会を見ていて良いなと思ったから」らしい。嬉しい。そんな彼らはZETAと同じグループです。アジアリーグでも一度対戦していて、その際は2-1ZETA(当時はかびちゃんず)勝利。

マレーシア/シンガポール

TeamMYS

Yang/ヤミラミ・キュワワー・ハピナス・フーパ・ブラッキー
Yemu/ストライク・ギャラドス・カメックス
Ht/ドードリオ・リーフィア・ミミッキュ・バシャーモ・ピカチュウ
NightmewFoxy/リーフ・インテレオン・ニンフィア・エーフィ
Rebongs/イワパレス・カビゴン・オーロット・ブラッキー

えむわいえす。マレーシア/シンガポール地域代表。
2022年から活躍を続けていて、日本の大会(WinterTournament等)にも良く出場してくれているので、日本大会を見てるだけも結構見る機会が多いチーム。
昨年のWCSにも出場していたが、その際はMjkに敗れて惜しくもDay1敗退。その後のアジアリーグ2024でHt選手が加わり今の形に。アジアリーグでは4位の成績を納めた。チームとしてはRiseに負けず劣らず長い。YangとRebongsはWCS2022にも出場しており、3年連続出場。

去年はフーパを軸にした構成を多く使用していたが、今回はその構成も戦術の1つとして持ちつつ、色々なポケモン選択をして勝ち進んだ。
ドラフトでは相手の得意ポケモンを禁止にしつつ、自分達はギャラドス、ミミッキュ等を優先して選んでいた。Ht選手とYemu選手が構成の中心になっていそう。ギャラドスの育て方が上手くてしっかり進化する。ギャラドスとフーパを上手く使って相手の後衛をかき回していた。Ht選手はスピードの使い手だけどアタックも上手い。


それ以外にも多くの特徴的な戦術を持つ。アジアリーグの時は海外チームでは珍しいドードリオ+ヤミラミを見せたし、今予選でもリーフィア・ストライク・ドードリオのスピード3+イワパレスとヤミラミという構成を使っていた。イワパレスとヤミラミで視界を確保し、3匹で暴れた。
その背景には日本のトップチーム「Unite Holic」へのリスペクトがあるみたいで、Unite Holic自体が様々な戦術を持つチームなんですが、そこと練習試合等で対戦する度Unite Holicが使った戦術を吸収してモノにしてくるらしい。Unite Holicが宿っている。

タイ

CakekaLok

poohpaza/カメックス・オーロット・イワパレス
Sunzage/リーフィア・ミュウ・マフォクシー
SCGSGC/ミミッキュ・ギャラドス・アマージョ・リーフィア
Nottyza/ハピナス・フーパ・ピクシー・ワタシラガ
Teerawatb/ミュウ・ゾロアーク・ストライク

タイ地域代表。
去年はSunzage選手、Nottyza選手の二人が「UD Vessuwa」として出場し、Day1で敗退。その後、その2人+SCGSGC選手の三名でアジアリーグ2024に「eArena」として出場し、Finalsまで進んでいた。ちなみに去年も予選では「Cakekalok」の名前で出ていた。

去年の時点で構成の幅は広く、ウーラオスやルカリオで押していく構成や、ドードリオ+ヤミラミ+キュワワーでほぼゴールマクロの様な構成をしたりと、色々な戦術を持っていた。今回もその幅広さは健在だが、レジエレキ等重要な野生ポケモンが絡む集団戦を重視した動きをして、よりしっかりと戦って勝ち切れるチームになっていた様に思う。

特に新しく入ったpoohpaza選手とTeerawatb選手の活躍も目立ち、poohpaza選手がオーロットのわざ1つで逆転をもたらしたり、Teerawatb選手はゾロアークでしっかり序盤からゲームを作る役割を担ったり、新しいチームとして勝ち切り強さを示した。

LCQ APAC East

Issen Aument

jeyti/ミミッキュ、ギャラドス、ルカリオ、ウーラオス(いちげき)、
cent/グレイシア、ゾロアーク、マスカーニャ、メタグロス
Swswsw/フーパ、ハピナス、ピクシー、ワタシラガ
Ryu/ブラッキー、オーロット、ヤドラン、イワパレス
Dreamt/ミュウ、ウッウ、ニンフィア

イッセンオーメント。APAC East代表。フィリピン予選にもいたが敗れ、その後このLCQトーナメントで優勝した。

ここまで何かしらWCSへの出場経験のあるチームが続いていたが、このチームはかなり不明。チーム・選手共に今大会以前の履歴が見つからなかった。
「Team Issen」というXアカウントはあり(公式サイトも)2023年6月に出来ているが、2023年8月に横浜WCSに参加したKUMUやOMOへの労いの投稿を最後に時は飛び、次の投稿は2024年5月の「LCQ勝ってWCS権利出たよ」の報告である。選手のXも見つけられなかったが、他に「Issen Vincere」「Issen Rego」等があるらしく、VincereとはLCQで争っていた。
公式サイトのメンバーページにはかろうじて名前と得意ロールが記載されており、それによるとRyuがディフェンス、Dreamtがアタック、Swswswがサポート、centが中央エリア担当でjeytiがオールラウンダー(バランス型もしくは何でも使える)との事。

ドラフトでは多くはリーフィアとバンギラスを禁止にしつつ、最優先でミミッキュを選んでいた。2枠目にはオーロットが来るが、オーロットが選べない場合ディフェンスは5枠目になる事が多い。

基本的にはニンフィア+ミュウ等、4レベルの強いポケモン2匹で中央エリアを分けあう序盤重視の2アタックが多い。
ただそればかりではなく、中央ニャオハ+上ダクマ等の難しい構成をやる事も。序盤に弱いポケモンがチームにいる時は8:50秒で上4をして勝ち切る動きを見せた。そうじゃなくても結構上ルート(レジエレキ)の取得を優先しがち。

Jety選手はミミッキュを使えた時の存在感は強かった。禁止にされる事も多く、そうなった時初めて別ポケモンが出てくる。かげうちの精度がかなり高くて、姿を見せてふらついてるだけでも相手がプレッシャーに感じてそうな試合が多かった。その間にDreamt選手がめちゃダメージを出す。

cent選手は基本はスピード、アタックだが、一度だけメタグロスを使用。
基本的には丁寧というか無理はしない立ち回りだが、序盤勝てたら相手エリアの経験値も奪いに行ったり有利を広げる動きをしていた。

LCQ APAC West

EVOS ONYX

Grid/ドードリオ・ウッウ・ニンフィア・ストライク
Kur0v/マフォクシー
alr/ギャラドス・マッシブーン・ルカリオ
DRAGODZ/ハピナス・ワタシラガ・フーパ
FGinkyZ/イワパレス・ヤドラン・オーロット・カメックス

APAC West代表。インドネシア予選でも決勝まで上り詰めたが、ONICに敗れ権利を逃した後、LCQを勝って代表になった。

ここも過去の経歴があまり見当たらないチーム。
ONYXという名前での大会出場経歴は2023年からなのと、DRAGODZ選手は2022年から活動しつつ2023年後半からonyxに加入。alr選手ともその時からという事だけ見つかった。
「EVOS」はインドネシアのeSportsチーム。youtube登録者300万人でたまげた。そこにonyxが入ったから「EVOS ONYX」だと理解している。

ドラフトでは初手ギャラドスを選んでいた。が、毎回選ぶわけでもなく後攻では禁止にしたりもしていたので、単純に環境的な評価が高そう。
次に優先して取るのはアタック型で、3匹目までにアタック型が2匹埋まっている事が多い。必ず選んでいたのはマフォクシーで、大会通してKur0v選手はマフォクシーしか選ばなかった。Grid選手はウッウかニンフィア、もしくはスピードを担当。機動力の高いポケモンで相手エリアに入り込む役割をしてた。

集団戦の要もマフォクシーユナイトで。ラストスパートの際はほぼ必ずと言って良いほど、何人かが上下に散らばって相手を囲い込む形を作っていた。
マフォクシーがほのおのうずでけん制している間にGridが相手の裏に回り込み戦う。
この戦い方は基本自分から攻めなくて良い点数有利な時が強く、中盤点数を意識して立ち回っている様にも見えた。
逆に点数不利になったらどう戦うんだろう…と思っていた所GFでそのシーンが来たが、レックウザラッシュにより僅か8秒でレックウザを倒して勝利を掴んだ。

インドネシア予選の時、RISEはこのチームに対してカイリューマフォクシーを禁止にし続けていた。明らかにそれまでと流れの違うBANだからチームメタな事は明らかで、マフォクシーはKur0v選手の存在があるので納得なもののカイリューは今大会でも見れず謎が残る形に。使わなかっただけで選択肢の1つとしてカイリュー構成は持ってるかも?

後編へ続く

前半終わり!ここまでご覧頂きありがとうございました。グループリーグの組み合わせも一緒に置いておきますので、良かったらご参考までに。

そして後編ではNA、EU等海外の強豪チームも紹介していくので、良かったら是非見てください!後編は8/16日に。

また、もしポケモンユナイトの競技シーンに興味を持ってくれた人は、今公式チャンネルでWCSや代表選手にフォーカスを当てた動画が沢山出ているのでご覧ください。

今回の記事は普段ユナイトをご覧頂いている皆さんには勿論「ポケモンWCS」の文脈で普段ユナイトを観ないポケモン好きな方々にも届けば良いなと思っています。
という事で、是非是非記事をX等でご拡散してくださると嬉しいです。

それでは、また後編で!

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