「iPadでクリエイト」はそれほど難しく考えなくていい
iPadは動画を見たり、漫画を読んだり、コンテンツ消費に最適の端末という評価をよく目にします。それはその通りなのですが、コンテンツ消費だけではもったいないなとも思います。安くはない機械だから、インプットだけではなくアウトプットにも有効に使った方がいいというのはもちろんのこと、iPadの方がパソコンよりも優れている部分もたくさんあるのです。
たとえばAppleペンシルと組み合わせると、メモや絵図を描くのが簡単です。セルラーモデルを使うと、常時接続を活かしてどこでもシームレスに作業ができるようになります。スマホの要領で電源を入れてアプリを立ち上げ、すぐにテキスト入力ができる軽快さは病みつきになります。
iPadでクリエイトするというと大袈裟なように聞こえるかもしれません。
でも、Apple純正の「メモ」アプリを開いて、考えていることを5行タイピングしてみる。pencilを接続して円や四角を書いてみる。もうそれだけで、クリエイトの入り口に立ったようなものです。
紙に書いているメモをデジタルにしてみる
というわけで、iPadとペンシルを組み合わせたクリエイトを、いくつかご紹介します。
まずは、紙やホワイトボードに書き殴っていることを、そのままiPad&ペンシルに置き換えるのが簡単です。
このメモはクリエイトとも呼べないアウトプットですが、この記事を書くに当たってiPad Pro 10.5" (2017)とiPad Mini 7.9" (2019)の画面サイズを計測して書き出してみました。使っているアプリは純正の「メモ」です。
実際にサイズを、四角形と一緒に書いてみると、改めて10.5インチのスクリーンサイズは、7.9インチミニのちょうど2倍くらいの大きさであることがわかります。それだけで頭の中が整理されて、記事を書く発火点になります。
目の前にあるものを描いてみる
イラストを描くのが嫌いでない人は、上のメモを少し発展させて部屋の中にある立体物を観察して描いてみると面白いです。
私自身、絵心も、絵の知識も、絵の技術も、何もありません。遠近法について簡単に解説してくれているウェブサイトをみて、見様見真似で書いたのが下の二つです。アプリは「Sketch」というものを使っています。
上の写真は、お気に入りのカメラであるFuji X70、下のはポケットに入っていたリップバームです。
iPadで絵を描く利点は二つあります。
一つはいろいろなテクスチャの画材を、簡単に切り替えられることです。鉛筆、クレヨン、水彩。画材を変えると絵の雰囲気もガラッと変化します。もう一つの利点は、拡大して細部を描けることです。下のリップバームの場合10倍くらいに拡大して細かい字を書き込み、もとのサイズにスケールインすると、不思議とリアルな絵に仕上がります。
才能も何も、全く不要で、とにかくよくみて、画面を拡大して、根気よく真似するだけで絵が描けます。なんか自分の新しい才能を発掘したみたいで(笑)、クリエイトすることが楽しくなります。
欲しいものを描いてみる
次の発展として、欲しいものを描いてみる、というのがあります。部屋に椅子が欲しいなと思っていた時期があり、こんな感じのが欲しいというのを雑誌で見つけて、それをよくみて描いたのが下の写真です。
好きなものを描くので、少し思い入れが強くなります。描いていて、テンションが上がります。もうちょっと絵心があれば、自分の部屋をスケッチしてそこに椅子を配置している絵なんかも描けるのかもしれませんが、まだそこまでは。。。今ならARとか使うのかもしれませんね。
「こういうのがあるといいな」を描いてみる
ある意味では上のような実物を描くよりも簡単で、ある意味では実物を描くよりも難しいのが、「こういうのがあるといいな」を描いて/書いてみることです。
実物がないので好き勝手に書けるという意味では、簡単です。反対に、モデルがないのでどう書いていいかわからない難しさもあります。
4年ほど前、スマホにキックスタンドがあると便利だなと思った時期があります。ポケットにスマホを入れたときに引っ掛かりがないように、薄くて軽くて簡単に手に入るもので何か作れないか、ホームセンターを回ってみました。それに先駆けて、簡単なスケッチをしておくとイメージが固まるし、店員に相談しやすくなります。こんな感じの探してます、というと、近いものを一緒に探してくれたりします。
最近のホームセンターでは、自由に使える工作コーナーが併設されていて、いろいろな道具や機械を使えるようになっているので、尚更スケッチがあると発展があります。
まとめ 受け身の使い方だけではiPadがもったいない。まずはやってみる
言うは易く行うは難し。しかし反対もまた真なりです。「iPadでクリエイト」は、やってみると意外と簡単だったりします。
クリエイトするということは、上手か下手かということはあまり関係なくて、でも自分の存在が受け手で終わるのか、送り手になれるのか、という重要な分岐を孕んでいます。細かいことは気にせずに、手を動かしてみると新しい自分が見えるかもしれません。
iPadは、そんなことをするのに最適なデバイスの一つだと思います。iPadを買ったけど、あまり活用していないなという人はペンシルを組み合わせてみると、思っている以上に使える道具に発展してくれます。