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SNSが作る″世論″という虚構。

 今のご時世、対面コミュニケーションが可能な場面が極度に減り、それに代替する形でSNSの果たす役割が今まで以上に拡大しているのは言うまでもないだろう。

 しかし、そこは文字だけで繰り広げられる、いわば仮想世界。手軽に情報を手に入れるだけでなく、自身が発信者となって他者に「見えざる力」を行使できるようになった。「インフルエンサー」と呼ばれる人が発した情報が、現代のトレンドをも形成するようになった。

 また、自身の地位や氏名といった身分を隠すことで、身近にある社会問題を自身の身分に危害が及ぶリスクを低減しつつ発信出来るようになった。その結果、今まで隠されてきた様々な不正が暴かれ、社会を正すことに大きく貢献してきた。

 「誰でも、自由に、好きなことを」文字を使って発信できるSNSという存在は、もはや無視できないだろう。

 しかし、そのSNSの力が正しい方向に作用しなかったとき、私たちはどうなるのか。

 「正しくない情報を発信すること」
 「その正しくない情報にふれた人間が、正しいと思い込み、それを世論の常識として組み込み、同調を要求すること」
「同調しない者を言葉で罵倒し、圧力をかけること」
 が起こってしまう。

 あるいは、「匿名性」を利用して、他人を毀損することが横行してしまうだろう。

 今回、定年延長に関する検事長法改正案と、木野花さんの逝去について、2つの事柄に大きく作用したSNSのあり方と合わせて考えたい。

 前置きが長くなったのでいったんここまで。

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