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2020県立高校入試講評②英語

 前回の数学に続いて、第2回は英語について。

 *これはあくまでも私個人の見解であり、所属先の見解を代表するものではありません。

 前回の数学の記事はこちら。

 2020年度の英語の問題は以下のリンクから
 問題用紙→こちら  解答→こちら
 リスニング問題台本→こちら 
 (県教委のリンクに移動します)


第1問 (リスニング問題)

前年からの難易度変化:変化なし

 毎年おなじみのリスニング問題だが、配点が27点で、ここの結果は全体に大きく影響を与えるので、しっかりとりたいところ。
 出題形式は、絵を見て答える問題、スピーチを聞いて答える問題、対話を聞いて答える問題とオーソドックスな構成。最終問題は英文を聞いて適切な内容を自分で考えて英文で答えるものというオリジナルな問題。過去問で練習を積み重ねていれば対応はできるだろう。

第2問 (図表を見て答える対話文問題)

前年からの難易度変化:変化なし

 今年は、青森港に寄港したクルーズ船の月別の停泊数のグラフを見て、2人が交わす対話文に関する問題である。
 (1)はグラフを見て適切な単語を穴埋めする問題。″from A to B″「AからBまで」さえ分かればOK。(2)は並べ替え問題。3問とも基本的な文法の範囲内なので、是非とりたい問題である。
 (3)は条件英作文。自分の住む所の魅力などを伝える文章を20語以上で書く設定だ。今年は昨年から5語増えたものの、この内容であればちょうどよい分量であろう。

第3問 (対話文問題)

前年からの難易度変化:変化なし

 第3問は高校生と留学生の会話をもとにした問題だ。空欄に当てはまる英文を、(1)は自らで作成し、(2)は6つの選択肢から選ぶスタイルだ。
 (1)アの問題は少し答えを書くのに困った受験生もいたかもしれない。「相手の返事から聞く内容を推測する」ことが解答の鉄則であるが、なかなかそれだけでは書きづらかった。「場面を想像しながら考える」能力が問われる問題だった。
 それ以外の問題については前後を正確に捉えれば解答に近づけるだろう。

第4問 (長文読解① スピーチ原稿)

前年からの難易度変化:変化なし

 第4問はスピーチ原稿を読んで答える問題だ。「外国人から見た日本語」をテーマに、情報を取捨選択する大切さを説いていたり、「やさしい日本語」という概念を取り上げ、外国の方と会話するときに勧めている。
 (1)は発言をもとにまとめた日本語のメモを穴埋めする問題。周辺の部分を探して当てはめるので、必ず正解したい。
 (2)は英問英答の問題。設問に含まれる表現を本文から探して答える問題。3問目が少し難しかった。設問には直接的に本文とマッチする表現がないのだ。″want 人 to 原形″「~に…してほしい」という表現と、本文にある″Let′s~″を対応させるのは容易ではない。
 (3)は和文英訳。1問目は教科書の基本例文レベルだけに必ず正解したい。2問目は、Ifの扱いに慣れていれば、正解に大きく近づけるだろう。

第5問 (長文読解② 回想文)

前年からの難易度変化:変化なし 
 
 最終問題である第5問は400語程度の長文読解問題だ。ペース配分を間違えると、ここにかける時間がなくなってしまい十分な理解がないまま問題に突入する恐れがあるので、タイムマネジメントは事前にしてから臨んで欲しかった。
 今回は、あるイベントに家族と行くことになるという設定だ。「家族」がテーマになるこの文章では、人物の行動や表現に着目し、その変化を捉えたい。
 設問形式も、(1)内容一致の4択問題、(2)要約文の穴埋め選択問題、(3)代名詞の指す内容を日本語で答える問題と前年を踏襲している。(3)の問題は、代名詞Thatの指す内容を見つけ出し、正確に日本語で訳す能力が求められる。

全体概観

前年からの難易度変化:「変化なし」だが…

 出題量・形式ともに前年度を踏襲しているので、過去問の演習と実践の時間配分の設定をしっかり見極めた人が得点を重ねただろう。
 ただ、今年は、昨年と比べてリスニング問題を除いた本文の総単語数が約40語増加している。具体的には、(2019年→2020年)
 第2問:127→170
 第3問:179→195
 第4問:219→233
 第5問:434→382
 合 計:939→980
となっている。第5問が50語ほど減少しているものの、比較的分量が短かった前半の問題が軒並み増加していた。単語数が増えたことで、ある程度テンポよく英文を理解していく能力が必要になる。普段の授業でどこまで英文を読み込んだかが問われる入試と言えよう…

次回予告

 次回は、社会を行う予定です。

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