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創作行動理念

 ・わたしは持論を持ち、持論で語り、持論に生きるものである。持論形成とは独創性の獲得を意味する。わたしはあなたの価値観には応えない。なぜなら、この世界で価値創造するのはわたしであり、あなたではない。わたしはあなたに理解を求めない。なぜなら、創作とはわたしにとって「一切これ是とする」行為であるからだ。社会に生きるわたしの、わたしから見る社会への「問題提起、それに解して価値創造したのちに超克する」。それがわたしの創作である。

 ・不可能性とは、決して実らぬ可能性をわたしたちは永遠追及できるのだという喜ばしきお告げである。が故に、わたしは民主主義を支持する者である。意見の一致ではなく、相違や対立、不一致を好む。それは幾多の実らぬ可能性の芽吹きを意味するからである。

 ・真の多様性とは尊重から生じ尊重に帰すものである。わたしとあなたには次元の隔たりがあり、わたしはあなたから遠ざかるものである。その精神性を有するものは差別、偏見、拒絶、それらに是の解を示す。決して一つの在り方や、執着に囚われることがない。わたしは人類が紡いできた思考の変遷を大いに尊重するものである。戦争さえも、肯定するものである。

 ・わたしは決して正誤で価値判断を下さない。正誤の信徒にとって誤とは悪で、正すことが正義である。彼らは対象物が死に至るまでひたすらに正義の鉄槌をくだし続ける。理解を示さぬ人間を軽蔑し、非人間的であると叫び散らす。そして同調圧力という暴力で相手を屈服させる。それでも屈服しないものは透明になるまで徹底的に浄化する。

 ・わたしが忌み嫌うべきは軽蔑の念である。彼らは信仰なき教義に生きる。そしてその問題集には必ず答えがある。思考停止のおぞましき十字軍は南下し、数の暴力であらゆる可能性の芽を摘み取っていく。彼らが歩く道は焦土と化す。勝利の美酒に酔いながら、魔女が死に絶えるまで正義のお題目を三唱しながら行者する。世界のありとあらゆる運動が一過性に終わるのは、いつか必ず勝利の美酒に酔えなくなるときが来るからである。

 ・当事者意識に苛まれるものは、いずれ自由な表現や発言を恐れるようになる。魔女認定されぬように、アリバイ作りのために魔女狩りを行うようになる。その様はまるで、姿見に映る対象物を指さし笑う白痴のようである。彼らは加害者のようでいて、被害者のようでもある。あなたがそうであるように。

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 ・信仰とは神や教典との一致を目指すものであり、そう生きるものたちが素晴らしい芸術作品を世に放ってきたことは紛れもない事実である。であるから、わたしはそう生きるものではないが、一創作者としてあなたたちの在り方を大いに尊重する。あなたは正しく生きようとするものであり、わたしはそう生きないものである。が故に、尊重に尊重を重ね尊重に徹する。わたしにはその是非を問う資格がない。そう生きないのだから。

 ・信仰由来の価値観とは「わたし」が「一致に向かう」類のものである。彼らは自らが率先してその要求に応えていくものであるから、決して恐れを抱いたり、誰かにへりくだることがない。目的は異なるが、その精神性にわたしは共鳴するものである。わたしは、「応えねばならない」という世紀のドグマを源泉とする作品群からは何の熱量も美も感じ取ることができない。わたしはそう在ろうとしないし、在れと命ずるものには頑として非を貫き通す。

 ・鑑賞者の価値観にそぐわなければならないというのは、商人の発想である。創作する人間のほとんが声を揃えて商業主義を嫌うが、わたしは商業主義が悪いとは思わない。商人の要求に創り手が応えているが故に非であるとする。創り手が価値創造し商人や投資家がそれを売るのなら、その答えは是である。わたしはその行為に見合った対価を受け取るべきだ。

 ・「対価」は人により定義が異なる。金、関係性、その他諸々。ちなみに、わたしの対価は「金」である。わたしは金で創作時間を買いたいと思っている。ただ創作することがわたしの喜びであるから、金が欲しい。創作人生を豊かにしたいからだ。そう宣言することになんの後ろめたさも感じない。なぜならわたしは持論に生きるものであるから。

 ・どんな対価も「認知されてこそ」得られるものである。サブスクという産業革命により、その分母は何十倍にも膨れ上がってしまった。今では認知すらされず淘汰が当たり前となっている。せめて評価されずに淘汰されたい。だからわたしは創作檄文にて集合を呼び掛けたのだ。せめてわたしたちは舞台の上で散るものであろうと。

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