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ストロベリー・ナイト        今は亡き「姫」へ捧ぐ、、、

そこに映る込む、姫川玲子と竹内結子。


もう何年も前に見た、一瞬の映像だった。
始まりは、ドラマティックでも何でもない。
でも、それは運命の如く、手繰り寄せられる。

悲しくて、切なくて、
ストロベリー・ナイトの
犯罪者たち、
そして主人公、、

でもなんで、なんでそんなに
、、、、切なくなるのか。
それは多分、彼らが、加害者なのに、
犯罪者になる前は、みんな、被害者だったから。姫川玲子も、そう。

みんな現実から途方もない傷を受け
十字架を負わされ、もがき苦しみ、
生きている。
そして、一様に、そのことに対して、罪なんて、責任なんて、ひと欠片も見つけられない普通の人たち。
なのに、永久に消すことのできない傷を与えられる。
何時間経ったって、
何十年経ったって、
その傷は疼き、
傷痕になったとしても、今度は、こころを搔きむしる。一生、痛みを背負う。
そんな、のたうち回って苦しい心が、
隠せず、僕に、みんなに、伝わってきてしまうのだろう、、。


みんな知ろうともしないし、気付きもしないが、僕らには、3つの世界があって、誰しも、どこかの世界に所属している。
天国・地獄、
そして、その間にある俗世間、そこは大抵の僕らがいる場所。

文学的に言うなら、
天国は、物語的な世界
俗世間は、劇的な世界
地獄は、叙事的な世界、

更に言うなら、
物語的世界は、独白・モノログしかない、平和な世界で
劇的な世界は、対話・ダイアログが往き通う、刺激に満ちた世界、
そして、
叙事的な世界は、ノイズ・ログレス、
言葉では表現できない、救いようのない世界。

前述したが、大抵の人が住む俗世間は、
そういう意味では、シェイクスピアが
「この世は舞台、人はみな役者」と言ったのは至極正しい。


ところで、
姫川玲子や、ストロベリー・ナイトの犯罪者たちは、
何処の住人、、???

理由なんてなく、現実に犯され凌辱された加害者たち、
つまりもとは被害者。
不条理から叩きのめされ、受難の意味を生きている加害者たち、
つまりはじまりは被害者。

現実に追い詰められ、そこに行くしかなかった加害者たち、、、。
姫川をはじめ、もう一方の主人公である犯罪者たちも、
彼らが生きている世界は、正当性もなく、
ただ一方的に現実から虐げられ奪われる世界。

更に、天国・俗世間にいて幸運な者達からも
それに気づかず、幸運という富くじが当たったに過ぎない彼らなのに、
自分の実力・努力として、評価を貪ぼられ、
そればかりか、そんな彼らから見下される世界。


ねぇ、どうやって生きていったらいいの、こころの声が叫ぶ。
毎日、毎日、その繰り返し、
1ミリだって、1グラムだって、あの時と変わりはしない私の世界。
成長も変化もない、彼らの世界。
自分以外の人は、毎日毎日、変わっていっている日々を、
自分を生きているというのに、
私はあの日と変わらない自分を生きている、
否、あの日に囚われた日々を生きている。

だから犯罪者となる。その日を壊すために。
もしくは、こころのバランスを取るために、、。
こころの天秤の一方に、被害の分銅、
もう一方には、それにみ合うだけの加害の分銅を。

でも、しかし、
もう2つあると思う、ログレス・言葉が無益な世界を生きる方法が、、、。

その一つは、
それは救いなのか、もっと苦しい選択なのかは不明ではあるが、
犯罪者にならないために、加害者にならないために、
そう、逆説的に
被害者を守るために生きることを、選ぶこと。

姫川玲子は、そうだったはずだ。これからだってそうであろうし。
でも、いつも常に、彼女はもう一つの可能性であり、
これからそうなってもおかしくないもう一人の自分と対峙する。
すなわち、被害を受けて、反転してしまい加害者となってしまった者と対峙する、
、、、それが仕事だから。

ニーチェは、こう言った。
「怪物と戦う者は、その際自分が怪物にならぬように気をつけるがいい。 長い間、深淵をのぞきこんでいると、深淵もまた、君をのぞきこむ。」

だから、
姫川玲子は、怪物にならぬよう、務めた。
壊れてしまいそうだけど、でも強くて、気高い、姫川玲子へ。


そして、、、、
最後のページを捲ろう、、、。

でも、それを続けることは神ならわかるが、人間如き、弱く卑しい動物に、ずっと務まるわけがない。

じゃ、どうすれば、、、、
犯罪者、加害者にならないためにはどうすれば、、、。
深淵に飲み込まれないためには、どうすれば???


そして今ひとつの選択肢を告げに、
見えない雨とともに、神はやって来る。

・・・・・・・・・・・・・・・

『自分で○○を、、、、、、、✗すこと。』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



インヴィジブル・レイン、目に見えない雨が降る。
ログレスの世界を生きるもの者に、その雨は止まない。

誰にも見えない、世界
分からない世界、
分からない理由、、、、


でもね、
姫川玲子と竹内結子、
二人は、ログレスの世界を、自分なりの方法で生きたんだよ、、、。


https://note.com/sendo_h/   『世界理論0.3⁺』

こちらも宜しく、です。  仙道 一

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