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文化的な生活

 最近打鍵すらしていない(挨拶)。


最近の僕は

 なんか資格の勉強とかしていました。
 ぼくはサラリーマンなので基本的に会社の言うことを聞いてお金をもらっているのですが、今年はなんか「資格を取るぞ!」みたいなことを目標として掲げさせられていて、半ば強制的に取得することになりました。
 弊社は10月末が上期末なので、10月31日までに取得すれば体裁上はOKというか……なんでしょう、まあ賞与反映とか、上期評価みたいなのに間に合う感じなんですね。それで、10月に入っても全然取る気がなくて、「やべーなあ、そろそろ取らなきゃなぁ、やべーなぁ……」と思っていたんですが、10月14日くらいに「本当にヤバイ!」となって書店に向かい、資格勉強用の本を買って、風呂に入りながら読んだり、通勤中に読んだり、土日を利用して勉強したりしていました。と言いつつ平日はほとんど仕事をしていたので時間なんか取れないわけなので記憶だけして、土日に演習問題を解いたりして傾向と対策を練り、なんとか2週間くらいコツコツ勉強を繰り返して、10月31日に仕事を休んで朝から試験を受けに行っていました。
 で、まあ……なんとか合格しました。
 と言ってもそこまで難しい資格ではなく、その資格の中でも一番下のものなので、まあ取れるだろうという感じではあるんですが、ぼくはそもそも人生の中で「高校受験」くらいしかまともに勉強をして挑んだ経験がなかったので、なんか久しぶりな感じでした。勉強をしてテストをする! みたいな経験、ほとんどないんですよね、人生の中で。それでもまあ、試験に落ちると受験料は実費払いになるので(合格すると会社負担)、合格出来て良かったなという感じでした。ちなみに勉強用の参考書も会社の金で買えているので、他人の金で無から資格だけが手に入った形になります。いや、会社の金って他人の金なのか……? そもそもそれによって失われた時間は……? とか考えると鬱々としてしまうので、まあ今のところは「合格して良かったね」程度にしておきましょうか。
 とにかくまあ、10月後半、ぼくは仕事と勉強漬けでした。


『ゴジラ-1.0』を観てきた

 試験も終わり、何も用事のない3連休がやってきました。
 と言っても最近本当にやる気がなく、何をしようかと思案していたのですが、とりあえずゴジラは観なきゃなぁ……と思いながら、3連休初日は昼間から風呂に入って身体を清め、部屋を掃除し、昼寝をしていました。怠惰の極みです。
 夜の20時くらいに目覚めて「よっしゃ! ゴジラ観るか!」と重い腰を上げてネット予約。初日でしたが、流石に22時開始のレイトショーは空いていました。終わる頃には終電ないんだから当然な気もしますが、ぼくは徒歩圏内なので余裕です。
 多分、20人くらいいたかと思います。夕飯代わりのポップコーンとコーラを手に、いい席に陣取ってあまり期待もせずぼけーっとゴジラを観ていました。『シン・ゴジラ』の時にも思ったんですが、「映画館で観る映画」として、ゴジラより期待に胸が躍るシリーズもない気がします。多分、子どもの頃に親に連れられて毎年ゴジラシリーズを観る、という経験をしてきたからでしょう。なんとも言えぬ高揚感がありました。20代とかだと、ポケモンとかになるんでしょうかね。

 内容について多くは語りませんが、感想としては「ちょーよかった」です。
 あのー……映画ってまあ色々種類があると思うんですけれども、ていうか作品なんてそれこそ全部がそうだと思うんですけれども、「単発作品」と「続き物」があると思っていて。いわゆるアニメ作品の「劇場版」とかって、「続き物」じゃないですか。そのシリーズを知っている人が観て楽しめる、みたいな。そういう意味で今回の『ゴジラ-1.0』は間違いなく続き物なんですけれども、「単発作品」としての側面がより強かった。パッケージとして、完全に『ゴジラ-1.0』という世界が出来上がっていた。
 もちろん減点方式で観れば「うーん」と思う部分もあるんですけれども、加点方式で観ると間違いなく100点を優に超えていました。どえらい面白かった。未観劇の方は是非、という感じです。
 ネタバレでもなんでもないんですが、エンドロール後に曲が終わって、「監督」あたりの名前が最後に出てくる終わり際があると思うんですけれど、そこがゴジラの足音と鳴き声だけで構成されるんですよ。最後の最後。それがマジで震えましたね。映画館という空間で、くそでけえゴジラの足音と、あのなんとも言えない、「ゴジラの鳴き声」としか言えないあの音が響き渡ると、恐怖すら覚えました。
 あの体験をするためだけに映画館に行く価値はあるな、というくらい良かった。  


モネ展を観てきた

 翌日。
 3連休の2日目。
 前述した通り、仕事漬けだったり土日も勉強をしていたりで、ここ最近の土日はあんまり時間が取れずにいたのですが、そのせいで髪の毛がめちゃんこ伸びていて、具体的には鼻が隠れるくらいまで伸びていました。社会人としてどうなんだ。
 とは言え髪を切りに行くのも面倒でうだうだしていたのですが、金曜日の時点で「3連休何もせずに終わるのはダメだ!」と思って思いっきり予定を詰め込んでいたので、この日は上野の森美術館で行われている『モネ 連作の情景』という展覧会に行く予定が立っていたのです。
 昼頃にうだうだしながらホットペッパービューティーで近場の床屋を調べていたら、ちょうど30分後が空いていることがわかりました。ぼくが住んでいるところは都会というか繁華街というかそういう感じの場所なので、石を投げれば美容院に当たる、というくらい乱立しています。というか、ぼくが住んでいるビルにも美容院があるくらいです。
 面倒くさかったのですが流石にこのまま伸ばすわけにも行かないので、30分後に予約。急いでシャワーを浴びて身なりを整え、徒歩1分ほどの場所にある美容院でカットとシャンプーをしてもらいました。

 散髪自体は40分くらいで終わったのでそこからまた家に帰り、どれくらいの時間に家を出るべきか……とうだうだ考えつつだらだらとギターを弾いたりして時間を潰し、午後4時半くらいに家を出ました。最寄り駅からだと、多分1時間掛からないくらいで上野駅まで行けるのです。乗り換えなしで。
 ハイパー余談ですが、日本の鉄道の歴史は「横浜駅」と「新橋駅」を繋いだ線が最初だったんですね。現在横浜駅は「桜木町駅」に、新橋駅は「汐留駅」に名前を変えていますが、当時からその新橋横浜間は35分くらいで走っていたそうです。当時は途中駅というものがないので直行と考えればそれくらいの速度が出てもおかしくなさそうですが、現在でも桜木町駅から新橋駅辺りまで走ると42分くらいですので、ほぼ変わらない速度だったんじゃないかと思われます。
 電話やテキストではなく、人と人が会う、という行為は明治時代からそんなに発達していないんじゃないかと思うと、なんとも感慨深いものがあります。

 そんなことを考えながら上野に向かい、ぼくは18時の回を予約していたので、しばらく待ってから入場しました。混雑しているので30分という時間制限がある中でしたが、まあそれでも結構見て回れました。1回の入場で、どれくらいだろう……200人は軽く超える入場者がいましたね。でも普段、個展や展覧会に行く時はほとんど人のいない空間でぼんやり絵を眺めることが多いので、今回みたいなドデカイベントは久しぶりな感じがして楽しかったです。あと、流石は東京なのか、それとも単に「展覧会に行く」ような人種がそうなのかはわかりませんが、小綺麗なお嬢さんがいっぱいいてびっくりしました。もちろんぼくみたいなどこの馬の骨ともわからんおっさんとか、観光ついでのご老人とかもいたんですけれど、びっくりするくらいお洒落なお嬢さんたちが多くて、なんか色々と思うところがありました。「こういう人種は、休日にこういうところにいるんだなぁ……」というか。普段酒飲みのクズとしかすれ違わないような街に住んでいるので、なんか意外でした。

 ぼくは絵画を鑑賞するのが好きなんですが、美術的な素養は一切ありません。歴史にも詳しくないし、興味はありますが自主的に調べるようなこともありません。ただなんとなく自分という人間は、「印象派」の「風景画」が好きっぽいなという感覚があります。「印象派」という言葉の定義自体もそれほど詳しく知っているわけではないんですが、軽く仕入れた知識によればクロード・モネの『印象・日の出(Impression, Sunrise)』という絵が発端になっているようです。読んで字の如くですね。当時の批評家が「おいおいこれただの印象描いてるだけじゃん!」みたいなことを言ったのが気に入ったのかどうなのか、ともあれ「印象派」という派閥は生まれたそうです。
 とにかくそのくらい知識がないぼくなんですが、絵を見るのは好きなんですね。特に上記したような印象派の絵を見るのが好き。なんというか……ぼくの絵の見方っていうのは「ただ色がいっぱい置いてあるだけなのに、遠くから観ると絵に見えてすげー!」みたいな感じなんですよ。一種の騙し絵的な見方というか。だからなんでしょう……写実的? というか、しっかり描かれている絵よりも、ぼんやり描かれている絵から自分の記憶の風景を呼び起こすのが好きなんですね。これは、アニメや漫画よりも小説の方が好き、というぼくの根幹に根強くある感覚かもしれません。記憶を想起する装置として絵画を愛しているのですね、多分。

 まあそんなこんなでモネ展を堪能しました。マジで人が多かったので一枚一枚の絵をじっくり観ることは出来なかったのですが、特に印象に残ったのは『昼食』と『ヴェトゥイユの教会』と『ヴェルノン教会の眺め』と『ポール・ドモワの洞窟』でした。

『昼食』は割と有名なんですかね? ぼくも何かで観たことがあって知っていた絵だったんですが、実物を見るとマジででけえ。くっっそでかい。231.5×151.5cmだそうです。マジででかかった。やっぱでかい絵ってすごいですわ。スマホのモニタで絵を見て「わー綺麗」とかじゃない。圧倒されますね。デカさってそれだけで美しさを持つなという感じがしました。
 最近は色々な美術館サイトがパブリックドメインとして絵画をダウンロード可能状態でアップロードしているので、そこから拾ってきた画像を載せておきます。まあそもそもモネは没後70年以上が経過しているので著作権フリーだとは思うのですが、念のためこの絵の所蔵元のシュテーデル美術館がパブリックドメインとして提供しているものを持って来ました。

『昼食』
https://www.staedelmuseum.de/go/ds/sg170

 非常に美しい絵ですね。
 まあ絵として観ると「美術作品だなぁ」という感じなんですが、マジででかかった。こちらの絵は現在ドイツにあるそうです。多分一生涯観る機会はなかったでしょうから、これはお目にかかれて良かった。

『ヴェトゥイユの教会』と『ヴェルノン教会の眺め』は、ぼくが教会という施設が好きだというのもあるんですけれども、それ以上に水面に映る反射した教会の雰囲気が好きなんだと思われます。『ヴェトゥイユの教会』に関してはあまりに良かったので、ショップに売っていたアートフレームを買いました。複製画の販売もしていたので「ワンチャン……」とか考えたのですが、壁もあんまり余っていないし、こぢんまりとしたのがいいなと思ったので、お安めのアートフレームにしました。

 もちろんただのプリントなんでしょうけれども、「記憶を想起させる絵画、を観た記憶、を想起させる装置」としてはいい感じです。スタンド機能を持っているので棚に飾っていますが、とてもいいかんじ。サイズ感も小さくて良いです。
 ちなみにこの2つのうち、『ヴェルノン教会の眺め』は山形美術館が所蔵しているようなんですが、特段提供していなさそうだったので割愛しています。いい絵なので是非調べてみて下さい。

『ポール・ドモワの洞窟』は、これはもうとにかくすごい綺麗な青色をしていました。発色が綺麗って言えばいいんでしょうか。洞窟の陰影とかもすごく良くて、「うわ欲しい!」と思いました。もちろん買えるはずがないんですが、家に飾っておきたいなぁ……という感じでした。しかし残念ながら、上記したアートフレームやらポストカードやらだと、その美しい青があんまり美しくないんですね。やっぱりあれは、絵の具というか、「絵画」という作品でしか出せない凄みなんじゃないか? という感じがしました。それこそ複製画とかを買うべきなのかもしれませんが、うーん……とりあえず今のところは、『ヴェトゥイユの教会』で満足という感じです。
 こちらの絵は茨城県近代美術館所蔵らしいのですが、これも利用が面倒な感じだったので割愛。でもいいかんじの絵なので調べてみて下さい。まー写真だとどうにもこうにも魅力が半減という感じの絵なんですが……画像検索すると、ビッカビカに青が強調されているものもあるので、それで青の美しさを味わっていただきたい所存です。

 展覧会を見終えたあと、ショップの待機列に30分くらい並び、上記のアートフレームと、図録ずろくを購入しました。ぼくは割と美術館には行くんですが、基本的に個展とか常設展とかばかりで特別展には足を運ばないので、図録ってあんまり縁がなかったんですよね。というかまずショップに行くという考えがなかった。映画を観に行ってもパンフレットを買わない派なので、そもそもメインの目的以外を楽しむ気力がない男なのです。
 が、最近老化と共に少しずつ自分の中で考えが変わる部分があって、例えばその、誰かとどこかに行った、とかは、その誰かがいれば思い出として成立するけれど、自分ひとりでどこかに行った、という経験は思い出として風化してしまうし、そもそも日常的にSNSを利用しなくなった今、多くの思い出は失われていくな……という気がしてきて。
 それもあって、今回は図録を購入しました。お値段は確か3,000円。図録って初めて買ったんですけれど、思った以上に資料としての価値が高いんだなと思い知りました。まだ全然読んでいませんが、絵の紹介と共に解説が書かれていて、全部で216ページもあります。本好きの感覚からすると、めちゃ安い。

 値段の話で思い出しましたが、そもそもネモ展の入場料は3,000円でした。交通費が往復1,400円くらいで、ショップで9,000円くらい買い物したのかな? と考えると、ざっくり15,000円くらいですか。結構使ってんな……まあ、普段そこまでお金を使う用事がないので、たまにはいいでしょう。
 こういうのが本棚にたくさんあると恰好もつくんでしょうけれども、悲しいかなぼくの本棚は小説で溢れているので、なんだかこの図録だけとても浮いています。ただまあ、結構読み応えがありそうですし、少しでも芸術的方面に対する理解が深まりそうなので、少しずつ読み進めていきたい所存です。
 あとは本当に「モネ展に行った記念」みたいな感じで、クッキー缶を買いました。

 あんまり睡蓮には興味を引かれなかったんですが、側面に描かれたおうちの絵が可愛らしかったので買いました。何か小物入れとして利用しようかと思っています。ギターのピック入れとか。


一日中寝ていた

 連休最終日。
 モネ展に行ったあと、なんか久々に酒でも飲むかぁ……と思って2軒はしごしたせいで、えらく酔って今日は二日酔いっぽい感じで1日中ほぼ寝ていました。なので何もしていません。寝ていました。
 これからしばらく、会社関係の行事とか下期に向けての動き出しとか、年末年始に向けてやることがあったり、まー色々あって多分精力的に創作をするということは不可能かと思われます。ここ最近本当にパソコンに向かってキーボードを打つという行為がまともに出来ていません。まずいなぁ……という気持ちもありますが、年齢的に致し方ない感じもあり。まあでも流れるままに、流されるままにしばらくは生きてみる予定です。あんまり無理をすると、体力のない今、身体を壊しかねない。
 曲作りとかもしたいところなんですが、うーむ……まあ、しばらくは、来年の頭も色々と忙しくなりそうな気配がしているので、来年の春頃までは大人しくしつつ、気が向いて、且つ体力がありそうなら、小説を書く生活を再開したいところです。

 まあそんな感じで、最近の福岡さんは、文化的な生活をしつつ、すっかり身体を休めています。が、休めすぎると体力が落ちる、あるいは瞬発力が衰えるというのを身をもって体験しているところですので、この辺もなんか、改善したいところです。休めば休むほど休むのに慣れて身体の衰えを感じていますので、やはりこの連休に無理矢理予定を詰め込んだように、ちょっと無理矢理自分を動かした方が、ぼくの場合は向いているのかもしれません。
 何もしなくていいよ、となると、だらけてしまいますしね。
 ともあれ、そんな感じの3連休でした。
 来週からも元気に働きましょう。
 生活は続く。

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