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飲み会の幹事を断って有名になった話

1.部署で一時期有名になった話

私は社会人2年目に100人程度が在籍している部署で一時期有名になった。

ことの発端は元上司Aさんからの「打ち上げの幹事をやってほしいけど、大丈夫ですか?」とチャットが来たことである。
この一言がきっかけで私は部署で有名になった。
遡ること二年前。当時、私が所属していたプロジェクトチームに2名のBPを新規参画者として迎え入れた。
そこで、元上司Aさんは私に歓迎会の幹事を依頼してきた。
新たに参画してくださるBP(ビジネスパートナー)さんを迎えたい気持ちはあるが、以前にも大規模案件の打ち上げの幹事を依頼されたので、ここで引き受けると毎回私が幹事をさせられることになるのではという疑念が脳裏をよぎった。

私はこの依頼を断ることにした。

「この飲み会の幹事というのは業務命令でしょうか?違うのであれば、今回は飲み会の幹事を辞退させていただきたいです。」

上の世代の人が見れば、ブチギレること間違いなしの回答である。
時代が違えば、しばかれていたかもしれない。
だが、今は令和である。Aさんも時代の変化を理解しているようで、 「業務依頼ではないですね。了解しました。急な依頼だったので、今回は他の予定があるのかもしれませんね。代理を立ててもらってもいいですか?」 と回答してきた。
しかし、ちょっと待ってほしい。
一見、良さげな回答をしているように見せかけて、業務依頼ではないのに、さらっと私に面倒事を押し付けようとしている。飲み会はやりたい人が企画すればよいのである。 結局、飲み会の準備に携わるように仕向けている。 そこで私はこう答えた。

「では、代理はAさんでお願いします。」

瞬く間に噂は広がり、私は部署で有名になった。

2.飲み会の幹事ってめんどくさいよね

この私の行動には賛否両論あるかと思う。
私が起こした前代未聞の行動は次の2つである。

①飲み会の幹事を断る
②幹事の代理を依頼者にお願いする

もちろん後先考えずに、行動を起こしたのではない。
断ることのデメリットについてもしっかり考慮したうえであの回答をすることを決定したのである。
先に断るに至った経緯を説明したい。

・以前にも飲み会の幹事をしたことがあった
・私はあまりお酒が飲めず、飲み会の雰囲気が好きでない
・Aさんはあまりチームの実務を行うことがなく、BPと話す機会も週に1度程度である ・メンツのために歓迎会をしている

上記の理由から、元請け会社としてのメンツを保つためであったり、Aさんが飲み会が好きで歓迎会を開催しているように思えた。そうであるならば、やりたい人が幹事したらいいんじゃないと思い、幹事を断った。
仮に今回の歓迎会が業務依頼であったのであれば、私は引き受けた。業務依頼であるならば、断る正当な理由がその時になかったからだ。 業務依頼でないならば、私がやらなければいけない理由はない。誰もが平等に幹事をする機会を平等に与えられ、断る権利もあるはずである。

ここでデメリットの話に戻りたい。
この飲み会の幹事を断ったことで生じるであろうデメリットは
・Aさんとの円滑なコミュニケーションは望めなくなる
・Aさんからの評価に影響がでる可能性 ・Aさんと同じ世代の人からの印象が悪くなる

評価に影響が出ると、出世に影響が出る可能性がある。
飲み会の場とは、実務ではあまり関わることがない部長や課長など考課する側の人と関わることができる数少ない機会であることも理解している。
デメリットを理解した上で断った理由がある。

何でも下っ端に任せる風習をどうにかしたいという思いもあった。
自分より下の世代の人が来たときに、そんな風習がある職場で働いてほしくない。
経験不足であるからできることが他になく、最初は雑務のようなことを任されるかもしれないが、できることが増えてきた人にいつまでも雑務を押し付けるのは辞めてほしい。
年次が上がれば、より忙しくなることも理解できるが、メールの送付であったり、設備予約など 数分でできるような作業を部下にやらせるのはやめてほしい。
経験を積むための練習という側面があるのであれば、いつまでもさせないでほしい。

もちろん、飲み会が好きで幹事をしたい人が来たのであれば、進んでやってもらったらいいと思う。
しかし、そうでない人が来た時、業務依頼でもないことが理由で辞められたら困る。
業務依頼であっても、ただの雑務を部下に任せるような職場で私は働きたくない。
自分でできること、自分がしたいことは自分で準備しよう。
小学生でもわかることである。
業務外のことならなおさらである。

悪習を断つために、Noと言える勇気を持とう。

3.最後に

さいごに事の顛末を記載したい。
私は部署で有名になったが、悪い意味ではない。
正直、Aさん以外は当事者ではないので、面白おかしく伝わり、意志の強い若手がいるという風に伝わった。
そして、チーム内ではそれ以降は飲み会の幹事は持ち回りになった。
私が行った愚かに見えた行為は決して無駄ではなかった。
私の評価は上がりづらくなったかもしれないが、風習を一つ変えることができたなら安いものである。


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