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喫茶ヘンタイ

休日の喫茶店巡りが好きだ。
今日は普段降りない駅の新規開拓にきた。
駅から徒歩20分。それなりの距離……喉が渇く距離にそこはあった。
外装は変哲もない街にある小さな昭和レトロ風な純喫茶っぽい。
店名がおかしいことを除けば。ヘンタイ?
私は首を傾げながら、私は店に入る。
私の目の前には大きなサナギのような着ぐるみがあった。緑のところどころ角張った部分はあるが、大きく菱形の緑色の大きなサナギらしきもの。
ポケモンのトランセ◯?
なぜ、サナギ? 着ぐるみの中には膨らみがあり、人が入っている様子がうかがえる。
なんとなく嫌な予感がして、私は入ってきたドアの方を振り返り、出ようとしたところに……ジッパーがいきおいよく開く音。
「うぇるかーむ!いらっしゃいませー!」
蝶柄の羽織を着て、蝶の髪留めをした女装したお爺さんが飛び出してきた。
ヤバい店に来てしまったようだ……。

「ぼくぴょん、ASMRやりたい」
「あー、ハプニング喫茶とかやりたいなー」
「今流行りの出会い系喫茶やりたい」
「昔懐かしいレトロなノーパン喫茶やりたい。もちろん、僕が脱ぐ」
マスターの訳わからない発言に頭が痛い私。

そして、客も変人ばかり。
「ねー。マスター。いつもの『まりもっこり』見せてー」
「しょうがねーな。代わりに君の『まりもっこり』も」
「やーだー。もう!」
(帰りたい…………)

「マスター。いつもの。」
「おう。ナポリタンのバナナ、生クリーム、チョコレートソーストッピング。パンケーキをもっこり添えてね」
(どんな料理だよ!)

「僕は動物学者をやっててね。今『チチモゲラ』って名前のモグラを探しているんだ」
(…………)無言で博士を殴る。

低俗下ネタコメディ
高野ダニ『喫茶ヘンタイ』

あったらノベルズ様

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