見出し画像

砂塚あきらのキホンの#2

なにを為そうと為すまいと、時間は流れるもの……逆に言えば、重ねた年月だけが、成長の証ではありません。

ストーリーコミュ第63話『Gleam of potential』

示唆的なアドバイスで結構好きです。


はじめに

 こんにちは。砂塚あきらのファンです。以前にも同じタイトルで紹介記事を書いたのですが、1年経って色々あったので整理も兼ねて別の観点から紹介してみたいと思います。(前回のは下記から、色んな人に見て頂けたようで何よりです。)
 その記事では『砂塚あきらを知りたい人』向けの一般的な内容を書いたつもりなので、今回は自分の好きとするところの『砂塚あきらのこれまで/軌跡/成長の証』をキホンの#2のテーマにします。

 あきらの内的成長にフォーカスした時、彼女がアイドルとして紡いで来た軌跡は(黎明期・過渡期・成熟期の)3つのシーズンに分けられると解釈することができるのですが、この3つの期間におけるあきらの心境と外圧による変化の様子、連続性についてはあまり注目されていないような気がするのでこの記事でそれを順に/最低限の情報量で/手短に紹介します。ちなみにこの命名は適当で特に意味はありません、「3シーズンに分かれている」と言いたいだけです。
 時期とエピソードの対応/時系列についてはタイトルの図に示したとおりになります。お手元にカードがなかったり、コミュが未開放であったりする場合にはwikiとかテキスト集を作ってあるのでそちらで確認してください。

※できるだけ一次情報に基づいた自然な演繹や無理のない関連付けを意識していますが、それでも主観的な解釈および恣意的な整理があるかもしれないので予めご了承ください。「それは違うでしょ」と思ったら気軽にご連絡ください、いくらでもお相手いたします。

※ややこしくなるのでモバマスの砂塚あきらについて今回は触れません。あらかじめご了承ください。

1.黎明期

『アイドルになり始めた時期』であり、初登場から[ライフ・オンライン]までがこの時期に相当します。

 あきらのアイドル活動は、バイトからの帰り道で丁度ロケハンに来ていたPに「ファッションセンスがいいね」と見込まれてスカウトされたところがスタート地点となっています。

メモリアルコミュ1 より

この時点では所謂アイドルらしい前向きさはないものの、「まだよくわかんないデスけど...飽きるまでは」という前提を元に「いろんな服が着られそう」「楽しめそう」というくらいにはアイドル活動に魅力を見出していきます。

砂塚あきら ホーム
砂塚あきら+ 親愛度60演出 より

 同時にこの時期はあきら自身がアイドルになる以前から元来兼ね備えていた価値観やアイデンティティがどういったものであるかを言語化し、その内容をPに共有してくれる場面も多く存在しています。こうしたあきらの根幹に走っている性格や本質の開示こそがこの黎明期を特徴づける根拠であると捉えることができます。

Zの順に砂塚あきら 親愛度10演出
砂塚あきら 特訓エピソード
ライフ・オンライン 親愛度100演出
ライフ・オンライン+ 親愛度600演出 より

また砂塚あきらと向き合っていく上で最も重要なキーワードである『自分らしく』も当然この時期から登場しています。これは例えるなら喜多日菜子にとっての『妄想』、白坂小梅にとっての『ホラー』と同じくらい大切な概念です。

ライフ・オンライン+ ホーム より

あきらの物語は好きなものを好きであれるか/楽しめるのか、そして『自分らしく』あれるのかが焦点に据えられて進行していくことになります。

2.過渡期

『アイドルとしての活動を楽しみ始めた時期』であり、[ポップ・スウィート・ポップ]から[星環世界]までがこの時期に相当します。

「なんとなく」で始めたアイドル活動についてもそれなりに自覚的に、楽しんで取り組めるようになってきた様子が多く描かれているのが印象的な時期となっています。また、自分らしく/自分のスタイルを一貫させた状態でアイドル活動に取り組んでおり、非常に健全で後ろめたさのない成長様式を眺められるようになっています。

Zの順にポップ・スウィート・ポップ 親愛度300演出
#この瞬間を楽しんで 親愛度600演出
#この瞬間を楽しんで 特訓エピソード より

 [Brand new!]では価値観の共有やバラエティの富んだ仕事や交流を経て、アイドル活動に対してまだこれまで以上に見ぬ新たな広がりを期待・予感を覚えられるようになりました。特につかさとの交流の中であきらの自分なりに「楽しさ」を求める性格を認められた流れは、あきらにとって「らしさ」を貫く自信を持たせる内容の一つとなりました。

Brand new! 特訓エピソード より

 そしてここまでの経過の時点であきらにとってのアイドル活動は最早「飽きたら辞める」程度で簡単に切り捨てられるようなものではない、自分にとってかけがえのない営みとなっており、ストーリーコミュではLIVEが延期になったことによる悔しさを吐露し、ガラにもなくリベンジを誓うといった明確な変化を感じさせる一面を見せてくれています。

ストーリーコミュ第64話『Aim for the G.O.A.T.』より

 加えてアイドルとしての自覚の醸成に伴ってファンに対する意識も育まれるようになり、Cinderella Masterのボイスドラマでは「自分にとってのナンバーワンな長所は何か」という問いに対して「ない」と一度答えた後に「それは応援してくれるファンに失礼だ」と省みたうえで、

誰かにとってのナンバーワンだったりすることが自分にとってのナンバーワンな長所

 もーっと目指せ!シンデレラNO.1!─砂塚あきら編─

とファン冥利に尽きるようなことを言えるようになりました。
 
 続く[星環世界]ではアイドルを自分らしく楽しむ姿勢を総括した上で、次の時期において最も重要な主題である「自分というアイドルの正体/在り方」を探ろうとする示唆も見られました。

星環世界 特訓エピソード
星環世界ED『Rocket for Everyone』より

3.成熟期

『アイドルの意義と自分の価値観が結びついた時期』であり、[ストリート・ランウェイ]から今に至るまでがこの時期であると考えられます。 

 ここでは「なんとなく」で「飽きたら辞める」といったところからスタートしたアイドル活動にも実りが表れ、自分らしく楽しめるようになったと同時に、じゃあ「自分というアイドル」は他の人と比べた時に何ができるのか、何者になれるのか、というアイデンティティについて深く考えるようになりました。

ストリート・ランウェイ第4話『枝葉の根をたどって』 より

 [ストリート・ランウェイ]では一緒に仕事をする仲間を探す中で既にそういった答えをおのずと見出している4人と過ごしていく中で、自分とは違うと思っていた4人も実は自分と同じ本質(=自分の「好き」を纏い、自分らしく表現する)を兼ね備えたアイドルであったことに気付きました。そして4人のように「らしさ」を「好き」を貫くことこそが自分自身の本質であり、それをそのままアイドルとしての自分に一致させることであきらは自分というアイドルの在り方を確立させていくことになります。

ストリート・ランウェイ第4話『枝葉の根をたどって』
第5話『つぎはぎの煌き』 より

 続く[レイヤード・マイ・エッジィ]はラピエサージュで得られた価値観とここまで辿ってきた道のりを踏まえて、これから自分はどう振る舞い、何を発信して、どういうアイドルであるかについての答えを「自分は人とは違うから、誰かの気持ちになってあげられない。同じ生き方なんて、ひとつもないし。けど......一緒に楽しもうよって、誘うことはできるかも。」と認めるに至りました。これはあきらの最初から持ち合わせていた「らしさ」を大切にするという本質から自然に演繹された、一貫した芯を宿して紡がれた物語であり、それを読みほどくたびに美しく、誇らしく、いとおしく感じられます。

Zの順にストリート・ランウェイ 親愛度100演出
レイヤード・マイ・エッジィ 親愛度600演出 より

 ただ一方で「らしさ」を貫くことは「独りよがり」であることと紙一重であるとも言え、この際どい課題が[UNIQU3 VOICES!!!]では人の目を気にして振る舞うかどうか悩む、という形で表れました。
 ユニットの仲が絡んだ状態でこの課題と真っ向から挑むことで、[レイヤード・マイ・エッジィ]までにここに至るまで築き上げてきた自分というアイドルの意義を再度確認し直し、その上でその理想論的な意義があきらが経験的に理解した一般論的なアイドルとして為すべき道に適っていることを、すなわち、自由に、どこまでも、思うがままに「自分らしさ」を貫く正当性を強い確信を持って自分の中に昇華することができました。

Zの順にUNIQU3 VOICES!!!第4話『UNLEASH』
UNIQU3 VOICES!!! 親愛度100演出
UNIQU3 VOICES!!! 親愛度300演出 より

 また、[Starry Night]のようなあまり得手としないお芝居の仕事についても楽しんで取り組む精神を忘れず、そして自分の歩幅で自分なりに成果を獲得しており、これまで見てきた内的成長とは別軸で、純粋に舞台に/スクリーンに映る一人のアイドルとしての成長の道を確実に歩み続けています。

左上はStarry Night第3話『次元を超えた恋』
残りはStarry Night第4話『ゼロに宿った恋』 より

ボイスドラマにおいても、何故かスモッグを着ることになりながらも、「嫌がったらなんか悔しいし」と腐らずに、ある意味アイドルをする上ではいずれは通ることになるであろう「らしくなさ」に挑戦するかのように、仕事をやり遂げるだけのしたたかさを見せてくれました。それでもスモッグを着させていることについては正直承服しかねるけど。

 ともかく、[星環世界]での『アイドルとは何なのか』という自問から始まった成熟期は、多くの出会いやめぐり合わせの果てに、一度は揺らぎながらも、あきら自身が自分に見出したアイドル像とその確定によって一つの結末/ハッピーエンドを迎えられました。
 ですが、いくら結末に至ってもアイドルは歩み続ける、それがアイドルマスターです。自らの指向性を決定したあきらにこれからどんな困難が待ち受けているのか、それをどう解決していくのか、あるいは壁を乗り越える力を持った人間としてどんな活躍を見せてくれるのか、これからも目が離せません。

おわりに

 本記事では『砂塚あきらのこれまで/軌跡/成長の証』についてなるべく簡潔に書きました。少ない情報量でどこまで伝わったか分かりませんが「どうやらあきらの物語はいい感じらしい」とちょっとでも思っていただけたのなら幸いです。あと一応他にも砂塚あきらに関する記事を書いているのであきらの物語に興味を持ってしまったら読んでいただけると嬉しいです。正直内容が被っているのであんまり面白みはないと思いますが。(上はレイヤード・マイ・エッジィについての単独の記事、下は2022の砂塚あきらをまとめた記事、やたらに長いです。)

 あきらの紡いだ軌跡に惹かれたのなら、あきらがあなたの好きなアイドルとこれから一緒に物語を拓いてくれそうと予感したのなら、SfC予選Dで砂塚あきらに投票してみてください。よろしくお願いします。

GG.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?