台風の日、新たな推しを見つめる。
よく見えるところに置いているので、目にするたび見惚れてしまう。
なんのことかって、梅酒だ。
はじめてやってみたことなので、なにもかもが新鮮で面白い。
梅と交互に詰めておいた氷砂糖のほとんどが溶けてなくなっているのに、底に入れた分はまだ溶けずに残っている。
瓶をそっと動かすと、梅と梅の間に残っていた空気が小さな小さな粒になって、ふーっと浮かんでいく。
今、この透明な液体に満たされた容器の中で、この丸い果実の中にアルコールと糖分がじわじわ染み込んでいっているのだ。
液体は砂糖が