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子どもと遊び

       


小児科の看護婦を経験し
自らの子どもが、急性リンパ性白血病になり
その後、障がい者施設に働いて思うことがあります。

子どもにとって、遊びは生きるのに必要不可欠な
ものだということです。

新人看護師として、小児総合病院の手術室・ICU勤務をしていた私は
経験もない、知識も少なく
学生の時には、ほとんど経験したことのない部署に勤務になり
不安と緊張の連続でした。

たくさんの機械や点滴のチューブに繋がれ
大きなベットにちょこんと眠っている子供たちの姿に
「私に何ができるんだろう」そう思っていました。

ある時、師長さんが
「新人さんの中で、絵を描ける人いない?」と
声をかけられ、絵を描くのが好きだったので
仕事も覚えていなかったにもかかわらず
気がつけば、手を挙げていました。

ICUには6つのベッドがありました。
それぞれのベッドに名前と応援メッセージ
そして、絵を添えてつける作業を私は任されました。

心臓の手術を終えた男の子には
カードに大好きなアンパンマンを描き
名前と「〇〇君、元気になってお外で一緒に遊ぼうね」と
書き添えました。

どの子も麻酔から覚めたら直ぐにカードを
見つけることができました。
その様子を見て、看護師として未熟だった私でも
できることがあることに気が付いたのです。

それは、遊びです。
ICUにある医療用の材料を使って
ゴム手袋のウサギ、人形を作りました。
ガーゼでネズミやヘビも作りました。

制作されてものは、どれも限られた材料で作ったので
不恰好だし、ヘンテコな形をしていましたが
子どもたちにとっては形が完璧かどうかなんて
全く関係ありませんでした。

遊んでいる時の子どもたちは
とても、自信に溢れていました
目がキラキラしていました
緊張がほぐれているように見えました

遊べる大人は、信頼されました
信頼できる大人がいるのは、安心感に繋がりました。
安心できると、時には痛みが軽くなりました。
たくさんの質問もされるようになりました。
体に起こっている変化を子ども自身が気が付き
治療がスムーズになりました。

遊ぶことのデメリットは
私には見つけられません。

ただ、遊びの主人公は子どもです。
危険なことは止めますが
それ以外は、子どもに任せて遊びます。
すると、子どもという存在を私は
勘違いしていたか気が付きました。

子どもは体が未熟で機能は完成されていませんが
心と体に備わっている知性は
既に完璧だということです。

そして、そのことに気がついた私自身も完璧だったと
思い出させてくれたのも
一人一人の関わりを持った子ども達のおかげです。

病気や障がいの程度に関係なく
すべての子ども達に遊びを届けたいと思っています。



最後まで読んでくださって、ありがとうございます。またの訪問をお待ちしています : )