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 子どもが亡くなった後に迎えるお誕生日

旅立った子どものお誕生日はどうされているのでしょうか?
各家庭によって違うだろうと思いますが
私の家はこのようにしていたよ、というお話をしたいと思います。

娘が亡くなって4ヶ月後に誕生日を迎えました。
その日は誕生日のケーキを準備しました。
娘が好きだったケンタッキーフライドチキンとポテトはお皿に分けて
そして、よく飲んでいた午後の紅茶のミルクティーをコップに注ぎ
テーブルに置きました。
皿の前には娘の写真が入った写真立てを置き家族で食べました。
私の中では、亡くなった年齢の娘の姿以外は想像できなかったので
少し迷った末に蝋燭は立てませんでした。

10年くらい続いたでしょうか
気がつけば、誕生日にケーキとお花を仏壇に添えるようになっていました。
今年は家族全員がコロナで順番に寝込んでいて、何も出来ませんでしたが
治ってから、あらためてケーキを買うことはしませんでした。

ここ数年、買い物の途中で娘が好きだったものに目が行くことがあります。
そういう時には、誕生日、命日に関係なく買って帰り、娘の仏壇に並べます。
誕生日だから、命日だからというプレッシャーで準備するよりも
自然で、そこには無理を感じません。

今日誕生日を迎えた16歳の息子について話したいと思います。
息子が1歳の誕生日を迎えた日は、正直嬉しさはありませんでした。
私の頭は、娘が発病した1歳8ヶ月、亡くなった6歳8ヶ月を
息子が無事に通過することでした。
それが何よりもの願いでした。
そんなこと、全く根拠がないことだから自分でもおかしいと思いつつも
心配を消すことはできませんでした。
おかしいと自覚があるから、誰にも話せませんでした。

娘が亡くなった後、お誕生日だけでなく、クリスマス、桃の節句、こどもの日は
やたらとプレッシャーでした。
20年経った時点の私はどうしたいのか、どうすれば自分の気持ちに無理がないかを基準に決めています。
だから、行事をすることもあれば しないこともあるのです。



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