40話目 ウクライナ危機戦争。長期的にはどうなっていくのかを考えてみた。

こんにちは。ウクライナが心配でずっとニュースをつけている。

ウクライナ危機戦争がどこまで長引くか、泥沼になるかわかりませんが、少なくとも、今年中に「500万人」以上のウクライナ難民がEUやアジアにあふれていくことは確実だ。

ウクライナ難民の生活(住宅・食料・健康管理・医療)を支える必要ができていく。日本にも少なからず「難民受け入れ」議論が進むだろう。

家族人類学者のE.トッドは代表作といえる「帝国以降」にて、すでに「ロシアの帰還」を予言している。

旧ソ連時代どころか19世紀のロシア帝国を目指していくという予測は大枠で当たっていると思う。

トッドはロシア、ウクライナ、ルーマニア、ベラルーシの「乳児死亡率」統計データに注目してみた。

10年前のデータ

「ウクライナ」は「出生率・乳児死亡率」が今だに、高い。以前として乳児死亡率が高いままかつ首都キエフ以外の教育システムもまだ「西側諸国」に近いとは言えない。そもそもゼレンスキーも財界やコネ、腐敗に嫌気がさした国民が選んだポピュリスト系大統領で、これも先進国の民主主義ではなかなか考えにくかったことといえる。

となると、今後ウクライナがNATOに完全加盟し、西側、欧州のイギリスやフランスのようなリベラルデモクラシーの社会を目指しても、まだまだウクライナのロシアとの「実質・内戦」や政治的混乱は今後長期的に続くと見てもいいだろうと思う。

ウクライナはNATOに加盟したところで、アメリカやイギリスは紛争に軍事介入しないため、なかなかこの泥舟を救う方法はない。

ロシアが結局ソ連解体から「30年」経過して、旧ソ連的な独裁社会に戻ってしまったように、ウクライナの政治的混乱、動乱をまた止める方法も現実的には難しい。もちろん今現状では短期的にわれわれ西側自由主義陣営はウクライナを支援すべきだし、プーチンの独裁と愚考は絶対に許してはならない。

かといってウクライナが長期的に楽観シナリオーー政治の民主化と自由主義化が起こるかどうかもまた微妙なのですよね。NATO加盟したところで、またロシアと頻繁にどんぱちやる「ソ連型内戦」を何度も耐えられるとは思えない。今回はゼレンスキーがうまくまとめたが、トップの指導者によっては逆の事態もありえるし、軍事クーデターも頻繁に起こるだろう。

戦火を交えている現状から次の「反ロシア派ゼレンスキー政権」か「親ロシア派」の送り込まれた傀儡政権になるかはまだわからないが、いずれにせよ、「東欧とロシア」との線引を明確にしなければならなくなる。

となると、「ウクライナ」(キエフ・ベラルーシ周辺)に新しい「ベルリンの壁」は築かれてしまうのか?

それが鍵になってくる。おそらく現段階でははっきりしたことは何も言えないが、その可能性は大いにある。

ロシア側が一気にヤルタ体制にするために、情報遮断し、国家の非常事態勧告を出し、ロシア国外退去を禁止する可能性だってやりかねない。プーチンが目指す先はもちろん皇帝ツァーリやかつてのソ連の独裁者スターリンだろうが、強権的なリーダーシップだからといってクーデターが起こらないとは限らない。また今回のように強烈な西側からの経済制裁も来る。

となると、ロシアプーチン政府は、どこかでウクライナと折り合いをつけて、西側からかつてのソ連ワルシャワ体制のように、「うまい」汁を吸えるポジションを見つけていくしかない。

東欧旧共産圏諸国の政治の難しさは誰がリーダーをやっても実際には国内でのコンセンサス合意が取れず、国民統合がまとまらないところにあるのではないかと思う。となると、結局強い党や中央集権型の軍事政府による情報統制や拘束によって、独裁をしていった方が「国としては」、まとまってしまうのだ。

ロシアにしても、ウクライナにしても、乳児死亡率がガクッと下がったのは2000年代に入ってからだ。ウクライナにしても乳児死亡率5%前後とまだ先進国レベルでは極めて高い。

実は戦争の結果よりも、この統計データの乳児死亡率の改善の方に投資をさくことで、ロシアとの緊張関係を改善することができうる可能性が高いのだが、残念ながらウクライナは目の前の政治問題・民族問題におけるロシアとの断絶を選び続けるような気もする。どうなるかわからないが、あえて戦時中に書いてみた。この見方は間違っているかもしれない。

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