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Vol.120 参議院選挙前に小沢一郎「日本改造計画」を読んだ

参院選前に、小沢一郎の名書(迷書)「日本改造計画」を読んだ。
良くも悪くも今では当たり前になった政策ばかりだし、竹中さんを含めて凄い頭脳のゴーストライターたちが書いているが、結論から言うと、実際には自民党がこの本を丸呑みしたというのが正しい。

中でも、小沢が、「中選挙区制度と社会党を中心とする野党」がこの国をだめにし、自民党をのさばらせた、ということを違う言葉で、何度も書いている。
その通りだと思うが、かといって選挙制度自体を小選挙区比例代表併用制にしても、この国の30年は失われたままだ。

小選挙区では、結局「二大政党制」になるしかない。良くも悪くもアメリカやイギリスのような、小沢のいう「普通の国」なるものを目指すしかない。だが、いうまでもなく、これは、間違っていたと思う。

日本はそもそも貿易立国であり、伝統を重視する立憲君主国である。革命国家のアメリカとは成り立ちが違うし、制度を模倣したイギリスとも違う。

小沢は当時から「自由党」という党名に固執していた。執筆時当時はまだ「自自公連立」前だが、自民党よりも「自由党」の吉田茂や田中角栄の経済重視路線を推し進めようとした。

小沢一郎の新自由主義的な「保守的な改革」自体は大枠では正しかったが、結局のところ、舵取りを間違えた。

細川政権の成立してから結局1年も持たず、ガラスのような8党連立内閣政権は瓦解し、第一党与党でありながら、小沢・羽田に「冷や飯」を食われ続けた社会党は連立を脱退。ついに長年のライバルだった自民党と政権を組み、小沢一郎が裏で支配していた改革政権は、沈没する。


今回の参議院選挙では、自民党・公明党が圧勝するだろう。そして多弱となった野党はますます議員の座席に固執し、そもそも瓦解するメカニズムさえ見える。リベラルか保守かの対立ではない図式なのは、「日本改造計画」にも明らかだ。

今日はこんなところです。

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