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Twelve Minutes感想となげっぱなし考察

あんまり大した感想ではないんですが、何を書いてもネタバレになる系なのでTwitterで垂れ流しは良くないなと思いこちらで書いてみます。
実績はすべて解除済み。

思ったより閲覧をいただいているようなので補足を。私自身の考察はTwitter垂れ流しの代替レベルなのであまり大したこと書いてないです。
最後に自分が納得した別の方の説を推しています。そちらの動画はかなり見られているようなのでご存知の方もいるかもしれません。ご了承くださいませー。

以下、ネタバレ注意!(ざっくり感想)


敢えて勝手にレビューをつけるなら、
ゲーム性  ★★★★★
ストーリー ★★☆☆☆
って感じでしょうか。

ゲームとしては、文句なしに面白かったです。

まず、「12分」は「12分」なんですが、自由に動ける時間は最初期は5分、もう少し進んで10分、最後に12分(それもちょっと変則的)という感じなので、プレイ体験として「12分間をループし続ける」話ではないです。
そして、最初のうちはあっという間に殺されてしまいます。

で、基本的には主人公自身およびその言動に干渉される出来事以外は発生時刻が決まっているので、場合によっては秒刻みで行動していかないと間に合わないことも。
例えば(本当に例えば)ですが、妻が1分30秒後にある行動をするが、その行動を起こさせないためにアイテムを2つ移動させる必要がある、など。
最近のゲームだと、こまかい操作中は時間を止めるたりできるものが多いですが、これは基本的にリアルアイムで時間が流れていくので、指示を間違えたりまごまごしているうちに行動を起こされてしまい、そのループでやろうとしていたことが達成できない・・ということもあります。

また、話が進むごとに簡略化できる行動もあれば、毎回毎回やらないといけない行動もあり、後者はそれだけで数十秒取られるので結構面倒くさくなってきたりします。

でもループものって、同じことを何度も何度も若干の差分を入れながら繰り返しているものなので(そして時にそれが尊いものなので)、主人公が感じている苦労や焦りを一緒に体験できる演出になっているといえます。
粘っても10分ですし、時間が余ったら次ループに進めてしまうこともできるのでそこまでストレスフルではありません。

事件の筋自体はかなりシンプルですが、主人公以外の人物は前ループの記憶を持っていないので、さっきの続きから・・ということはできません。
ある情報Aへの反論Bが生まれたとしても、ループ後はそもそもAの情報が出てないところから再スタートするので、いきなりBの話をしても怒られるだけです。Aを再度聞いたうえでBを突き付ける必要があります。
そうして一つ一つの謎を手繰り寄せ、整理し、突き付け、これで真相にいけるか・・と思ったところでループ! 混乱する主人公と一緒に「ガッテム!!」と言いながら足りない情報を集めていくと、真相にたどり着くことができます。

ここまでは、非常に面白いです。

が、結末まで見てしまうとだいぶ不完全燃焼な感じがします。

結末については後述するとして、キャラの内面がかなり残念で、奥さんがやたらと短気であっという間にへそを曲げますし主人公への愛もどこまで本気かがちょっと謎。主人公も似た感じなので、この夫婦への感情移入がとてもしにくい。
最終的には、別にこの2人がどうなっても知らん。と思えてしまう点がちょっと残念だなぁと思いました。


…が、最終的にはそれも仕方ないのか、と言う気もしてきましたのでその辺も後述。




結末について考えてみる
(ネタバレしかないので要注意)






出ている情報だけで推察される時系列としては、ループに入る前の一番最初(本来)の世界線というのは存在していないか、本編では語られていないのではと思いました。

なぜなら、妻に出会う前の時点で父親を殺す動機につながる情報がなく、記憶がない理由も不明だからです。

ゲーム内にある情報のみで推理ができるようになっている=東野圭吾で言うところの「どちらかが彼女を殺した」系のゲームである以上、語られていない、或いは語られた情報から飛躍した設定に真実があるというのは考えにくいです。

モンスターなどの言葉からも確執はあった可能性が相応にありますが、そもそも父親との交流が続いていたことは語られていませんし、少なくとも最初にたどり着く書斎の会話はサラをめぐる話ですので、このシーンの主人公の認知を信じるならば8年前の会話ではあり得ません。

(が、ベビーシッターは出産と同時期に亡くなっているため、彼に母の名を教えた誰かはいるはずで、それが父親である可能性は高そうです。何度か会ってはいたのでしょうか)

妻のセリフで「(出会った際に)あなたはしつこかった」というものがあり、主人公が妻に狙いを持って近づいた可能性も確かに示唆されています。が、妻と主人公の出会いは大晦日の数週間後であり、少なくとも妻側の認識としてそれまでに主人公との面識はないため、主人公が一方的に知っていた(なんならストーカーだった)ということになります。そして、それを裏付ける記述はありません。

父親とのシーンで妊娠させていると伝えるケースがありますが、上述のとおり父親殺しの時点で妻と主人公は正式には出会っていませんので、妻と既に出会い妊娠をさせている=8年前ではなくゲーム時点での主人公であると考えることになります。

…と考えてたんですが、髪がフサフサの父親との場面を実際にあった8年前の出来事、スキン親父の場面は別のナニカとして切り分けた場合、フサフサ親父との会話は主人公が妻(この時点では姉)をストーキングしていることをまさに白状しているシーンになってきますね。

話の流れ的に妊娠させたと告げるのはスキン親父のときだけだと思うので、フサ親父との話のみを8年前の正史とするのであれば妻側が主人公を覚えている必要はなくなります。主人公がストーカーだったことも示唆され、ここが起点になり得ると言えます。

実際にそういう解釈をしている方が多い様子ですね。

…が、それでもやはり主人公の発言には正しくない点が残ります。主人公の発言の信憑性が担保されない場合、彼の認知がどの時点でどの程度正しいのかを示す情報がありませんので、そもそも何でもあり、になってしまいます。信頼できない語り手というやつですね。

その辺の「どうとでも取れる」感が、プレイヤーのモヤモヤにつながっているのだろうと思われます。

最初に3つある部屋のうち「赤ん坊の部屋」にだけ行けない(誰もいない部屋に行くエンドはある)のは少し気になるので、考察されている方の記事などあれば拝見したいですね。

☆追記
妻は主人公が今にも殺されそうな場面にもかかわらず答えを言わず、主人公がいない場面ではあっさりと言う場面があります。
夫婦間だからこそ言いたくないこともあるかもしれませんが、殺されそうなのに流石に隠さないでしょう。
そして、主人公が白状した後の冷たさを見るに、彼女は心の底では彼に不穏な何かを感じ、憎んでいたのでは…と言う気はちょっとしてしまいます。

が、特に根拠はない印象論ですので、そこから何かを論じることは避けます。
ストーリーを線として繋げるための点が少なすぎるのですよね。なくはないのですが、輪郭を浮かび上がらせるにはまばらで小さい感じ。
私も全テキスト読んで覚えたわけじゃないですし、多分これ以上のプレイはしないと思うので、そのうちまとめページなどができると良いなぁと思っています。(他力本願)

☆さらに追記
ある意味ですべての答えとなる考察をされている方がいらっしゃいました。

これは、上で挙げた「点を繋げた」結果としても論理の飛躍がないように感じます。
もちろん、便利すぎる結論ではあるのでそれかいっ!!ってところではありますが、夫婦が愛し合っているように見えないところも、ループの起点が見えないところも、主人公が「信頼できない語り手」であることも、ぜんぶ説明ついちゃうんですよね。

あとこのエンディング、見た方はわかると思いますがすべてが消えるエンディングを含めて他のエンドと紙一重のタイミングなので、多分一番難しいです。もう正直、途中まで別の分岐に入らないかハラハラしながら見守っていました。
その難しさも踏まえ、これが真エンドというのは納得です。

これを真とした場合、「listen」はちょっと謎なのですけどね。

mindfulnessは、日本語に訳さない方が適切な気がしますね。敢えて言うなら、心安く、とかかなぁ。
翻訳全体はよくできている方みたいだけど、翻訳者に話者や前提の共有がされてないように見えるところがあるので、英語そのままで見たら意味が違うセリフなどもあるのかもしれませんね。
(わかりやすいところでは、姉と妹。あと、話者が主人公なのに女言葉とか…)

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