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【#チームえぞオフィス:コラム】 実録!副業的な開業のはなし

 えぞ財団が目指す「こんなもんじゃない北海道経済を創る」。
 その実現に向けて現場視点で多様な働き方・価値観醸成に繋がる具体的な施策を展開するプロジェクトが「チームえぞオフィス」です。

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 えぞオフィスでは多様な働き方・価値観醸成に向けた展開の一環としてコラム配信を行っています。
 今後ますます働き方が多様化することが予想され、サツドラホールディングスでは副業可能とし、既に多くの社員の方々が副業を開始しているそうです。副業や開業を考えていたり、自分の所属する会社や組織での社員や職員の多様なキャリア形成を組織的にどう支援するかお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 今回はどこにでもいる普通の会社員が、勤めていた会社と副業的な関係を経て開業に至ったお話しをしたいと思います。副業や開業をするにあたって「そもそも何から始めてどう進めれば良いの?」「どういうスタンスで副業希望者と関係構築をすれば良いの?」とお考えの方に活きた事例として参考にして頂ければ幸いです。

 なお、今回のコラムは「副業や開業しないとこの先サバイバルできない」というような危機感を煽りたい訳ではありません。会社や組織で働くということはエネルギーも時間も使い果たすくらい大変なことを理解しています。あくまで働き方の選択肢のひとつとしての副業や開業であり、その選択をした際に実際に起こった事例としてご紹介させて頂きます。
(文責:チームえぞオフィス 守屋賢史)

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なぜ、どこにでもいる会社員が開業したのか

 学生時代から開業志向を持っていた私ですが、当時から会社や組織の問題解決をする仕事をしたいと考え、就職活動もそのような業界を中心に活動していました。
 その後、人材会社や組織・人事コンサルティング会社に就職し、15年程会社員としてそれなりの成功体験や失敗体験を繰り返しながら、普通より少し良い位の評価を得ながら仕事をしてきました。

 神奈川県で生まれ育ち、東京で働いていた私は、道産子の妻が北海道に帰りたがっていたこと、母が十勝の清水町出身であり北海道自体を身近に感じて育っていたことから2013年から札幌に拠点を移しました。(その後すぐに東京に戻され単身赴任をすることになります…笑)
 その後、単身赴任が5年目に入り長期化していたことや、かねてから抱いていた開業に対する思いもあり、札幌を拠点に開業をすることを決意しました。

退職にあたって握手をする関係

 どこにでもいる会社員とはいえ、それなりに責任のある仕事や部下を抱えていた私。転職に際しては差し迫った期限がある訳でもありませんでしたが、前職では上司と部下でキャリア形成について話し合う1on1面談を2・3カ月に一度のペースで実施していたので、その場を活用して退職と開業の意向を上司に打ち明けました。

 ありがたいことに上司は「おお!いいね!開業しても一緒に仕事しよう」と快く受け入れてくれ、私の開業に向けたキャリアを支援してくれるとのことでした。外資系の会社だったことから雇用の流動性が高かったことや、その会社を退職して独立していく自律的なキャリア形成をする先輩が多かったという組織風土の面も大きかったと思います。

 またちょうどこの頃健康機器メーカーの株式会社タニタの働き方改革で個人事業主制度の導入が話題になった(参考記事)こともあり、私自身も仕事のキリの良い時期に退職し、個人事業主として業務委託契約を締結して前の会社の仕事をすることとなりました。業務委託契約なので、他の会社の仕事もやって良いという副業的な開業になったのです。

 9月に最初の面談が行われ、退職は翌年の3月となり、4月から個人事業主として前の会社の仕事をしながら他の仕事もしていくという働き方にこうして変わっていったのでした。

参考記事:日経ビジネス タニタ社長「社員の個人事業主化が本当の働き方改革だ」
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00005/071800034/?P=1

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開業時に大切だった3つのこと

ここからは、実際に開業してみて大切だったことを3つご紹介します。

1)自分の近況の変化を周囲に知らせることに加えて人脈をアップデートする
 前の会社と業務委託契約を結んだとはいえ、失礼ながら契約額もタニタさんのように潤沢ではありませんでしたので新しい仕事を獲得する必要がありました。
許可をもらい、今までお世話になった顧客やお取引先に自分自身の働き方の変化をご連絡させて頂き、Facebookを使って知人、友人に近況報告をしました。

 ただ、前職の仕事で関係した方は前の会社の看板の元にお付き合いを頂いていただけなので、お仕事に繋がることはほとんどありませんでした。
(ご祝儀的に小さな仕事を頂くことはありましたが…)
 人脈は経年劣化していきます。やはり開業し始めのころは社会的信用力が低い状況なので、環境の変化に合わせて自分自身はもちろん、人脈もアップデートする必要があると感じました。実際にはLancersやCroudworks、SkillShift等といったサービスを活用して新たな仕事や機会を獲得していきました。

2)小さな仕事でもまずは実績を作る
 「仕事を選ぶな」とまでは言いませんし、個人事業主で仕事をしている人に対して不当に安価に仕事を出そうとしている人は実際にいますので、自身にとって本音の部分でWinにならない仕事はやらないほうが良いと思います。

 一方で開業当初というのは本当に社会的信用力がないことを痛感しましたし、相手から見てもそう思うのは理解できるところです。
 よって、価格以外の面で自身にWin(例えば「新たなスキルの獲得機会になる」「ゼロから着手する必要がなく過去の経験値やノウハウから応用を聞かせて効率的に対応できる」等)があるのであれば、積極的に実績を作っていくのもアリだと思います。

 会社の看板が外れた以上は自分自身やアウトプットを売り込むしかありませんので、実績に基づく再現性が顧客にとっての安心感に繋がっていくのだと思います。

適正な値決め(価格設定)をする

 一番悩ましいのが値決め(価格設定)でした。会社にいた頃は組織として定めた価格設定の範囲がありましたし、私の仕事は役務提供型のビジネスですので、個人事業主界隈の相場感や地域相場が果たしてどれくらいなのか極めて分かりにくい状況でした。
 かといってコストから逆算して利益を上乗せしていったり、安売りをしていくのも違和感があり、そんなことをしていても精神衛生が悪くなるだろうと考えました。

 最終的には、①望ましい欲しい金額 ②コストから逆算した採算ギリギリの価格を設定し、顧客の予算に合わせて①と②の間で調整するということで値決めをしていきました。もしも、②の採算ラインを下回る場合はその他の要因の「新たなスキルを獲得できるか?」などといった、自分自身が納得できる大義名分があるか否かで判断しました。

さいごに

 いかがでしたでしょうか。
 今回はどこにでもいる普通の会社員が副業的な開業に至った経緯や気付いたポイントをご紹介させて頂きました。
会社や組織にとっては退職者と握手をして別れ、継続的な関係を続けられる組織風土を醸成すること、また、副業や開業をする方にとっては良好な形で会社や組織を離れること、どうしても避けられない社会的信用力の低下に対してどう対応するのかが重要だと感じています。

 今後もチームえぞオフィスでは、現場視点で明日から活用できるノウハウを楽しくわかりやすくお伝えしていきます。
こういうテーマを取り上げて欲しいといったリクエストや本コラムの感想など、お気軽にnoteのコメントにてお寄せください。今後の活動の参考にさせて頂きます!
最後まで読んでいただきましてありがとうございました!

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