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3か月入院して考えたこと


 今回、俺は大きな学びを得たのだ。俺が今まで見ていたものは、薄皮に仕切られた狭い世界だった。だが当然、その外にはいくらでも広い世界が広がっている。様々すごい人がいる。様々つらい人がいる。様々想像を絶することが展開されている。それらのうちのほんの少しが、薄皮の綻びから感じられたのだ。足元の薄皮をちょっと踏み抜いたのが、そもそものきっかけだった。下はいくらでもある。いくらでも墜ちる可能性がある。

 そうだ。こいつは前から考えていた「覆される体験」だ。真実を突きつけられ未熟を思い知らされ自分が揺るがされる。この体験無しに成長は望めない。たまたま買った「美術手帖」で特集されていた「Chim↑Pom」正直共感できない所が多く、読めば読むほど心がざわついた。同時に心底揺るがされた。行動力、人間力、思考の深さ、とにかくすごい人達だ。上野千鶴子との対談 内容の深さ もしそこに自分がいたとしても、会話に加われる自信がまるで無い。俺が得たと思っていたものはまるでオハナシにならない浅さだったことを突きつけられた。本当にここでもまた覆された。

 他にも、入院中に読んだたくさんのマンガ 発表までに費やされたであろう人間力を想像する。想像を絶する。想像だけで吐き気がする。その中から選ばれしものがアニメ化ドラマ化される。またそれらを制作する方々の格闘を想像する。やっぱり込み上げるものがある。でも選ばれるだけはるかにマシで、残り大多数はやがて忘れ去られる。そもそも日の目を見ない作家の卵だってたくさんいる。誰一人安定なんて約束されていない。俺の知らない所でたくさんの人が日々暗闘している。世界はそんなものに溢れ絡み合い、ぐちゃぐちゃもがいている。そのほんのわずかを感じるだけでも胃がムカムカする。

 正直、3か月の入院でメンタルはボロボロだった。崩壊寸前 いや、軽く崩壊していた。でも、一休さんの本にもあった。今までのあり方が大きく否定されることが無くては自分の本来のあり方に気づけない。大きな否定のドラマがあって初めて本当の肯定が自覚できる。これだな! 大きな人生の転機になるのは確定した。魂に、まずは裂け目ができた。さあここからだ。いいものを刻みたい。今はそのまま心の動きに任せよう。

 改めて魂に刻みたい。誰がどんな重荷を抱えているかなんて分からない だから観察せよ 想像せよ と。そして、どんな出来事も遅かれ早かれなのだ と。

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