「ニホンザリガニ」について
ニホンザリガニは、絶滅が危惧されている日本の固有種です。
今では水が冷たくきれいな河川や沼にしか生息しておらず、環境開発や採集、外来種の影響などから個体数が激減してます。
ニホンザリガニは、かつて北海道や東北のさまざまな河川に生息していましたが、今ではほとんど目にすることのなくなった生き物です。
今回は、ニホンザリガニの特徴や生息地、減ってしまった理由、アメリカザリガニとの違いや問題についてを解説したいと思います。
〈目次〉
1.ニホンザリガニとは
(1)ニホンザリガニの特徴
(2)ニホンザリガニの自然界での役割り
(3)ニホンザリガニの生息地
(4)ニホンザリガニの主な分布
(5)ニホンザリガニが減った理由
2. ニホンザリガニとアメリカザリガニの違い
1.ニホンザリガニとは
(1)ニホンザリガニの特徴
ニホンザリガニは、2000年に絶滅危惧種に指定された日本在来のザリガニです。
外来種のアメリカザリガニとは異なり、自ら獲物を襲うことのない、おとなしい性格です。
北海道と東北地方の限られた場所にしか生息していません。
体長は約4~7cm程度とアメリカザリガニと比べて小柄で、体色は茶色~茶褐色、トゲのない、丸みのある殻とくびれの少ない体型をしています。
寿命は約10年ほどで、寿命が3~5年程度のアメリカザリガニよりも長生きです。
しかし、生態がよくわかっていないことと、成長が遅く繁殖可能に成熟するまで約5年程かかることから、個体数を増やすのが難しいと言われています。
(2)ニホンザリガニの自然界での役割り
ニホンザリガニは、自然界のお掃除屋さんとしての役割を持っています。
『水草や水中に落ちた枯葉、虫・小魚の死体を食べる』ことから水辺を清浄しています。
そのため、「日本ザリガニのいる場所はきれいだった」と言われることもあったようです。
アメリカザリガニのように小魚を積極的に捕食したり、水草を切り取ることがないため、水辺の環境保全にもつながっている生き物と言えます。
(3)ニホンザリガニの生息地
川の上流の、落ち葉などが豊富で水流が穏やかな湧水や沼、湖に生息しています。
ニホンザリガニは13~20度以下の低水温でしか生きられないため、気温の低い地域のみに分布している状況です。
温和でゆっくりした動きなので、鳥や獣などの外敵が比較的少ない、穏やかな場所で生息が確認されています。
(4)ニホンザリガニの主な分布
北国の清流に分布しています。
北海道、青森県、秋田県、岩手県
これらのなかでも水質の良い場所でしか生息が確認されておらず、保護を目的とした生息地の調査が進められています。
かつては、食用や薬用になるほど、人間の生活区域に近い川でも生息してたのですが、河川の開発や汚染で姿を消していきました。
(5)ニホンザリガニが減った理由
土地の開発、水質汚染、水温の変化、外来種に生息地を奪われた、人間による乱獲 などです。
河川工事や排水溝・住宅の建設などで河川の水質が変化してしまうこともあり、清流を好むニホンザリガニが適応できなくなるケースがあります。
2.ニホンザリガニとアメリカザリガニの違い
アメリカザリガニは日本全国の田んぼや川、沼、池、用水路などで見つけることができます。
日本に生息しているザリガニ類の中で最も繁殖していると言えます。
体長約7~10cmほどと、ニホンザリガニより大型で強力なハサミと赤褐色~赤黒くごつごつした殻を持ちます。
アメリカザニは、大人しいニホンザリガニとは異な自ら餌を捕獲するのが得意です。
メダカやモツゴなどの在来種だけでなく水草や水生植物もハサミで切り落としてしまいます。
水草や水生植物は、水質の清浄化には欠かせない存在です。
アメリカザリガニが増えた水辺は環境が変わってしまうことが多いです。
参照元: 「TOKYO AQUA GARDEN」Webサイト
以上
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