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【小話】 佐渡金山

巨大な金山の中心的な史跡について


佐渡金山は、1601年に山師3人により開山された事が始まりだと伝えられています。


約400年に及ぶ長い歴史を持った金山です。

江戸幕府の財政を支え、日本産業の近代化に貢献し、日本最大の金銀山として発展しました。


■歴史(管轄)

佐渡金山は、佐渡奉行の大久保長安の管轄でしたが、明治に入ると一時的に宮内省御料局に所属とたり、その後、三菱合資会社に組み込まれました。

大正時代に入ると、三菱鉱業株式会社(現・三菱マテリアル)に引き継がれ、昭和時代には金の大増産時代に突入していくことになりました。


■北沢浮遊選鉱場跡
史跡には、世界初の『浮遊選鉱法』を実用化した、北沢浮遊選鉱場跡が存在します。

鉱山資源として地中から掘り出される鉱石は、様々な鉱物が細かく混ざり合っています。そのままでは精錬所に送ることができません。

そこで鉱石を細かく砕いて、各粒子が単一の鉱物からなるように『単体分離』を行う必要がありました。

一ヶ月で50,000トン以上の鉱石を処理できたことから、当時は『東洋一の浮遊選鉱場』と呼ばれました。

金銀採取の実用化に成功したのは、ここが世界で初めてだったのです。


■50メートルシックナー
北沢浮遊選鉱場跡のすぐ隣に、まるでローマのコロッセオを思わせるような巨大な史跡があります。

これは『シックナー』といい、泥場の鉱石と水を分離する施設です。

1940年(昭和15年)に完成した直径50メートルの巨大なシックナーは、濁川上流にある「間ノ山搗鉱場」から排出された、泥状の金銀を含んだ鉱石を分離し、北沢浮遊選鉱場に送りこまれたのです。


以上

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