たいとるなしのメモ:戒律

生きるうえで重要なのは生きる意味だ.なぜなら世界は無意味だからだ.この世界では自らの欲望こそが生きる意味だ.理想こそ,渇望こそ,エゴこそ生きる意味だ.その欲求に完全に振り回されないまでも,誠実にあるべきだと思う.


世界に答えを求めてはいけない.「なぜ私が生まれてきたんだろう」などと説いてはいけない.なぜならそこは地獄の淵だから.そこに納得できる理由などなく,あるのはこの世界に閉じた無限に続く矛盾だけだから.真に意味がないことに気が付いてしまうから.

一つの生きる意味に固執してはいけない.「これが人生を捧げるものだ」と安易に定めてはいけない.失ったとき,生きる意味がなくなるから.生きると約束したならなおさら,空虚な約束を守って生きなければならないから.かつてあった生きる意味のために,別の意味を見つけて生きる必要がある.

死を侮ってはいけない.死は甘美な嘘に近い.時に魅力的に映ると思う.しかし君の世界は死をもって終わる.君が少しでも愛したものはその時点で消える.残されるものなんてない.ただ,世界がなかったものになる.納得して死ぬことはなくなる.その後悔は先には決して来ない.そして死後も後悔することができない

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