優先証券について個人的まとめ その2

米地方銀行の破綻

3/10に、米シリコンバレー銀行(SVB)が破綻したとのニュースがありました。週明けから預金保護上限の25万ドルまでの引き出し制限とのことです。ちょっと様子がおかしいかもと報道されて数日で破綻に至りました。

優先証券ETFのPFFDの構成銘柄にも含まれていました。2023/3/9時点で0.18%とのこと。日本版の2886も同様かと思います。

リーマンショック後、銀行の規制は厳しくなり厚い自己資本比率で銀行の健全度は高めと思っていました。予測不可能とは言えない程度の高金利局面であったのに、SVBは偏ったポートフォリオのためにあっという間の破綻でした。

銀行破綻後の処理


CoCo債について調べたときに出てきたスペインのポプラール銀行の破綻処理では、破綻したポ銀を大手サンタンデール銀行が全株式を1ドルで買収していました。

既存株式、AT1 永久劣後債、Tier 2 劣後債を全て無価値化したうえで、 公的資金・納税者負担なしに、同行をスペインの最大手行 Banco Sandtander に買収させることで決着した。

http://www.shinsei-sec.co.jp/pdf/SSNote279-20170609.pdf

シニア債保有者の損失負担、公的資金の投入は回避された

シニア債保有者の損失負担は回避されている。上記バリュエーションから、株主及び AT1 証券保有者の負担で足りると判断したものと考えられる

http://www.nicmr.com/nicmr/report/repo/217/2017sum05web.pdf

ポプラール銀行のケースでは優先債は損失負担なしでしたが、これはケースバイケースのようです。

上記の破綻処理はEUの単一破綻処理理事会が行っています。シリコンバレー銀行は米銀ですのでまた違った処理になるのかもしれません。

普通株式、優先証券、劣後債までは元本削減ですかね。その先の優先債や預金はどんな扱いになるのか、後学のために良く見ておきたいと思います。

※レポートのリンク先がhttp://になってます。環境によってはご覧になれないようです。

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