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登録販売者試験における漢方と生薬の学習方法


目次

自己紹介

令和四年度に東京会場にて受験してみて、一発合格できたので参考までに記載しておきます。
使用したのは市販テキストと、公開されている東京の過去問4年分だけです。

続けるかは未定ですが、学習の備忘録として書いてみようと思います。
まずは一番めんどうだった漢方について。

大学受験など経験していない方にありがちな「正しい知識を全て覚えて解答しようとする」などのやってはいけないパターンもネットなどでよく見かけたので、その点についてや過去問題の使い方などもそのうち書きたいと思いますが今のところは未定です。

私が使用したテキストはこちらで、以下の内容は全てこれを元にした知識によって書いています。
テキスト購入前に過去問題を入手していたので、付属の練習問題は一度も手をつけませんでした。

ユーキャンの登録販売者 速習テキスト&重要過去問題集 第2版【オールカラー&過去問200題収録】

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出題のパターンと攻略

出題のされ方

令和四年東京での問題からみてみます。
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/kenkou/iyaku/tourokushiken/R4shiken.html

薬の効能などについて直接問うのは午後の部の試験範囲です。

ー午前
漢方関連は二問ですが、薬剤への注意としての設問です。
Q8,生薬成分の併用や摂取についての注意。
Q37,漢方の問題ではないのですが、甘草の副作用である偽アルドステロンについて。

ー午後
漢方そのものについて、漢方が選択肢にでるもの、そして生薬の問題です。
Q62,Q73,Q76,Q80,Q82,Q93,Q95,Q96の午前の関連もカウントすると2+8問の10問なので、得点源にする優先順位はあまり高くはないけれど、無視もできないという微妙な感じでした。


覚え方

得点源として微妙な位置にある漢方と生薬ですが、やみくもに覚えるというのは一番だめな方法なので、まずどう覚えるかが大事ですよね。
そこでマオウとダイオウは含有されているものが限定的なので、それらが配合されているものから覚えていきました。

試験作成の手引きにも書かれています。

https://www.mhlw.go.jp/content/000956952.pdf
>構成生薬としてカンゾウ又はマオウを含む漢方処方に共通する留意点に関する出題については、II-1(咳止め・痰を出しやすくする薬)を参照して作成のこと。構成生薬としてダイオウを含む漢方処方に共通する留意点に関する出題については、III-2(腸の薬)を参照して作成のこと。

試験問題の作成に関する手引き、185頁~186頁(令和4年3月)


1.読み方と発音

マオウとダイオウを含むものを覚える、とはいうもののそれにあたり漢方の名前はどうにも覚えにくいという壁がありました。

「麻杏薏甘湯」などをみると、これはなんの単語が何を意味してるのか、どこで区切りを入ればいいのかなどがわかりにくいですよね。

さらに発音がわからないまま、文字を読めないけど覚えようというのは難しいと思います。

漢方は基本的に合剤であり、区切りは原料の頭文字なので、それがわかると何が配合されているかわかり、結果的に覚えやすくなると思いますので後述するリストに付記しておきます。

五虎湯みたいになんだかわからないものは丸暗記しかありませんけれど。


2.マオウ、ダイオウを含むものから覚えていく。

試験作成の手引きにしたがって、マオウに関しては交感神経刺激作用や依存性、ダイオウに関しては乳汁移行や消化管への影響、妊婦への注意など別途覚えたほうがいいことも多いです。

甘草については、漢方薬では配合されていないもののほうが少ないので含まれているものではなく、半夏厚朴湯などの甘草を含まないものを覚えるほうが楽でしょう。
そちらについては今回はふれません。

マオウとダイオウが含まれているものがわかれば、逆に含まれていないものもわかるので解答できる幅が広がるでしょう。

防風通聖散は甘草・マオウ・ダイオウの全てが入っているものなので覚えてしまうのが楽です。

3.マオウが含まれているもの

マオウ含有の漢方薬の特徴

基本的にマオウ含有のものは「体力中等度かそれ以上」など体力のある人が適応となります。

体力の適応は覚えておくと、選択肢に体力の適応が書かれている場合などに、正解を選ぶだけではなく除外にも使えます。

効能などの詳細はご自身のテキストなどで確認しながらすすめてください。
麻黄湯は「体力が充実」、例外的に五積散が「中等度またはやや虚弱」のものなのでこの二つは覚えやすいでしょう。

記載は 名称+(読み)+原料の区切り となっています、原料が多数入っている、名前からは判別できないなどの場合は区切りはいれず、色々とだけ記載します。

【かぜの諸症状】
葛根湯 (かっこんとう) 葛根(他色々)
小青竜湯 (しょうせいりゅうとう)  色々
麻黄湯 (まおうとう)  麻黄

【鎮痛】
麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう) 麻黄/薏苡仁/甘草 
薏苡仁湯(よくいにんとう) 薏苡仁

【咳・痰】
五虎湯(ごことう)色々
神秘湯(しんぴとう)色々
麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう) 麻黄/杏仁(キョウニン)/甘草/石膏

【女性に現れる特有な諸症状】
五積散(ごしゃくさん) 色々

【肥満症】
防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん)色々

【鼻の症状】
葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい) 葛根湯/川芎/辛夷

4.ダイオウが含まれているもの

大黄甘草湯と響声破笛丸だけが「体力に関わらない」適用のもので、他は基本的に「体力中等度以上」です。

リストはあくまで読みとダイオウを含有しているものを抜粋しただけなので、詳細はテキストなどで確認しておきましょう。

【鎮静、精神不安・不眠、小児の疳】
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 柴胡/竜骨/牡蛎 他色々

【喉の痛み】
響声破笛丸(きょうせいはてきがん)色々

【腸の不調】
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう) 大黄/甘草
大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)大黄/牡丹皮 他色々
麻子仁丸(ましにんがん)麻子仁 他色々

【女性に現れる特有な諸症状】
桃核承気湯 (とうかくじょうきとう) 色々

【皮膚の症状、口内炎】
茵陳蒿湯(いんちんこうとう)色々

【痔の症状】
乙字湯 (おつじとう)色々

【肥満症】
大柴胡湯 (だいさいことう) 色々
防風通聖散 (ぼうふうつうしょうさん) 色々

【高血圧の随伴症状】
三黄瀉心湯 (さんおうしゃしんとう) 色々

5.生薬

完全に捨てる気でいたので、対策はしませんでした…。

まとめ

マオウとダイオウを含むものは、体力適応についてみるとどちらも基本的に「中等度以上」か「充実」なので、例外である五積散、大黄甘草湯と響声破笛丸を除いてマオウとダイオウを含有するものに「体力がない」などがあれば間違った選択ということになります。

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