お題箱③ 忍の一時…39点
採点が甘いと思います。
なぜならガバガバ過ぎる世界観と、どう汲み取ってもエネルギーの足りないキャラクターの集合で、12話完結のオリジナルアニメとして破綻していたとすらいえるレベルの作品だったからです。
ノルマじゃなければ間違いなく視聴を途中でやめていました。
ということで、感想を書くモチベも上がりきらないので紅雪+その他という点だけで終わります。
サムネイルは偽トリィです。肝心なところだけローテクすぎる…
紅雪
様々な問題を抱えた本作品ですが、「紅雪の魅力があまりにも薄い」という点に際立って不満を感じます。
彼女は孤児であったところを弓香に拾われ、家族として迎えられた恩に報いるため伊賀忍者として務めを果たす…
というプロフィールなのですが、ほんとうに「それだけ」です。
一時とは姉弟同然に育ったはずなのに、二人の間に家族の情が感じられることはなく、終盤で明かされる「紅雪はトロイの木馬でした」のくだりすら、特に因縁を感じさせることはない、舞台装置としての役割でした。
せめて
・紅雪は弓香の命を狙いに来た少年兵だったが、弓香は紅雪を無力化したうえで保護することを決意
・紅雪は脳内のチップによりたびたび甲賀側のスパイとして機能させられていたが本人に自覚はなく、時貞や弓香は感づいているものの紅雪を失うことを恐れ様子見
などの布石(なぜ紅雪はあそこまで強いのかは「甲賀の子だから」で説明できるとはいえ、なぜあのタイミングぴったりで紅雪の体を乗っ取れたのかが作中で明らかにされていない)や、
・紅雪の行動原理は弓香への忠義と愛情であり、その家族である一時についても命を懸けて守るべき存在として大切に思っている
などの温度感が欲しかったです。マスクつけてたのも唇嚙んでるの隠すためだけだったし…母(弓香)が紅雪(娘)のマスクを外す、という演出は悪くないので、もっとエピソードが積み重なっていれば泣けるシーンになっていたかもしれません。
いや、これはまるっきり空の軌跡FC,SCの話なんですけど…
でもそのくらいのエピソードがないとマジであのキャラ、1話から出てたけど何の意味があったの?ってなりませんか。
結局、作中でもマインドハックを受けた紅雪に対して根本的な解決が取られることはなく、気づいたら普通に最後の戦闘に参加していました。
このあたりも、主人公が紅雪復帰のためにできたことはもっとあったはずなので、物語としての不足を感じます。
残りの要素
終盤、輝麗を中心としたエピソードについてはそこそこでしたが、「裏切りを生業としていた輝麗が友情と任務の間で思い悩み、父の死をきっかけに裏切りをやめる」という物語の中で、主人公が主体的な干渉を行っていない点も問題だと思います。
たしかに輝麗が伊賀に寝返る過程では「一時の友情にほだされた」というのが重要な要素を担っていますが、一時が輝麗の本性について教えてもらうのは最終決戦の最中です。叔父さんも女友達も先に知ってたのに…
あとは箇条書きでまとめますが
・ガバガバ忍者アカデミー
・安忍(国家安全忍術案件対策部)といいつつイニシアチブもクソもない機関
・安直なキャラ付けと薄すぎる会議のノリで失笑を買った他の里の忍者
・「一時の同級生だから」という理由で有事にも関わらず居座り続けるヒロインたち
・そもそも主人公が全く成長していない(忍者アカデミーで体得した技能、ゼロ)(最終決戦は伝説の忍具(笑)頼り)(エピローグで子どもを助けたのすら、1話時点の身体能力で可能な範囲)
・何考えてるんだかわからない甲賀の御曹司(途中でヒイロ・ユイのパロディをやったところだけは面白かった)
・序盤から引っ張ったのに甲賀&伊賀の先代が死んだくだりがさらっと流される
など、12話でまとめるには風呂敷を広げ過ぎたのではないかと思います。
AYAKA-あやか-を見習ってほしい。
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