見出し画像

隠れ家の不良美少女 198 パンフレット

友里香さんとKKステージに来ていた。デザインルームで打ち合わせをしている。
希美子さんと美奈さんや詩織さんもいる。

「アートシンクさんの件ですが、スター育成ゲームにキナコちゃんを初め『サークル雅』の子達もキャラクターとしての出演です、そして衣装も提案して欲しいそうです」友里香さんは状況を説明する。

「えっ!私がデザインしてもいいんですか?」美奈さんは驚いた。
「ええ、歌手・芝居・ダンスなど様々な衣装のデザインをして欲しいそうです、そしてその衣装は実際に制作してみんなに着てもらいます」
「凄〜い!」詩織さんが手を叩いて喜んだ。
「美奈ちゃん、ついにデザイナーとしてのお仕事だね」
希美子さんも喜んだ。
「美奈さん、良かったね」拍手した。

「そこで思ったんですが、そのデザインして制作した衣装を写真に撮ってKKステージのパンフレットを作ってはいかがでしょうか?」俺は提案してみる。

「パンフレット?」希美子さんは少し首を横にした。
「一般のお客様はそのパンフレットを見て、この衣装をお願いします」とオーダー出来るわけです。
デザインを写真で見て、サイズを伝えればKKステージの衣装が届く事になります」

「凄い!みんなが写真を見て気に入った衣装を発注できるんですね」
希美子さんと美奈さん詩織さんも驚く。

「もちろんKKステージのホームページでは気に入った衣装をチェックしてサイズを書き込めばその場で注文出来るようにします」

「凄いわ〜」希美子さんは何度も瞬きする。
「沢山オーダーが来たら間に合うかなあ?」詩織さんは少し心配そうだ。
「そうね、今でもかなり大変だしね」希美子さんは現実に戻った。
「そうなると、雅の子達も総動員ですね」美奈さんも頷く。
「ただ、一度作った衣装は型紙があるから対応しやすいかも知れないわ」
「そうですね」詩織さんも頷く。
「そうですね、もうデザインしなくても作れますね」美奈さんも頷いた。
「何方にせよ忙しくなるのは見えてますね」美奈さんがポツリと漏らした。

友里香さんは少し微笑むと話し始める。
「サークル雅のマネージメントは大変じゃないですか?」
「はい、もう限界かもしれません」美奈さんは眉を寄せる。
「昨日の配信で思ったのですが、菜々美ちゃんはマネージャーの素質があると思うんです、もし彼女が嫌じゃ無ければ私の助手として働いていただき、同時にサークル雅のマネージャーとし動いてもらうのはいかがですか?」
「それは良い考えだと思います」美奈さんは何度も頷く。
「菜々美ちゃんを呼んできましょうか?」詩織さんが聞いた。
「お願いします」友里香さんは大きく頷いた。

作業をしていた菜々美ちゃんが、デザインルームへ不思議そうにやって来た。
「はい、何でしょうか?」
「菜々美ちゃん、私と一緒にマネージャーの仕事をしてみない?」
「えっ、私がですか?」
「あなたは素質があるわ、だから私の助手でマネージャーの仕事をしてみない?」
「良いんですか私で?」狐に摘まれた顔をしている。
「そしてサークル雅の皆んなもマネージメントして欲しいのよ」
「え〜……………やりたいですう」菜々美ちゃんは笑顔になった。

「決まりね、早速来週から出勤してね」友里香さんはニッコリ握手する。

「また更に忙しくなりそう」詩織さんは希美子さんを見た。
「そうね、でもチャンスだから頑張らなくちゃあ」希美子さんは頷く。
「私もデザインを頑張ります」美奈さんも頷いた。

俺と友里香さんはKKステージを後にした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?