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隠れ家の不良美少女 08 阿吽の呼吸

二人でちまきを食べていると、希和が唐突に質問をしてくる。
「友希さんどんなタイプの人が好きなんですか?」
「えっ……そうだな……知的で綺麗な人」
「ふーん」
「それに、気が合う人」
「気が合う人?」
どうも飲み込めてないようだ。

「じゃあ、つうと言ったら?」
「合言葉?えっと……スリー!」指を3本立てている。
「残念でした」
「正解は?」
「教えない」
「ええ……」少し口を尖らせると、急に立って新くんの所へ行く。
戻ってくると「かあ!だよ」嬉しそうに言った。

「じゃあ、阿と言ったら?」
「い!」
違う
「じゃあ、か!」
「残念でした」
また新くんの所へ行ってしまった。
戻ってくると「うん」だよ。
「意味は?」
また新くんの所へ行こうとした、俺は希和の手をつかんで阻止する。
「えっ……」希和は恥ずかしそうに下を向いた。
「新くんは今忙しいんだ、だからもう聞きに行くなよ」そう言うと。
頷いて座った。
恥ずかしそうに俺がつかんだ手の跡をさすっている。

食べ終わるとまた二人乗りでガレージハウスに戻ってきた。
「友希さん……」
「何だよ?」
「電話番号知りたい……」
「どうしようかなあ……」
「教えてくれなかったら私本当の不良になってやる」脅迫をしてきた。
「なんだその無茶苦茶な脅迫は」呆れてしまう。
しかし、また今日のような面倒が起こると困るので、仕方なく教えることにする。
「ほらよ」番号を表示させる。
「やった!」嬉しそうに記録すると早速かけてきた。
スマホがブルっと振動する。
「これで友希さんと繋がった」嬉しそうに言った。

「ねえ、私は友希さんの彼女でしょう?」
「(仮)だって言っただろう」
「(仮)だったらこの家の合鍵はくれないの?」
「当たり前だろう」
「じゃあ(仮)を外してよ」
「お前図々しいな、そんな奴は嫌いだ、絶対(仮)は外さない」
「意地悪……」
 
「もう夕方だから帰れ」
「嫌だ!」
「暗くなったら道路に鹿や猪が出てくる時があるんだ、危ないから明るいうちに帰れ」
「えっ…………心配してくれてるの?」
「ああ……」
「分かった、帰る、でも明日また来るね」
そう言って帰って行った。

「このままここに住み着かれると困るなあ……」
新くんから希和が近所で遊べない事情も聞いている。
「どうするかなあ…………」俺はある決心をした。

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