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最近聴いた読んだ観た(2024年4月)

アンデルセン「即興詩人」(口語訳 安野光雅

分厚い本ですが、1章ずつが短く、また言葉が読みやすく、時間をかけて最後まで読みとおすことが出来ました。
(スキャンしてタブレットに入れて読みました・・・分厚い本は重く、手が疲れるので・・・)
アンデルセンの自伝的な小説で、主人公はアントニオ少年。先生に非難されたダンテの『神曲』に出会い心の書とし、「詩人で、即興詩をもって生きてゆこう」と決めます。お世話してくれたボルゲーゼ公が詩人になることを好ましく思っていないのが、今もそうだなぁという感じで面白かった。

美しい歌姫アヌンツィアータとの出会い。そして気高く大人っぽい親友ベルナルドは、いつしか恋のライヴァルに・・・。

>愛されたのは友だった

とのことで、旅に出たアントニオ。
いろいろな出会いや、生命の危機のなかで、その精神は成長してゆきます。

この小説では、ローマやナポリの風景が、とてもあざやかに描写されています。アンデルセンはイタリア人ではないので、新鮮な目線で、絵のように風景を描く旅人目線があるのかもしれません。例えばシスティーナ礼拝堂でのカーニバル。カンパーニャの芦の葉のさえずり。石の彫像。曇天のナポリのブドウの樹。自分が一度だけ行ったことのあるそれらの街の匂いを懐かしく思い出します。
ユダヤ教徒はローマで自由に住むことが許されず、特別居留地区が設けられ、人の出入りを禁じていたという点もうかがい知れました。

最終的には・・・女は若さと美貌が大事なのか?とも思った本でした
(←いきなりなんだ💦)


◆最近きいた歌「
ミニー・リパートン/Perfect Angel」

もともと邦楽ばかり聴いていましたが、英語しばりで聴くようになって2年。やっと最近、ほんの少しだけ英語が聴けるようになり、だんだん洋楽が好きになりました。
「ラ~ビンニュ~」で有名なミニー・リパートン。ほかの曲も聴いてみました。ほんとうに可憐で可愛らしい歌声、歌の世界。声だけでなく、サウンド自体が丸くて優しいです。そういうMIXなのかな。
31歳で亡くなられているとは残念です。


◆最近みた映画「PLAN75」

U-Nextで観ました。75歳以上が自らの生死を選択できるPLAN75。しかも死を選ぶと10万円貰える制度。倍賞千恵子さんの迫真の演技。道路交通案内のお仕事姿が象徴的でした。
高齢者がメインの映画ってなかなかないので新鮮で、みなさん、登場するその方たちのひとりひとりの人生を感じさせる演技でした(10万円の使い道を楽しそうに話すシーンとか・・・)。
最後は希望と抵抗を感じさせるものでしたが・・・現実はもっとヒドイですよね、きっと。
国や都が終活・エンディングノートを推し進めており、その大事さはわかるものの、最近たしかにこういう傾向行き過ぎに思うこともあり・・・生まれ落ちた命はみな尊い、と、言い続けたいものです。


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