友人が酔って部屋で用を足した話

友達2人と浪人した高校の同級生のセンター受験冷やかしに行って、その後その内の1人(以下、A)の家に泊まった晩、事件は起きた。

この年頃の男の子が集まってすることといったら賭博か飲酒と相場は決まっている。
ただ、仲間達はギャンブルにいい印象を持っていないため(無論失敗に基づく)、流れるように居酒屋に転がり込み、鮮やかに飲酒をし、親の愛は無駄だったと断言できる程に飲酒を重ねた。

そして泥酔状態でAの家に到着。飲み盛りの男の子はまだ飲むよ。胃袋にコンビニで買った酒を追い潜影蛇手。

酔ったら寝る、はWHOに推奨されたのでそのようになった。

頭が痛くて寝れなかった俺は、暗い部屋で暇潰しにスマホでエロ漫画を眺めていた(違法にアップロードされた著作物を閲覧することは推奨されていません)。
すると突然、誰かが起きる音。
トイレでも行くのかな、と思ってたらゴミ箱に敷かれたビニール袋に水が叩きつけられる音が室内に響いた。
ゲロ吐いてんなー、と思ってそのままエロ漫画を眺めていると、あることに気づいた。

そう、違法にアップロードされた著作物を閲覧することは推奨されていないのである。
俺はエロ漫画のページを送る指を止め、スマホを置いた。正直に言うと吐瀉音で萎えただけだ。
目を閉じて、眠りに落ちようと試みる。
いくらゲロとて、水音は水音。リラクゼーション効果はあるだろう。

…何かがおかしい。
友達のゲロの音が聞こえ始めてから、俺が萎え、スマホを置き、目を閉じ、そしていざ眠らんと意識を落とし始める今まで、水音が耐えることなく聞こえてくる。

そういえばゲロにしては嗚咽が聞こえない。水の音も勢いよくドシャー!‪wではなく蛇口から出る水のようにチョロチョロと細く長く聞こえる。
なんだ?俺の友人は一体どんなゲロを垂らしているんだ?

暗闇に目を凝らすと、膝立ちでゴミ箱に向かって動かない友人Aがいた。
え、その体勢でゲロ?いよいよマーライオンそのものじゃねーか。

水音が途絶え、Aが横になり始めた。
奇妙な動作をした。ズボンを上げた?何をしているんだ。酔っている俺には何もわからない。
酔いを覚まそうとコーヒー牛乳を飲んだが、水分不足に拍車をかけることになるので良い子は真似しないでね。

ふと尿意を感じ、立ち上がる。
部屋は暗いが、照明をつけて起こしてしまっては申し訳ない。スマホのライトで視界を得た。
…さっきのは何だったんだろう。
ゴミ箱の中にスマホのライトを投げかけた。
全てを理解した。黄色がかった透明な水がゴミ箱に入っていた。

友人は酔ってゴミ箱で用を足した。

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