【薬剤師に相談】アトルバスタチンとベルタプレリズムの併用は大丈夫ですか?

【ご相談内容】

主人が脂質異常症(高コレステロール)のため、アトルバスタチンを服用しています。妊活予定のため、ベルタプレリズムを服用していいかご確認お願いいたします。

■使用予定のサプリ:ベルタプレリズム
■服用予定のお薬:アトルバスタチン

【回答内容】

ベルタプレリズムとお薬の併用に関しては薬学的に問題ございませんのでご安心ください。

~お薬解説~

■アトルバスタチンの概要
アトルバスタチン(商品名:リピトール)とは、肝臓でコレステロールが合成するのを阻害して、血液中のコレステロールを低下させる薬です。

▼コレステロールに関して▼
コレステロールに対して悪いイメージを持つ方もいらっしゃいますが、実は人間の体にはなくてはならない存在です。コレステロールとは脂質の一種で、主に細胞膜やホルモン、胆汁酸などを作り出す材料になります。そのため、コレステロールが不足すると、細菌に感染しやすくなったり、細胞膜や血管が弱くなったりします。

しかしながら、現代の食生活ではコレステロールが不足することはないと考えられています。一方、コレステロールの増加は血管損傷を引き起こし、動脈が硬くなる 「動脈硬化」進行の原因となります。動脈硬化は血管の狭窄や閉塞にも繋がる為、心臓の負担が上がる可能性があります。その結果、脳梗塞や心筋梗塞といった病気につながり、時に命に関わる恐れもあるため注意が必要です。

■適応
・高コレステロール血症
・家族性高コレステロール血症

■リピトールが使用できない人
・急性肝炎、慢性肝炎の急性増悪、肝硬変、肝がん、黄疸があるなど、肝代謝能が低下している可能性がある人
・妊婦または妊娠の可能性がある人
・授乳中の人
・グレカプレビル・ピブレンタスビルを投与中の人
※グレカプレビル・ピブレンタスビル:C型肝炎ウイルス治療薬

■リピトール使用中に控えて欲しい食品
・グレープフルーツ
※グレープフルーツを食べたり、グレープフルーツジュースを飲むことで、リピトールの血中濃度が高くなる可能性があります。これはグレープフルーツの成分が薬の分解を阻害することがあげられます。薬局の初回問診でグレープフルーツジュースの記載があるのは、この点を気を付ける必要があるからです。

■リピトール使用中に気を付けたい副作用
・横紋筋融解症
「横紋筋融解症」という言葉を聞いたことはありますか?横紋筋とは、心臓を動かす「心筋」と体を動かす「骨格筋」を指します。横紋筋融解症は、特に骨格筋に見られ、骨格筋を構成する筋細胞が融解・壊死することで、筋肉痛や脱力を生じる病態です。

そのまま放っておくと、起き上がることや歩行が困難になり、腎不全などを合併し、回復に長期間を要することがあります。また尿がワインレッド色の「ミオグロビン尿」になります。

その為、コレステロール系のお薬をお飲みのお客様の中には薬局の薬剤師より、筋肉痛やワインレッド色の尿が出たらすぐに服用を中断し、受診をするようにと指示を受けられた方がいらっしゃるかもしれません。僕自身も薬局で勤務していた際に横紋筋融解症の症状を訴える患者様にお会いしたことがあります。その為、直ぐに医師へ疑義紹介を実施し、結果として薬の中断になった方がいらっしゃいました。

横紋筋融解症の頻度はそこまでは高くないですが、もし起きた場合は適切な対応が大切になってきますので、もし気になる点があれば医師若しくは薬剤師に早急に相談するようにして下さい。放置しますと起き上がることや歩行が困難になり、腎不全などを合併し、回復に長期間要することがあります。

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