新潟モグラ駅めぐり③ 大池いこいの森駅・くびき駅・虫川大杉駅
新潟モグラ駅めぐりの3本目の記事です……といいつつ、今回もモグラ駅には訪問しません。
北越急行ほくほく線には「モグラ駅」美佐島駅以外にも変わった駅や秘境駅が多数あるため、今回はそちらの訪問の記録です。
最初の記事と前回の記事はこちら。
大池いこいの森駅~くびき駅
青海川駅を去り、JR信越本線で犀潟駅まで戻って北越急行ほくほく線に乗り換えます。
訪問予定のあるくびき駅を通り過ぎ、大池いこいの森駅にて下車。
降りた瞬間、若い稲穂の匂いとセミの声にあぜ道特有の湿気が合わさって、地元(鳥取の山奥)の盆暮れを思い出しました。
駅舎はとてもきれいです。
駅ができて20年ほどしか経っていないこともありますが、お金もしっかりかけられているのを感じました。
かつて北陸新幹線ができる前の時代は、首都圏-北陸間の大動脈の一部をこの路線が担っていたそうです。
もちろん、地元の方によって丁寧に管理されているのも大きいでしょう。
秘境駅ランキング150位だけあって周辺に人家は見当たりません。
しかし、駅前のロータリーに何台か車が停まっていたり、きれいに整備された田んぼがあったり、「大池いこいの森」公園の案内板があったりと、現在進行系の人の営みを感じることができます。
以前訪問した飯田線の秘境駅群とはさすがに比較になるレベルではありませんでした。
ここから1駅隣のくびき駅まで、「大池いこいの森」公園内を歩きます。
公園内は自然保護区のようになっているようで、セミがせわしなく鳴いていました。
そしてこれが公園の名前にもなっている大池です。
雨上がりの蒸し暑い中で誰もいない公園内を歩いてヘトヘトになっていましたが、思わず息を呑む美しさ。
カナディアンロッキーの湖を見ているようです。
絶景に息を飲んだあとは近くの「大池いこいの森ビジターセンター」で休憩しようと思っていたのですが、ここはなんとおやすみ。
道理で人の気配が全くしなかったわけですね。
結局、大池いこいの森から出るまで、人に会うことは全くありませんでした。
まあ、小和田駅を経験していて直前に筒石駅に行ったりしているので、明るくて人の手が入った場所というだけで安心するわけですが。。。
ただ、心細さはなくとも暑さで体力はもう限界。
そんな中見つけた、このローソンのありがたいこと。
朝からスポーツドリンクをもう3本ほど消費していたため、ここでは三ツ矢サイダーを購入しました。シュワシュワと糖分がほしかったのです。
ローソンを出たら、あとはまっすぐ歩くだけです。
あと少しだと思いきや、歩道がロクになく車通りの多めのアスファルトの道を20分も歩くことに……
途中で大村崑のオロナミンCのホーロー看板を見つけて「おっ」と思ったりもしたものの、やはり暑さには勝てませんでした。
フラフラになりながら目的地に到達すると、目の前に「それ」が現れました。
くびき駅に到着です。
建築家の「毛綱毅曠」氏が設計したそうで、モチーフはおそらく宇宙船でしょう。
田んぼの中に突然現れるものだから、本当に宇宙人が降りてきたかのようです。
けど、どうも星のカービィ64のラスボス(ゼロツー)に見えて仕方がないんですよね。
それから、このゲームをプレイしていたのと同時期に教科書で読んだお話を思い出しました。星新一の「おみやげ」です。
それこそ、この銀の玉から万病の薬でも出てくればコロナ禍なんて一瞬で収まるんですけどね。
反対側からみると異物感は収まりますが、目を引く建物にはなっています。
中から見ると目玉の部分は赤くなっています。こちらは一体何をイメージしたんでしょうか。
駅間歩きに時間がかかりすぎてギリギリで駅に駆け込んだためあまり時間がありませんでしたが、駅ノートを見つけたので簡単に記入し、電車に乗り込みました。
次は、虫川大杉駅を目指します。
虫川大杉駅
くびき駅から3駅、虫川大杉駅へ到着です。
虫川大杉とは、駅近くの白山神社にある樹齢1000年超の大木のことです。
駅名に合わせて杉で作られた駅舎が素敵です。
誰もいないことを確認してマスクを外すと杉の香りがしました。
さて、この駅にやってきたからには、件の杉を目指さなくてはなりません。
小雨の降るなか駅を出て、舗装されたあぜ道を歩いていきます。
ここも全く秘境駅ではなく、周辺には人家がいくつかありました。
神社に向かう途中、中学生くらいの女の子が何人か連れ立って自転車で走り去っていったので、お年寄りばかりの地域というわけでもなさそう。
ただ、景色が田んぼ一色で全然変わらないので、歩くだけの数分がとても長く感じました。
神社に到着してお参りを済ませ、大杉を眺めました。樹齢は千年以上、国の天然記念物です。
この近くには南北朝の動乱の際に使われた山城があるそうですが、その頃にはもう大杉だったのでしょうね。
虫川大杉駅の滞在時間は短めなので、すぐ駅に戻ります。
杉の香りのする駅舎で雨だれの音を聴くだけの時間を5分ほど過ごした後、ホームにやってきた電車に乗って旅立ちました。
次は今回の旅で2番目のモグラ駅、美佐島駅に向かいます。
(つづく)
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