森の踏切(北の特急列車 #1)
キハ183系 大胆な造形で登場した初期型に比べて、おとなしい顔つきの500番台は従来の国鉄色とは違うカラーで「新時代」の象徴と思える車両だった。
ただ、新しいデザインは当時の私の志向とは離れていて、興味の対象外だった。豪快な乗り心地は楽しかったが、全く撮ってはいないということになる。さらに青く塗られてからは完全に意識の外に沈んでいた。
久しぶりに通い始めた北海道で、偶然オリジナルカラーの183系に出会った。「懐かしい」という感情ではなく、新鮮な印象だったのは意外だった。夢中になるほどではないけれど、丁寧に撮影してみよう。
雨、新緑の森に未舗装の道、泥水の水たまり。シンプルな警報機のみの踏切も内地では見かけなくなった。昔の記憶と変わらないシーンに、昔の姿の特急列車がゆっくりフレームインしてきた。
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