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非営利活動の形

前回に続いて、先日の事務局ミーティングの話題より、この活動の形についてお話したいと思います。

みなさんは、自分がやりたいと思ったことをやっていますか?

何を突然と思われるかもしれませんが、世の中の多くの活動や組織は、最初に誰かが「これをやりたい」と思ったことから始まっているものが多いと思います。例えば、多くの人が企業にお勤めかと思います。その会社に就職したきっかけは、生活するお金を稼ぐために、自分が比較的得意な分野からたまたま採用されたところに入ったということかもしれませんが、その会社も最初の創業者は何らかの志をもって活動を作られたはずです。現代では「仕事」とは既に社会にある選択肢から選んで労力を提供して対価を得ることを連想する人が多いかもしれませんが、本来は自ら好きなこと、得意なこと、やりたいことで社会や他者に対して貢献するということが仕事の根本ではないかと思います。その意味では非営利のボランタリーな活動の方が仕事らしいと言えるかもしれません。

しかし、一人で「これをやるぞ!」と思い立っても、それを実現することがなかなか難しいことは多いですよね。例えば、まとまったお金が必要であるとか、人手や知恵が必要であるとか、そこから生まれる価値を受け取ってくれる人に到達するまでが難しいなどです。そのために、先人たちは株式会社や社団法人、広告、クラウドファンディングといった仕組みを生み出してきました。そういった仕組みをうまく活用することにより、私たちは自らのやりたいことを実現しやすくなりました。

私たちの活動「青少年体験活動アワード」は、2012年に文部科学省の試行事業「青少年体験活動奨励制度」として始まりました。子どもたちが育つ過程で重要な、体験というものを奨励していこうという趣旨です。その後、文部科学省はこのプロジェクトを2017年度で終了してしまいましたが、それまで文部科学省から実施を委託されていた一般社団法人教育支援人材認証協会でこの事業に関わっていた有志が、この活動をボランタリーに継続しています。2019年には、新しく発足した一般社団法人東京学芸大Explayground推進機構の活動趣旨にも重なることから、この法人のラボ活動の一つと位置づけておりますが、少数の有志によるボランタリーな活動であることは変わりません。

この体制とやり方で 100名くらいの参加者の方々の体験活動をサポートすることができることは、この2年間の経験で分かってきました。私たちとしてはもっと多くの人が参加でき、さらに質の高い体験につながるサポートにしていきたいという気持ちもありますが、それには現在の体制とやり方では難しいと感じています。普通に考えれば、スタッフを増やす、手引やパンフレットなどを充実させる、立派なホームページを作る、といったことのためにお金が必要、ということになってしまいます。

これまでの事務局ミーティングでも度々このことが話に上がり、「まずはこの活動を独立した法人(一般社団法人)にし、企業などからの協賛を募っていこう」という提案も出ています。しかし、たとえ社会的に意義のある活動であっても、それを継続的に支援してくれるお金の出し手を見つけるのは容易ではありません。むしろ、単にお金を集めて拡大するのではなく、この活動の本質を磨き上げる新しいやり方を考え、その上で適したリソースの集め方を考えるべきなのかもしれません。はじめにお話した通り、まずは進みたい方向性を確認し、それを実現するための手段を選択するということです。

ということで、事務局メンバーでじっくり時間を取って考える機会を近々作ることになりました。実施しましたらまたお知らせします。

(フジムー)

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