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社長の決断...コロナ禍の中で

第一期から共催をさせていただいているワタミ創業者の渡邉さんの経営塾「美樹塾:渡邊美樹実践経営塾(公益財団法人みんなの夢をかなえる会主催)」も五年目を迎えました。

この間に予想外のコロナ禍も発生し文字通り現在進行形の「社長の決断」を学べる貴重な勉強会となっています。

◯ 無理を承知で...

昨日コロナで延期されていた今期の第一回経営塾の第三講が開催され、その中で塾生から...
「現状あり得ない選択を覚悟を持ってしたというお話がありましたが、それを社員に説明すると圧倒的に反対されると思いますがどのように理解してもらい協力してもらったのですか?」という質問がありました。

これに対して渡邉さんから...
「トップの考えていることはいくら説明しても社員には理解されない。でもこの人が言うのだからやってみようと社員が思ってくれるような関係性の構築が大切」との回答がありました。

まさにその通り...社長の能力とはある意味で
「無理を承知で社員に頼めるか」にかかっています。
そしてそれが受け入れられる社風創りにかかっているのだと思います。

◯ 社長の孤独...

社長の神様と言われた経営コンサルタント一倉定の言葉に次のようなものがあります。

  『企業内に良好な人間関係が維持されているということは
              革新が行われていない実証である』

企業は外部環境の変化に合わせて常に自らを変えてゆかなければ生き残れない。これを行う時には必ずと言ってよいほど内部の抵抗があり摩擦が発生するのだ。摩擦がないような内部の変更は革新ではない。優れた革新ほど批判や摩擦が多く人々を苦しませるものなのだ。

社長の決断はすべて外部への対応であり未来に向けた決断です。
社員の知らない世界のことなのです。
ですから重要な決断ほど社員に意見を求める訳にはいかず、社長ただ一人がすべての責任を負って決断をしなければならないのです。
それが「社長の孤独」なのです。

組織の中に昨今の「フラットな職場」「360度評価」「友人のような関係性」などという耳触りだけが良い雰囲気が蔓延してしまったぬるい職場では、この社長の孤独が理解されにくいとの話をよく聞きます。

◯ 社長の勇気...

最近感じます...事業は「やり方」の上手い下手だけでは決定的な会社の運命まで決まりません。決断により運命が決まるのです。

その決断をたった独りで行うのが社長の役割なのです。
そして社長のした「決断」を現実に「実行」に移すのが社員の役割なのだと思います。

外部環境が順調な時は社員のアイデアや発想に任せるのも良いのかもしれません。
しかし、外部環境の激変や悪化に対応し身を切るような決断をするためには「自社の原点である理念」に立ち戻り「長期的、多面的」な視点から「経済的な危険を伴う」大胆な意思決定を「社長が独りで」行う必要があります。

その決断が革新的であればあるほど危険も増大します。
危険を伴わない決断など企業の将来にとってはたいした影響のない次元の低い決断なのです。

大きな危険と社内の大きな抵抗や批判に尻込みせず社員と会社の未来のために戦う社長の勇気...それを与えてくれるのは
自社と自分の壮大な「使命観」であり「理念」なのかもしれません。

社長!コロナ禍に負けず真の決断と革新を目指して共に戦いましょう。

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