JRAアニバーサリーS

中京ダート1800mという欠陥コースで行われる。このコースは外枠がとにかく不利。
東海Sのメモを持ってくる。

"東海ステークスは中京ダート1800mで行われるレースで中京ダート1800mのフルゲートといえば、どんな有力馬が入ろうと大外枠はコース的欠陥なので割引が必要。東海S自体過去8年の結果を見ると、8枠の成績は1-1-1-13と普通の成績。だが紐解いてみると、
2021 15頭 3着メモリーコウ(8枠15番)
2015 14頭 2着グランドシチー(8枠13番)
2013 16頭 1着グレープブランデー(8枠15番)
チャンピオンズカップでは絶望枠だけど意外と大外枠でも頑張っている馬はいた。とは言ってもグランドシチーの時は14頭なのでフルゲートではない。
もちろんチャンピオンズカップとはペースが違うからという話はあるかもしれないし、去年は不良馬場。実質まともな馬場で走って1着になったのはグレープブランデーだけか。"

データは増えるもので今年の東海Sは大外枠にサンライズホープが入り、外枠から脚を使って好位の外を走ったが、最後には勢いが鈍り、差されて4着。
中京ダート1800mは最初のコーナーまでの直線が短く、大外枠から先手を主張するとかなり脚を使う。その結果、最後はスタミナが切れて内で脚を温存した馬に抜かされる。逆に大外枠から馬なりに出た場合、ポジションが取りにくい。結果後方になり、4コーナーで置いていかれることになる。向正面で捲ることもできるが、それもやはり脚を使うし、リズムが変わってしまう。
結果、大外枠から好走した馬は少ない。ただこの大外枠というのは語弊があって、正確には東海Sのメモに書いてあったように"フルゲート"の大外枠。東海S3着のメモリーコウは立ち回りが上手く、外から内に入り、ポジションを取れた。これはグレープブランデーも同様。
チャンピオンズカップだと去年は後に帝王賞1着のメイショウハリオ、フェブラリーS1着のカフェファラオ共に飛んでいるし、一昨年はクリソベリルが大外枠から飛んだ。もちろん外枠以外の敗因もあると思われるが。遡ると2011年のトランセンドが大外枠から勝っているが、これは阪神開催という罠。
結果、チャンピオンズカップにおいては一頭たりとて大外枠から馬券になった馬はいない。
そしてJRAアニバーサリーSに置き換えた場合、過去2年でもやはり大外枠の馬は好走していない。一昨年はメイショウソテツが大外枠で2番人気だったが、9馬身差のしんがり負け。折り合いが悪かったのもあるが、そもそも最初のコーナーを回る前にポジションを取りに行ってしまったのも大きな敗因。去年のギャラクシーソウルや7枠14番だがショウナンナデシコも終始外を回されて届かなかった。

もう少しペースの遅い3勝クラスやオープン戦ならここまで大外不利とはならないだろう。実際過去の3勝クラスからオープンクラスでフルゲートで大外枠から馬券になった馬は何頭かいる。

'22三宮Sは馬券にはならなかったがベルダーイメルが大外枠から好位に立って馬群に入り、4着。その後オープン入り。

'22三河Sでは不良馬場の中、クリノドラゴンが大外枠から躓いて出遅れ。最後方を追走して直線で一気に差して3着。上がりはもちろん最速で上がり2位とは0.4秒差の強烈な末脚。ハイペースで差しが優勢なのも展開が向いた。その後3勝クラスを勝って無事オープン入り。

'22名古屋城Sではメイショウドヒョウが番手から内をロスなく回って2着。ちなみにメイショウドヒョウは'21遠州灘Sでも14番から2着になっており、コース適性が高い。

'19名古屋城Sはブライトンロックが大外枠から3着。もちろん上がりは1位で力があった。その後3勝クラスは抜けられなかったがちょいちょい穴を開けている。

'19ラインルーフが名鉄杯でついに大外枠で1着。押して2番手を確保し、ぐんぐん伸びて8馬身差の圧勝だった。ラインルーフはその後だーと2100mのブラジルCを勝っており、スタミナが豊富だった様子。

というわけで過去5年の3勝クラス〜オープン、リステッドで中京ダート1800mで大外枠から好走したのはこの5頭のみ。重賞は冒頭に見ているので除外した。15頭以上出走のレースは17レースあり、そのうちで馬券になったのはたった4頭で頭になったのは1頭だけ。

ちなみに暇だったのでついでに調べると、過去5年で3勝クラス以上のレースで、かつ15頭以上出走しているレースの枠による成績の違いは以下のようになっている。

誰がどう見ても8枠はかなり成績が悪い。ついで4枠、1枠と続くがこれは4枠の成績が悪いのはいまいち説明しにくい。一方で1枠の成績が悪い理由については、最初のコーナーまでの距離が短く、先手の欲しい馬がどっと前に押し寄せるために被されやすい枠となるためと推測できる。また、6枠の成績が異常に良いが、これは多少人気の偏りもあるとは思われるが、内を見ながらレースができるのと比較的ポジションを取りやすい枠なのでは?と思われる。はっきりとはわからないけど。

というわけで大外枠不利で考え、穴馬が2~3枠および6枠に入ったら狙いたい。

前置きが長くなったが、以下から出走馬の評価をしていく。

ウェルカムニュース
3歳馬で斤量が53kgと大幅に有利な条件。ぜひ大外枠に入ってほしい。前走は瀬波温泉特別で新潟ダート1800m1着。今回は昇級緒戦で3勝クラスとなる。外枠から位置を取りに行く競馬をして、二番手を追走し、最後は突き抜けて2.5馬身差の勝利。半年の休み明けで上積みも見込めるし、単純にここは上位の評価になりやすい。昇級して通じるかどうか。2走前はヒヤシンスSでこちらも重馬場の54kg。芝スタートの方が行き脚が悪くなり、道中は掛かり気味に。結果8着で芝スタートは合わない様子。左回りも問題ないが、少しムラっぽいところのある馬らしく、不安要素も残る。とはいえ、53kgは魅力的で鞍上も川田。さすがに軽視はできない。

エンダウメント
3勝クラスは0-0-3-11。前走は東京ダート2100mで12着もスタート直後に不利で出遅れがあった。ハンデも55kgから54kgに減るし、立て直してどのくらいか。2走前は脚部不安明けのレースで10か月ぶりだったが、8着。今回も休み明けで割引は必要そうだが、前走のように追い切りで後れを取っているわけではなさそうなので一応状態としては上がってきていそう。3走前は松風月Sで中京1800mを走っているが、7着。発馬のある馬だが、2勝は重馬場でのレースで、月曜日の馬場は多分合う。台風が来ていて重馬場にはなっていそう。この時は中間にトモをひねっており、状態もどうかといったところ。ちないに追い切りではマスターフェンサーに先着したこともあり、力は秘めていそう。4走前は阪神2000mで良馬場だが、出遅れて4コーナーからいい脚を使って追い込むも6着まで。脚質が基本的に追込みになるので展開に左右される馬で、頭までは厳しいとは思うが、ここ3走は脚部不安明けやら不利やらトモを捻ったやらがあり、敗因は明らか。ポジションが大事な中京ダート1800mでは後方すぎると届かない可能性はある。一方で6走前の雅Sでは中京1800mで3着というように3着には届くことがある。押さえには入れておいても良さそうな馬。

カネコメノボル
3走前に2勝クラスを勝ち上がり、3勝クラスは3戦目。上がりのかかる持久戦が得意な馬で重馬場はあまり歓迎ではない。ダート馬にしては軽い馬なので斤量が重いレースよりは軽いレースの方が良い。前走はハンデ戦で55kgだったが、4コーナー11番手で上がり3位の足を使い、7着。もっと上がりを要する方が良い。末脚にかける馬なので必然とポジションは後ろになるが、インをつくこともできるので展開次第。2走前は昇級戦で阪神2000mだったが、稍重の馬場で上がり3位の脚を使い、7着。3走前も同じ部隊で道中はマイペースに追走し、4コーナー手前からポジションを上げて上がり1位で鮮やかに差し切り。やはり良馬場が良さそうで、重馬場想定の今週末は上がりが速すぎてついて行けなさそう。また新馬や古馬1勝クラスの馬に追い切りで遅れているのも割引。

クリノホノオ
3勝クラスは2戦し、9着、10着。どちらも重馬場で直線は伸びず。特に見せ場もなかった。2走前は10ヶ月の骨折明けのレースで+18kgと太く、参考外のレース。それ以前のレースだと地方で連勝して中央に再入厩し、2勝クラスを一度も掲示板で外すことなく突破。惜しい内容の競馬が続いた中で着差もそんなになかったが、展開がなかなか合わずに2勝クラスは1-2-3-2だった。負けた相手もエブリワンブラックやドスハーツ、ヴェルテックスとオープンクラスにまで行った馬も多い。上がりの脚は確実に使ってくるし、レコード決着でも3着と好走。2勝クラスもスタートをうまく出たことでリズム良く運べて終始手応えよく進み、3馬身差の完勝。舞台も中京1800mで今回と同じ。斤量も55kgだし、あとは復調すれば。確実に脚を使えれば勝負にはなる。

シダー
正直中京ダートで聖奈ちゃんは買いたくないが、50kgはチート。聖奈ちゃんは中京ダートでも外を回す競馬をかなりしており、届かないレースが多かった。軽斤量云々の前にポジションが良くない。前走はレパードSで9着から8馬身差の10着。あまり揉まれたくない馬でポジションも取りにくく、4コーナーはごちゃつきに巻き込まれたのもあり、負けは仕方ないという感じ。

以下はレパードSのメモ。
"新馬戦は勝ったが時計は平凡で目立たず。その後しばらく1勝クラスを勝つことができず、そのまま終わったかと思いきや、休養明けの2走前に突如1着で大穴を開けた。斤量が49kgというのも味方したと思われるが、出負けして押して押してという形で外を回し、向正面からスピードに乗り、最後の直線は左手前のままで伸びてくるが、右手前に戻して一気に突き抜けて1着。斤量やブリンカー以外にも何かありそう。次走も牝馬限定で52kgだったが逃げ切りのV。2走前は出負けして差す形だったのが前走は逃げ切り。ペースが流れても遊びながら走り、最後は来られた分だけ伸びる。2走前から変わり始めてる。定量に戻る&混合戦ということで人気も落とすだろうが、怖い一頭。前走の勝ち方にはまだ余裕があった。"

50kgは怖いが、揉まれ弱さから内枠に入れば軽視だし、外を回しても厳しいコース。自分の形に持ち込むのが大事なのでできれば先手を主張したい。逃げられた場合はそのまま逃げ切る可能性もある。ただ追い切りは1勝クラスの馬に遅れているし、調整も緩め。ここは叩きで次走か。

セイクリッドゲイズ
エピファネイア産駒のダート馬は基本買いたくない。ただし2走前は超ハイレベルのレースで8ヶ月の休養明け。深管不安明けのレースだった。深管とはなんぞやというとこだが、ここは一旦置いとく。ひさびさの影響もあり、最後は息切れして10着。叩き2戦目の前走は6着で反応も微妙だったが、着順は上げてきたし、3戦目の今回はどのくらい上積みがあるか。中京ダートで1勝クラスを勝っており、この時の馬場は稍重。ハイレベルの3走前も重馬場で高速ダートなら走る。月曜日は台風の影響で重馬場だろうし、ここは普通に走ってきそう。エピファネイア産駒だけども。

テイエムマグマ
3勝クラスは3戦して5着、2着、7着。3走前は砂を被らない番手追走で直線は粘り粘っての5着。昇級戦で早い時計決着に対応できたのは大きいし、このクラスは通じる。ただ3走前の1900mは少し長いかもしれない。2走前は不良ダートの1800mで最内枠。それでもスタートをしっかりと出て揉まれることなく運べたため、好走につながった結果の2着。中京は得意で今回も期待できる。1着のスレイマンは3馬身差で昇級戦の三宮Sも1番人気に支持されて5着。相手が強かった。前走は東京マイルで夏至Sだったが、14kg減で最後の1ハロンで失速して7着。ベストは1800mだろうし、芝スタートもどうかといったところ。中京ダート1800mは3勝しているし、ここは走れる条件。馬体重は増やしたい。

ナリノモンターニュ
ここにきて初ダート。流石にここでいきなりとはいかなさそうできたら諦める。芝でも成績は良くない。ただ母親は優秀で重賞馬を2頭出しているし、半兄のオメガスカイツリーはどーとでも走っていた。3勝クラスで引退しているが。

ナンヨープランタン
3勝クラスは0-1-1-8。前走は去年の12月の御影Sで7着。阪神ダート1400mで時計が速すぎたし、末脚も使えなかった。2走前も阪神1400mで3着。後方でじっくりと構えて末脚を発揮して3着。1800mはやや長く、勝っているレースも1600mまで。長い上に休み明けとなる今回は流石に積極的には狙えない。

ビジン
50kgの牝馬。目下2連勝中で2走前は前半で砂をかぶる形になり、気の悪さを出したが、それでも1着。能力は高そうだが、気性の悪さはある。前走は砂被りを避けて好位の外を回し、直線は抜け出して勝利。勝ち方は綺麗だが、頭数が増えてペースも速くなり、枠次第では揉まれるので堅いとは言えない。ただ先行力はあるので内枠でも積極的にポジションを取れれば。割り引くところも多いが、人気しそうな一頭。

フォルテデイマルミ
3走前に2勝クラスを抜けて3勝クラスは2戦して6, 7着。まだダートは6戦しか走っておらず、1秒以上負けたことはない。弟にセリフォスがいる良血馬だがオルフェ産駒らしく、ムラがある。前走は梅田Sで7着。行き足がつかずに馬群の後方になり、14番手からジリジリと伸びるも7着まで。とは言え上がり3Fは3位だし、脚は使っている。2走前も行き足がつかず、馬群の後方からになり、上がり1位の脚を使うも馬券には入らず。今回はダートに変わって初めて重馬場になりそうで、これまでよりも速い末脚を使ってきそうで要警戒。産駒的にも重馬場ダートの方が走りそうで斤量54kgも有利。

フラーレン
弟は今年のダービー馬のドウデュース。基礎能力は高いとみても良さそう。2勝クラスは1-3-2-2とやや足踏みしていたが、掲示板を外したのは1回だけでかなり安定していた。その掲示板外のレースは8着で不良馬場でアオって出遅れた上に時計も早すぎた。その次走も稍重で時計が速く、3着。乾いたダートで時計のかかる馬場の方が向いており、ドウデュースとは少々異なるタイプ。2走前に重馬場で矢作川特別に出て1着で、この時は上がり2位の脚を使っていた。中京コースは比較的得意で2-2-1-0と馬券外になったことはない。速い脚がないので前目で粘る競馬をするタイプになるが、今回も中京なので要注意。馬場は若干気になるが。前走は昇級戦で牝馬限定4着と好走した。右回りな上に福島の小回りと適性からはかけ離れていてもそれだけのポテンシャルを発揮できるなら十分だろうと思う。着差もアタマ→クビ→ハナ差で勝ち馬とタイム差はなし。今回は得意の中京に変わり、斤量は53kgと買い材料が揃っている。また能力を測りにくい3歳勢が軽斤量をもらって過剰人気になりがちなのでオッズ的にも美味しい一頭。いい枠に入って前目で競馬できれば。

メイショウミカワ
3勝クラスは2戦して5,12着。前走はスタート後に前に出るももっと速い馬に被されてリズムが狂って終わる。ちなみにこの時被せてきたのはメイショウラビエで同じ馬主。いいのか潰し合うようなことして。しかも前走は初のマイルというのもあり、そもそもペースが合わなかった可能性すらある。2走前は三河Sで中京ダート1800m5着。昇級戦だったし、不良馬場で時計も速かったが、対応して5着ならクラスは抜けられると思われる。ミッキーアイル産駒故に休み明けは走りそうだし、重馬場の高速決着も歓迎。フラーレンより斤量重いのは謎だが、十分にチャンスはある。

ラインハイト
初ダートになるが、重馬場だと対応してくる可能性はある。ただし、芝では3勝クラスで通用していなかった。キレる脚が使えないのでダートに来たかもしれないが、まぁここは流石にかいたくない。

ロッキーサンダー
ダンカーク産駒で高速ダートは得意。3勝クラスもここ6走は掲示板から外れていないし、成績も0-0-3-5。しかも超ハイレベルのレースで3着な上に標準馬場で0.5秒速い決着。どのレースでも比較的速い上がりを使うし、このクラスは抜けられる。ただいつもワンパンチ足りない競馬で展開の恩恵が必要。また阪神中心でひさびさの中京の左回りでどうかといったところや叩き良化型で休み明けがどうかといった点は気になる。また基本的に射しに回るため、外を回す競馬が多く、中京では不利かもしれない。押さえには回すが、この舞台で頭まではどうか。

ワンダーエカルテ
去年のJRAアニバーサリーSで3着だが、それ以外のレースは全て1秒以上の負け。昇級戦は右回りで稍重の馬場だったが、14着。2戦目が去年の当レースでどうやら左回りがいいらしい。6枠発走で14番手の2コーナーから捲り上げて3コーナーでは2番手追走。そこから脚が衰えることなく押して3着に残った。切れる脚はないが長くいい脚を使うタイプ。向正面でペースの落ちる展開が理想でそういう点では中京ダート1800mは合っている。最初のコーナーで脚を使って逃げた馬が一旦息を入れるためにコーナーを曲がってからペースを落とし、3〜4コーナーから再びペースアップする。そう考えるとワンダーエカルテの好走パターンに合致する。中京は去年の3着以外に2回走っているがどちらも1900mで最初のコーナーまでの距離が長い。得意コースで斤量52kgならチャンスはあるかも。去年は定量戦で55kgを背負って3着。左回りの瀬波温泉特別ではフラーレンに先着しているし、能力自体は悪くなさそう。最低人気でも抑える価値はあり。

というわけで印は枠にもかなり左右されるが、
◎テイエムマグマ
○フラーレン
▲フォルテデイマルミ
☆メイショウミカワ
△ウェルカムニュース、エンダウメント、クリノホノオ、セイクリッドゲイズ、ビジン
大穴ワンダーエカルテ

押さえる:6枠の馬
大幅割引(ほぼ消し):8枠の馬

という感じで行きましょう。


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