中京記念

今年の中京記念は小倉1800mで開催。ちなみに2022年、2021年も小倉開催だったが、2022年は芝の状態もよくベレヌスの逃げ切り勝ち。ただし、2着はカテドラルで後方から突っ込んできた。2021年は開催日程が少し異なり、開催6日目。参考にすべきは2022年だろう。

2022年の中京記念のイントロは以下。
”中京記念は変則開催の関係もあって今年も小倉開催。去年も小倉最終週の開催ではあったが、2021年は小倉開催6日目であり、今年は開催8日目となり、馬場の荒れ具合は去年よりも上だと思われる。また、小倉最終週となれば外差し馬場になるだろうし、雨の影響で内馬場はさらに悪化。となるとやはり狙うべきは外差し。とはいえ、ジョッキーも外を回し始めるだろうし、結果的に外すぎる外差しは届かずと言う展開も予想できる。逃げ馬はもちろん厳しい展開になるとは思うので、ベレヌスは軽視かな。九州で降り続いている雨も週末には止んで日曜日の馬場はまだ読めず。とはいえ、雨の影響は少なからずあるので重い馬場予想で。”

まあ思いっきりベレヌスを軽視して外れた。ただこの年はスローペースで楽逃げしてハナを切ることができたことが大きな勝因。標準馬場より1秒速い時計が出る中で標準時計より0.5秒速い決着なのでトータルで見ると通常よりも0.5秒遅い決着となり、素直に考えるとスローペース。2022年はスタート直後に加速してから坂を通る400~600mの地点で12.3秒まで一気に減速してそこから残り400mまで徐々に加速していくというラップ構成になっているのに対して、2021年は同様のスタートでも400m地点で12.1秒から徐々にスピードアップしていく構成は似ているが、最後までほぼラップが緩んでおらず、2021年の方が前がつらい展開であったことがわかる。ベレヌスは淡々と自分のペースで逃げられたのもよかったと思う。また前残りを演出した一つの原因は4コーナー地点で2馬身のリードがあったというのもある。要はスローペースで楽逃げしたので、2番手以下は予想以上に前を放置していたということになる。実際ベレヌスは最後の1ハロンでは一気に減速しているのでこの2馬身のチャージがなかったら沈んでいたと思う。コース形態を考えても残り1200mからは下りと平坦という形態になっているので基本的には加速していくと最後は前がつぶれやすい。ベレヌスに関してはその後障害で走っているように、折り合い面は比較的優秀だったのもあり、ラップをうまく刻めたと思う。
さて、今回は逃げ馬にテーオーシリウス、セルバーグ、アナゴサンがおり、特にセルバーグは折り合いの悪い馬筆頭。先行馬もセオ、ソレイユヴィータ、ワールドリバイバルと逃げ先行馬が6頭になり、前は結構早くなる。懸念点とすれば、ここ最近妙に多い、逃げ馬を一頭だけ行かせて2番手以下はスローペースの前残りという展開。先週の函館記念もそういう結果でこの展開だけは勘弁してほしい。

というわけでもう明日には枠が出るが予想していく。

アスクワイルドモア
前走はダートを使ったが、適性はゼロに等しい16.4秒差というなかなか見たことのない数字の敗北。そもそも脚部不安で1年4か月の休養明けというのもあったし、やむなし。タイムオーバー明けだが、前走は参考外で良い。ただこの中間も3歳未勝利馬に追切では遅れているし、いつかの京都新聞杯でのレコード勝ちしたような姿はもうない。また休養前は3400mで前走はダートの2100mであることを考えるとここでいきなり芝1800mのペースに晒されるのはさすがに厳しいような気もする。馬具の工夫はしているが一度様子見したい。

アナゴサン
今回は同型が気になるが、ちょいちょい穴をあける。名前的に人気しにくいのかもしれない。ただ前走はスローペースの前残りで、2走前もスローペースで外から差されての4着。3走前は時計の速い馬場の中でもペースも速く6着だったことを考えるとスロー専門。セルバーグが逃げる展開で前が速くなる場合は微妙ではあるが、速い時計決着にはある程度対応できる。むしろ時計のかかる馬場がどうかといったところ。瞬発力勝負になると分が悪いのでセルバーグが速いペースで逃げてそれを追っかけていく形で最後まで残るかどうか。展開面と馬場的にもあまり味方はしなさそう。また距離延長で1800mも条件としては合っていない。

アルナシーム
エプソムカップは4番人気も5着。

以下はエプソムカップのメモ。
”折り合いの悪い馬で、重賞でも人気を裏切りがち。ただ最近はだんだんと折り合いも改善していており、平坦の1800mでワンターンという条件はベストに近い条件でここは舞台としては合う。東京競馬場でのレースは秋色S以来となるが、当時は6着で展開が厳しかった。牡馬の割には馬格の小さい馬であまり揉まれるのは良くない。そのため、前走のように小頭数の方が好走しやすく、他頭数の場合は外差しの方がいい。枠には注意が必要。2走前のダービー卿はスローペースで上位2頭は前残りしたため、最後方から大外を回して差してきたアルナシームには展開が不利。3走前の小倉大賞典はうまく競馬をしたが、自分から動いて勝ちに行く競馬をした分、最後は脚を使い切っての4着。力は出し切ったという形ではあるが、2ターンの1800mだったのでポテンシャルとしては今回の方が発揮できそう。ただ鞍上が横山典となると無理に出してはいかなさそうで一発を狙って後ろから行く可能性もある。枠次第といったところか。安易には狙えないが、ポテンシャルは秘めているので現時点では抑え。外枠に入ったら評価は上げる。”

前走は折り合い面はよかったものの左回りで手前替えがスムーズではなかったところをみると左回りは苦手。今回は右回りになるし、平坦の1800mもベスト。ある程度人気はしそうだが、最近の折り合い面の良さを見ると軽視したくない。継続騎乗しているのもよいし、斤量も手ごろ。後は揉まれない競馬をしたいので外枠には入れれば。

エスコーラ
小倉1800mは3戦3勝でそのうちの1回はレコード勝ちで現在もそのレコードは更新されていない。前走は米子Sだったが、そもそも鳴尾記念を体調が整わずに回避してという過程があることを考慮するとまだ本調子ではない。前走は9着だが、叩き2戦目と考えたほうがよさそう。2走前の洛陽Sは速いペースに飲み込まれて忙しく、また勝負どころでは被せられて敗北。母親がサロミナであることを考慮するともまれ弱い馬で外枠の方がよさそう。3走前は3着だったが、長期休養明け。気になる点でいえば、荒れ馬場を苦にしないかどうかくらいで妙味は十分にある。この舞台も得意だろう。

エピファニー
小倉大賞典は斤量57㎏で1着。ペースが速く、折り合い面で楽ができた。今回もペースは速いという想定ではあるが、やはりコントロールは難しく、気性面は心配。前走の大阪杯はスタート後の不利があり、ポジションを取れなかったのでやむなし。能力は認めるが、人気ではあまり買いたくない馬。小倉大賞典は展開がかなり味方していた。

エルトンバローズ
斤量59㎏をどう考えるかで取捨が変わるが、素直に考えると厳しい。前走は海外帰りという条件もよくはなく、速い脚にかけて8着。3走前は中山記念で稍重の馬場も悪く、伸びに欠いた。確かにここ3走すべて稍重の馬場であることを考えると良馬場の方がいい馬ではある。ただそれを踏まえると荒れ馬場で苦労するタイプにも見えるし、斤量59㎏も重い。これで人気がないならいいかもしれないが、現時点では某サイトの予想オッズで1番人気というのを見るとどうも食指は動かない。綺麗な馬場でもう一度見たい。

カテドラル
おそらく今回は人気しないと思う。この馬は小倉1800mも得意だが、そもそも夏が得意な馬でもある。また基本的にいつ走るかもわからないので抑えておくべきだが、過去に小倉1800mで行われた中京記念でも2022年2着、2021年も2着と好成績。斤量こそ増えるが、まさに夏競馬にふさわしい馬。また馬場が荒れて時計がかかるのもよいし、前が速い馬が多いので後ろから差せるのもよい。ここ2戦は大阪杯、安田記念でレベルが高く、参考外。3走前の小倉大賞典は時計が速く、対応できなかったが、それでも上りは1位。また冬場もよくなかった。4走前の中山金杯も時計が速く、上りは2位だったが冬場で厳しかった。やはりここがベスト舞台でもう8歳ということで上積みもないが、ここが最後の買い時。この夏が最後の舞台か。

セオ
前走は都大路Sを昇級戦で勝利。2着はアルナシームだが、ペースが
遅く、前が残った結果。タイムもスローペース故に時計の出る馬場だった割には平凡で評価はできない。2走前の立雲峡Sはペースは速い中で淡々と逃げて1着。鞍上の岩田パパも力はあるが、物見するなど集中しきれていない面があるとコメント。また厩舎コメントでも2走前は展開の助けが必要とあり、前走の結果をあまり鵜呑みにはしない方がいい馬。

ソレイユヴィータ
斤量50kgで鞍上はルーキー吉村。まだ3勝クラスの牝馬なので斤量は軽い。この軽斤量を活かしたい&鞍上がルーキーと考えると前につけてくるか早仕掛けをする可能性が高い。前走は博多Sで4番手につけるも後ろから突かれて外からはかぶせられて踏ん張り切れずの7着。2走前は京都1800mだったが、53㎏で最内を走るも7着に後退。基本的に先行していっぱいになっている競馬が多く、50㎏でも通用はしない感じが強い。おそらく牝馬限定の方がまだ戦える。

タガノパッション
この馬もここがベスト舞台。小倉2000mで行われた愛知杯は2着。ここ3走は凡走しているが、どうしても展開面の助けが必要で前走は本気で走っておらず、早々にやめた。そもそもいつもと違うスタイルの競馬になっていたし、参考外。やはりこの馬は後ろでじっとさせておくのがよさそう。馬場的にも合う。あとは牡馬相手にどうかだが、3勝クラスの馬で斤量は53㎏だし、展開面の恩恵も受けられる可能性が高いのでここは素直に買い。

テーオーシリウス
重賞で戦うにはちょっとレベルが足りていない。とはいえ、去年の小倉機縁では2着に着ており、1,2勝クラス勝ちも小倉1800mであることを考えると小倉は得意。おそらく小回りが得意で巴賞の3着もある。単騎逃げがベストであることを考慮するとセルバーグとのやりあいが問題となるが、どちらが内枠に来るかによるだろう。前走の福島民報杯はスタート後に不利があり、それでも逃げたが13着。2走前の中山記念はレベルが高い。3走前のチャレンジカップもハイレベルなメンツが揃って厳しかったし、坂のあるコースは微妙。4走前の福島記念は逃げるもペースがきつく、結果としては外差しで展開合わず。去年の小倉記念は内前決着の2着であることを考慮すると最大限展開の助けが必要な馬。今回は厳しい。

セルバーグ
逃げられないともろい。

以下は前走のメモ。
”昨年の中京記念は逃げ切って1着。今年の小倉大賞典も逃げて3着。前走は発馬で躓いて新潟大賞典12着と凡走だが、前走は参考外。セルバーグは後続を突き放して逃げるタイプの馬なので内枠に入って淡々と逃げてほしいところ。また、そのタイプのレースになると例年のエプソムカップに近いラップ構成にもなりやすく、予想がしやすい。1800mはちょうどいいし、前走は敗因明らかで京都金杯は逃げられず、マイルCSはレベルが高すぎる、関谷記念は58㎏が重かった。
今回は比較的買い要素の多い馬。ただイレ込みやすくて不安定さは否めない。”

前走は逃げたかったが大外枠で序盤に脚を使わされたのも厳しかったし、東京コースで逃げ切るのは無理があったか。今回は条件面ではプラスになるが、荒れ馬場でハイペース逃げにはつらい展開になりやすい。ただ内枠で淡々と逃げてベレヌスのようなことができるなら買い。

ニホンピロキーフ
前走は鳴尾記念で12着。

以下は前走のメモ。
”前走はマイラーズカップで3着。上位3頭は比較的強い内容で昇級戦でも高いポテンシャルを発揮した。上位2頭は安田記念に出走するし、能力は申し分ない。2000mでも走れるし、飛鳥Sはエアサージュに敗れるも、相手はスローペースで脚も溜まっていた。今回も展開は重視されるし、エアサージュは当時58㎏でニホンピロキーフは57㎏。今回はどっちも57㎏となるとエアサージュの方を評価せざるを得ない。”

結果、エアサージュは3着だった。前走は外枠で道中も力んでいたし、距離延長が向かなかった様子。一方で今回は距離短縮してくる上に前が速いとなるとこの馬にはよい展開となりそう。G2で3着の実績があるので斤量は56.5㎏となったが、57~58㎏背負って走っていたので特に問題はない。内枠に入ってほしいところ。小倉は3戦3勝で得意。

ボーデン
前走が去勢明けで12番人気ながらいきなり1着。もともと素質馬ではあったが、気性面が邪魔して凡走を繰り返してきた。前走が転厩緒戦かつ去勢明けであったが、いろいろと課題を修正した結果、大金星。流れも速くなって展開が向いたとコメントがあるし、カラ馬がいてスムーズではなかった中で馬があきらめずに頑張った。本格化した可能性もあるし、ポジション的にも展開が向きそうなのでここは連勝しても良さそう。

ロングラン
小倉大賞典は本命で2着。

以下は小倉大賞典のメモ。

”前走はディセンバーSで1着。1800m、時計のかかる馬場、差しの決まる馬場であれば強い馬でここはまさにベスト舞台。前走と同じ競馬をすれば通用する。2走前は時計の速い馬場だったし、直線は進路がなかった。去年の小倉大賞典は4着だし、これも0.2秒差と小差。57㎏とハンデも手ごろでチャンス到来。”

正直ここもベスト舞台。斤量も同じだし、展開的にも前が速い。今回エピファニーは斤量が増えるし、エピファニーにも展開が向く可能性があるが、エピファニーは気性面に問題を抱えているのでこれを考慮すると十分に逆転は可能。実際小倉大賞典は直線一気の勝負で大外を追い込んできての2着。前走は福島民報杯で8着だったが、距離が長かった。1800mがベスト。

ワールドリバイバル
去年の小倉日経オープンでは2着で一昨年の巴賞も2着。鞍上が小牧太となかなか最近では重賞で見ない騎手となったが、現状でどこまでやれるか。前走は前で運ぶも14着。2走前はダートで参考外。3走前は逃げるが、そもそも馬体重が重く、参考外。脚部不安が多い馬でここまで詰めて使えるのはかなり久々。斤量は55㎏だし、小倉日経オープンでの2着を評価するなら。ただ前がつらい展開を想定しているので厳しいかもしれない。状態面がカギではあるが、小倉日経オープンはハイペースで前がかなりつらい展開の中で2着に残っているので馬の能力としては通用するはず。リバイバルという名前も復活にはふさわしい。前走はスローペースではあったが、ダートからの転戦と考えるとやむなし。大穴狙いなら。時計は通用する。

というわけで明日枠が出るが、現状は
◎カテドラル
〇ロングラン
▲アルナシーム
☆ボーデン
△ニホンピロキーフ、タガノパッション、エピファニー、ワールドリバイバル

前がかなり速くなる想定でカテドラル、ロングランを評価。能力的に上位はアルナシームかなと思う。ボーデンも去勢後の本格化に賭けて☆評価。ニホンピロキーフ、タガノパッションも評価は高いが、印が回り切らないので抑え。

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