プロキオンS

近年はしょっちゅう施行条件が変わるレースで去年は中京だったが、今年は小倉1700mで2021,2022年と同じ条件。特にこの2年はともに大荒れという結果で注意したい。梅雨の時期ではあるが、北九州は今週晴れ予報で雨は降らない。過去に小倉で行われたレースでは良馬場ではなかったのでそもそも参考にはならないかもしれない。

間違いなく、今年の人気の中心は無敗でオープンクラスにまで上り詰め、かつ未勝利戦は大差のレコード勝ちをしたヤマニンウルスだろう。単勝も1倍台になりそう。ここにどう逆らっていくかが今回の切り口となる。

さて、小倉1700mはほぼ平坦ではあるが、地味に高低差は2m程度あり、1コーナーから4コーナーの入り口までは若干の下り坂。基本的には逃げ先行が有利なレースかつ1コーナーまでの直線距離が長い。ただ、小回りで逃げ先行が有利なレースだけあって、最初のポジション争いは激しくなりやすく、最後の直線はどの馬もばてる。もちろん瞬発力は要求されず、スタミナ重視の前残り決着が多い。また、ペース次第では向正面でまくられることもあり、変則ラップに注意。小倉ダート1700m経験や小回りの経験が重視される。さすがにヤマニンウルスが飛ぶというのは逆らいすぎているとは思うが、3勝クラスと重賞では大きな乖離のあるダート戦線だけに、全幅の信頼を置いて何も考えずにヤマニンウルスを本命にはしたくない所存。

除外対象馬はリプレーザ、マリオロード、サイモンザナドゥの3頭。


ウェルカムニュース
オープンクラスでもそこそこの成績を残しているが、まだ重賞での勝利はない。前走は三宮Sで京都1800mの稍重7着。終始5番手で4コーナーから上がっていって3番手には浮上するもののそこからひと押しが効かず、1.5秒差の負け。流れには乗れるものの、追い比べになると気持ちの難しい面が出る馬で集中力が続かない。2走前のマーチSはポジションは良かったものの、3〜4コーナーで仕掛けた時には反応が見られず。鞍上の戸崎も最後は飽きた感じだったとのこと。一方で仁川Sは集中力が続いての2着だが、インの好位から進めて最後まで走り切った。ムラのあるタイプで人気がない時に抑えて穴として狙いたいが、阿蘇Sに出走した際には暑さに応えた上に小回りも良くなかったとコメントが残っているのでおそらくここはあまりいい条件ではない。

ヴァンヤール
5戦連続馬券内には入っているが、勝ち切らない。前走は去年のシリウスSで前で進めるも2着からは3.5馬身差の3着。2着はアイコンテーラーで前には届かず、後ろには差されると言った結果で決め手に欠ける。2走前は前半の流れが速く、いつもより後ろのポジションになってしまい、徐々に押し上げるも3着まで。エンジンの掛かりが遅く、差すほどの脚もなかった。堅実で能力は比較的高いが、決め手がないため、なかなか勝ち切らない。また大型馬で小回りのコースはあまり得意とはせず、オープンクラスに入ってから初めての1700mで小倉。ズブさもあるし、ここはあまり強気ではないが、相手次第では馬券に来れそう。ただヤマニンウルスにはちょっと足りてないかなと思う。

グロリアムンディ
斤量は58kg。近走はパッとしないがG1で走ってきていたので流石に相手が強かった。前走はG3の平安Sだったが、追い切りで未勝利馬に遅れており、状態面が微妙?だったか。3〜4コーナーで外を回った分、止まってしまった様子。おそらくあまり追い切りではよく見せないタイプで去年の平安Sで勝った際も川田から正直あまりいい具合ではないとコメントされていた。ロングスパートのタフな勝負に強いようでディープボンドに近いイメージ。故にズブさはあるし、スピードには欠ける。潜在的な能力は結構高そうで右回りも加点材料。ここ2走は敗北しているが、穴になるようなら狙いたい。ただし、追切からは物足りなさを感じると陣営がコメント。

ゲンパチルシファー
ずーーーっとねらってるし、惜しいところまではくる。地味に2年前のプロキオンSの覇者ではあるが、よく勝てたなという印象。衰えも出てきており、上積みは感じられないが、時計のかかるダートでこその馬。なので夏場は正直向かないが、それでも今週末は雨が降らない予報で良馬場開催濃厚。前走は出遅れ、2,3走前は高速ダートで適性外。4走前は上がり2位の脚を使うも前残り決着で5着まで。逆に前残り決着で5着に来れた点を評価したい。理想はスタミナ勝負でグロリアムンディと一緒にくるような展開。あとは前で争ってくれれば。衰えはあるもののまだ見限りたくない。

スレイマン
前走の平安Sは1番人気に推されるも先行して退いて10着と案外な内容。鞍上も敗因はわからないとコメントしており、前走の大敗は謎。間隔が詰まっていたという見方もあるが…。その点、今回は2ヶ月空いているので心配はない。ただ単純にアンタレスSが低レベル戦の2着だったというだけで重賞では足りていないのかもしれない。門司S、阿蘇Sで小倉1700mは好走しているので得意コースではあると思うし、乾いたダートも良さそう。前走は不可解な敗北ではあったが、適性面からはここの舞台は合っているので軽視はできない。

デシエルト
3歳の時は芝で逃げて開花するかと思ったが、現実は甘くなかった。ただ初の古馬戦でグリーンチャンネルカップをレコード勝ちするなど、ダートでは強いはず。その後、骨折して霜月Sで単勝1.9倍に推されるも4着。休み明けの分もあったとは思うが、1400mが短いように思える。3走前のすばるSも単勝2.0倍の1番人気だったが、5着と人気を裏切る形。ずっと外を回される展開で速めに仕掛けても思ったより前に行けず、骨折明けからは味気ないレースが続いている。2走前はオアシスSで東京ダートだったが、逃げることができず、砂をかぶったり、揉まれたりと弱さを出して5着。休み明けはダメなタイプかも。前走は三宮Sで距離を1800mに伸ばしてやっと3着。勝ち馬はオメガギネスで2着馬とは7馬身差でレベルが違った。が2着のラインオブソウルとはクビ差の競馬をしており、この馬らしさを久々に出せたレースだったと思う。単に岩田パパとは手が合う。前々で運ぶ馬だけに小回りの1700mは合うが、同型がどうかといったところ。今回はブルーサンがおり、ブルーサンはオーバーペースで逃げることが多いのでこの辺りとうまく折り合いをつけられれば。能力自体は高いし、絡まれなければ馬券はある。

テンカハル
前走は平安Sで物足りなく感じると厩舎コメントが出ており、13着。2走前も休み明けで重め残しとなっており、9着。ズブく、後方に置いて行かれるタイプではあるので展開の助けが必要だし、小回りも合わなさそう。とはいえ、日本テレビ盃ではウシュバテソーロに敗れたものの2着で小回りとナイターに対応した。主戦場が2000m以上であることを考えると1700mは短い上に小回りで置いて行かれる可能性が高いし、前走からどのくらい上積みがあるかも心配。

バスラットレオン
久々の中央のダートで2022年の武蔵野S以来。前走は地方のさきたま杯だったが、海外遠征の疲れが抜けきっておらず、完調ではなかったので度外視。基本的にはハナを切りたいタイプで前走からどのくらい上積みがあるか。参考になるレースは少ないが、武蔵野Sでは3着だったし、昨年のさきたま杯も3着ということを考えるとまあやれる。矢作厩舎らしく叩き2戦目で仕上げてくるかどうか。小倉は初めてだし、小回りが利くかどうかはわからないが、前々で運んでどのくらいいけるか。

ハピ
やはりダートの方がいい馬で前走は平安Sで2着。インで距離ロスを抑えて運び、外へ出してからは良く伸びたが、ミトノオーにはクビ届かずも前残り決着なのでしょうがない。名古屋城Sはスローペースで前残りしているので参考外。もともと能力自体は通用する馬だし、最近は中団でも運べるから堅実にここは走れそう。

以下は平安Sのメモ。
”前走は天皇賞春で競争中止。無理をしなかったという形だとは思うが、そもそもなんで芝を使ったのかもわからない馬。ダートの方がいい。前走で馬が嫌になっていなければいいが。なお、ダートを見てみるとペテルギウスSはペプチドナイル相手に半馬身差の2着。アルデバランSはオーサムリザルト相手に3/4馬身差の2着と考えると能力は高いし、十分に足りている。3走前の名古屋城Sは59㎏背負わされたし、スタートでも躓いてリズムが悪くなってしまったので度外視。去年のチャンピオンズカップでも3着に着ているし、ダートに戻してきたここは軸でもいいレベル。ただ人気はしそう。”

相手が強いが、ヤマニンウルスじゃなければこちらを取りたい。

ブラックアーメット
基本的に後方からになるので展開に頼ることになるが、鞍上は継続騎乗で好感だし、今回は前がすごく速そうなので逃げ切られなければこの馬が台頭してもよい。前走は吾妻小富士Sでローカルだったが、外々を回されてもきっちり差し切って強い内容。4コーナーの手ごたえも抜群で良い内容だった。昨年は阿蘇Sで小倉1700mを走っているが、強烈な脚を使うものの4着まで。継続騎乗しているし、泉谷君もだんだんと仕掛けるところがわかってきていそうなので素直に期待。特に前がつぶれるような展開になればチャンス。この馬のリズム的にはベストは1700mらしい。叩いてよくなるタイプだし、本命候補。

ブルーサン
3歳馬で斤量は54㎏。ここが初の古馬戦となるので要注意。3歳と古馬の差はダートでは大きいとみている。羽田盃はさすがにオーバーペースすぎたので参考外だが、前走も逃げてハイペースを演出しての2着。標準よりも1秒速くゴールしているのでレベルは高いが、古馬相手だとどうか。また他にも逃げ馬はいるし、小回りで先行意識が高くなることを考慮するとここは前に行ってもらっていろいろと潰してもらう展開の方が馬券としては妙味がある。

メイショウダジン
さすがにもう衰えてきており、1700mもマッチしない。

ヤマニンウルス
今回はさすがに一番人気だろうし、多くは語る必要もない。しいて言えば、裂蹄で休養が長引いたことか。本来は平安Sに使いたかったようだけど、こちらを選択。小倉は未勝利戦以来。詰めて使えないのは超大型馬故に脚にかかる負担がおそらく大きいためか。前走もほぼ持ったままの競馬でオープンでも余裕で通用はするだろう。ただ相手関係として言えば、重賞で走ってきた相手となるのでこれまでとはさすがに異なる。また逃げ馬多数のハイペースの小回りというのも初めてではあるので、いろいろと未経験な部分は多く、そのあたりで付け入る隙はありそう。3勝クラスとオープンクラスでは結構大きな壁があるのですんなりといかないのがダート戦線。ここでぶっちぎりで勝つようならば本物。

ラインオブソウル
前走は三宮Sでオメガギネスに7馬身差をつけられるも2着。デシエルトとはクビ差の競馬で後方から追い込んできて展開もハマった。展開がハマったという点でいえば今回もそうなる可能性はまあまあある。ただいずれにせよ三宮Sは差し決着な分、評価は甘くなる。また斤量も54㎏だったのが今回は57㎏と厳しくなる。さすがに勝ち切るまでは厳しいか。

リキサントライ
オープンクラスは4戦して5着が1回のみ。1700mはベストで師走Sで5着があるものの、勝ち負けには加われず、難しい競馬。相当展開が向かないとさすがに厳しい。それこそ前の馬が全部潰れるとか。

レガーメペスカ
2走前に3勝クラスを勝ったが、単勝146.2倍で逃げ切り勝ち。前走はチークをつけて三宮Sに出走するも3番人気10着。逃げられないと厳しいといった印象で前走はハイペースで展開が向いていなかった。2走前はびっしりと絡まれて厳しい展開の中でも2着に4馬身差をつけて勝利しており、とても単勝100倍を超えている馬とは思えなかった。超ハイレベル戦でもあったし、ハイペースでも全然須jぴーどが衰えないままの逃げ切りは評価できる。前走あっさり負けた分、今回は妙味のある一頭ではあるが、他にデシエルト、ブルーサン、バスラットレオンと逃げ馬も多く、逃げられるかは怪しい。ただハイペースでも残ったのは評価したい。

リプレーザ
この世代のダート馬で2歳の時に活躍した馬は正直あまり強くない。実際ダートで結果が出ずに芝に転向するも、やはり結果が出ないといった馬なので能力的にはちょっと厳しい。ただ末脚勝負でどこまでやれるかといったところなので逃げ馬の多い今回は展開面だけでいえば向く可能性がある。他に強調材料は正直ない。

マリオロード
前走は差し決着で展開が向くも5着まで。2走前も前潰れで展開が向くも5着。能力的には展開が向いても掲示板くらいの馬という認識。周りが低レベルならいいが、今回はヤマニンウルスもいるし、ハピもいるし、G3の割にはメンツが強く、やや物足りない。

以上で印は
◎ブラックアーメット
〇ヤマニンウルス
▲ハピ
☆デシエルト
△グロリアムンディ、ゲンパチルシファー、スレイマン、レガーメペスカ
×よほど展開がはまればリプレーザ

ヤマニンウルスは強いとして、今回はかなり前が速くなる方にヤマを張って前がつらい展開で予想した。ブラックアーメットが最も展開が向くと思う。デシエルトは前走は速いペースの割に粘りに粘った点を評価。ハピ、ヤマニンウルスは能力を評価。スレイマンもここに入れたかったが、抑え。でも評価は高い。グロリアムンディは追切的には微妙な様子で買うかも悩む。ゲンパチルシファーは良馬場で前がつぶればチャンス。レガーメペスカは3勝クラス勝ちを評価。前でつらいかもしれないが。
よほど展開がはまればリプレーザは3着くらいに来ても良さそう。よほど展開がはまる場合は、前がすべて潰れるくらいの展開だけども。

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