エプソムカップ

馬場が重くなりやすい&2020年のダイワキャグニーの時のレースの印象が強すぎてどうも大荒れするレースというイメージが強い。ただ蓋を開けてみると過去10年で大荒れしたのは2020年だけで極端な大荒れは少ないレース。
今週は週の初めは雨が降るものの、週末にかけては晴れる予報で良馬場開催が濃厚。東京1800mは2コーナーのポケットからスタートし、半周回ってゴールという単純な構造。スタートがやや下り坂とはなっているものの3コーナーまでの高低差は小さく、2コーナーのポケットを含んだ向正面はやたら長いという構造になる。故にポジションは取りやすいし、先行争いも激化しにくく、瞬発力を問われる流れになりやすい。実際に過去の結果を見ても逃げ・先行馬が比較的残りやすいレースではある。ただ過去の33ラップを参照すると、意外と±0前後の構成となっており、おそらく先行馬が残る可能性を危惧して早めにまくる馬が多く、ロンスパになっている。
また安田記念デーは雨が馬場が重くなっていた割にはかなり速い時計が出ていたし、今週は晴れ予報ということで比較的スピードを問われるレースになる可能性が高い。

アルナシーム
折り合いの悪い馬で、重賞でも人気を裏切りがち。ただ最近はだんだんと折り合いも改善していており、平坦の1800mでワンターンという条件はベストに近い条件でここは舞台としては合う。東京競馬場でのレースは秋色S以来となるが、当時は6着で展開が厳しかった。牡馬の割には馬格の小さい馬であまり揉まれるのは良くない。そのため、前走のように小頭数の方が好走しやすく、他頭数の場合は外差しの方がいい。枠には注意が必要。2走前のダービー卿はスローペースで上位2頭は前残りしたため、最後方から大外を回して差してきたアルナシームには展開が不利。3走前の小倉大賞典はうまく競馬をしたが、自分から動いて勝ちに行く競馬をした分、最後は脚を使い切っての4着。力は出し切ったという形ではあるが、2ターンの1800mだったのでポテンシャルとしては今回の方が発揮できそう。ただ鞍上が横山典となると無理に出してはいかなさそうで一発を狙って後ろから行く可能性もある。枠次第といったところか。安易には狙えないが、ポテンシャルは秘めているので現時点では抑え。外枠に入ったら評価は上げる。

ヴェルトライゼンデ
去年の大阪杯以来で1年越しの競馬。能力は高いが、さすがにここでいきなり人気するようでは買いたくはない。長い距離の方が良い馬でもあるし、1800mはやや短い印象。屈腱炎明けでいきなり1着を取った実績はあるものの持久力を問われる流れで休み明けから追走に苦労すると厳しいかもしれない。ここは軽視。

カレンシュトラウス
重賞では壁にぶち当たっているという印象。前走は一昨年勝利したメイSで5着。ずっと一息だった馬がブリンカー着用で復活の兆しが出てきた様子ではあるが、前走は55㎏のハンデをもらっている。今回は57㎏となるので少し厳しい。年齢も7歳で上積みはなさそう。ただ前走はいきっぷりが良くなったのか、ここ最近ずっと4コーナーでは後方にいた馬が前走では中団にいたという点については評価したい。ブリンカーの効果が強く出ている可能性がある。溜めても33.0秒台前半の脚は出ないので、好位で競馬するのが理想。それだけの先行力があるかどうか。

グランスラムアスク
牡馬相手だと厳しい。

グランディア
今回が昇級戦となるが、徐々に去勢効果が出始めているが、それでも力んだり、ゲートでの落ち着きがなかったりと基本的にポジションはあまりとれない。ただ前走のスピカSは中山1800mではあるが、超ハイレベル戦の加速ラップでの結果となっており、スローペースだったとはいえ、標準時計の出る馬場で1秒速い決着+加速ラップはかなり評価できる。折り合いは不安ではあるが、放牧を挟まずに使うとだんだんと力みやすくなる傾向があり、今回は約3ヶ月の間を空けており、いい間隔。佐渡Sで崩れたのは叩き3戦目で力みながら走った分と展開。今回は期待してもいい。

サイルーン
連勝でオープン入り。去勢してから徐々に効果が出始めて、近4走は全て連対。前走は馬具を装着して加速ラップで快勝。ずっとハイレベル戦で戦ってきており、能力的には上で通用しそうな馬。ただし、1800m以上のレースでは折り合いが心配でスローペースはおそらく苦手。ある程度流れる方が良く、実際好走しているここ4走は全て33ラップがプラマイゼロに近い。幸運にも今回もそのようなラップになる傾向にあり、力は発揮できそう。東京も相性がいい。爪の弱い馬ではあったが、そのあたりが丈夫になってきた分、負荷をかけることができるようになってきて上昇してきている。要注意。

ジェイパームス
目下三連勝中かつ全て東京1800mだが前走はハンデ戦で斤量が56kg。前走は1.44.8の時計で良馬場開催のエプソムカップの平均時計を軽く上回っており、十分に力は通用する。ただし、前走は好時計を出してここが3戦目と考えると少々疲労が心配。斤量も増えるし、多頭数とのレースはホープフルS以来。ここ3走は小頭数でいきなり相手が強化して増えるのはどうか。

シルトホルン
ラジオNIKKEI賞2着でオープン入りということなのかな?ただし、古馬のオープンクラスではまだ勝てていない。前走はメイSで久々の馬券となった3着。逃げて一息入れた分、前で楽ができて前残りになっての3着。評価としてはあまり高くない。2走前の六甲Sでは好位追走の3番手で早めに動かされたが、最後は切れ負けして5着。ただし、着差は小さい。1800mはベストに近い条件でマイルだと短い。前走では楽をできた分、妙味はあまりない。

セルバーグ
昨年の中京記念は逃げ切って1着。今年の小倉大賞典も逃げて3着。前走は発馬で躓いて新潟大賞典12着と凡走だが、前走は参考外。セルバーグは後続を突き放して逃げるタイプの馬なので内枠に入って淡々と逃げてほしいところ。また、そのタイプのレースになると例年のエプソムカップに近いラップ構成にもなりやすく、予想がしやすい。1800mはちょうどいいし、前走は敗因明らかで京都金杯は逃げられず、マイルCSはレベルが高すぎる、関谷記念は58㎏が重かった。
今回は比較的買い要素の多い馬。ただイレ込みやすくて不安定さは否めない。

タイムトゥヘヴン
よほどハマらないと厳しい馬。来ても3着まで。ただ距離は伸びてワンターンという条件は比較的合っている。毎回いい上りの脚を使えてはいるが、毎回届かない。ここは軽視。

トゥデイイズザデイ
ノースヒルズで超期待されていた馬だが、結局クラシックへの出走は叶わなかった。古馬になってからも堅実な競馬を続けてついに前走がオープン緒戦。谷川岳Sでメイショウチタンに残られてしまったが、長く脚を使っても勝ち馬との差は詰められなかった。休み明けということもあって叩き2戦目の今回は上積みを期待できる。また佐渡Sはメンバーが超ハイレベル戦で垂水Sもハイレベル戦。垂水Sではアルナシームにタイム差なしの決着で2着だった。左回りが得意で東京もいいコース。ただ前で競馬したいが、出遅れやすい馬でエンジンのかかりも遅い。その分東京は合っているが、この辺が重賞でも通用するかどうか。ただポテンシャルは高い。

ニシノスーベニア
2走前の3勝クラスを5馬身差の快勝。稍重で標準より1秒遅い馬場の中で1秒速くゴールしており、ペースも持続ラップの中で4コーナー2番手なのに上りが2位と高いポテンシャルを発揮した。また、リステッドの東風Sと0.3秒差の競馬で十分にオープンでも通用する。前走はダービー卿CTで3番人気4着だったが、大逃げを打つ馬の後ろでスローペースのレースとなってしまい、中位から伸びはするものの前残りの展開で4着まで。ただ、2勝クラス、3勝クラスの勝ち上がりが中山で3勝クラスの東京は5着、6着と馬券にはなっていない。どちらかといえば中山向けの馬で折り合いもあまりよくないため、距離延長はプラスではない。実際1800mは初めてなのでそのあたりは不安。ただ持久ラップは合っている。スローペースはあまり想定していないのでそういう点では抑える必要がある。

ノースザワールド
前走はマイラーズカップで12着。

以下はマイラーズカップのメモ。
”3勝クラスで惜しい競馬を続けてきていたが、先行馬というイメージが強かった。ところが最近は控える競馬も覚えてきており、実際2走前は3コーナー10番手で4コーナー6番手から2着。2走前に転厩しており、出遅れたが最後まで根性を見せての2着。ただ時計のかかる馬場の方がいいらしい。ゲートが悪いという印象はなかったので意外だったが、どうやら最近はゲートが悪くなってきている様子。差す競馬も板についてきているが、出遅れて後方からとなると開幕週の京都では不利。ここは軽視が妥当か。”

近走を見る限りだとちょっと難しい。逃げる方がいい競馬をできるとは思うんだが。

マイネルケレリウス
前走が3勝クラス勝ちで今回が昇級戦。前走は差し決着だったが、道中も淡々と速いペースで1000m通過が59.1秒とややハイペース寄りだった中で加速ラップでのゴールと考えるととても単勝94.3倍だとは思えないような勝ちっぷり。展開が味方した部分はあったかもしれないが、母系が晩成血統であることを考慮すると徐々に本格化している可能性がある。

以下は3走前のウェルカムSのメモ。
”前走は2勝クラス勝ちで今回が昇級戦。前走は直線で待たされる場面もあったが、抜け出してからは快勝。他の特別戦を勝ってきた馬と比べると条件戦勝ちで少し見劣りするが、勝ち方は強く、上でも期待できる。2走前の4着はスローペースで加速ラップとなったことからも分かるように展開が向かず。距離2000mもちょうどいいし、今回は相手も強くなるが、昇級戦としてはいい舞台。”

という評価で2勝クラスも単勝1.4倍だった割にはウェルカムSで10番人気とかなり低評価だった。結局ウェルカムSは9着で敗北しているが、そこまで人気ないのか…?と思った。昇級戦とはなるが、前走の勝ち方は悪くないし、良い決め手も持っているので期待はしたい。

ラケマーダ
前走が東京マイルで1着。負かした相手もカナテープでかなり強い相手。逃げても溜めてもいい馬で、前走はやや速いペースの中でも最後まで減速することなく伸びて上りは1位の脚で1着。カナテープに先着したというのでも注目。乾いた馬場もよく、折り合えれば強い。ただ距離的にはマイルの方が合っていそう。

ルージュリナージュ
前走はヴィクトリアマイルで5着と大健闘。東京コースが得意な馬で前走は出遅れて最後方からとなるが、最後は鋭く伸びて5着。上りは1位でハイペースの差し決着になったのも展開が向いた。差し決着なら台頭する馬だが、基本的にゲートが遅く、後方からになるので展開の助けは必要。

レッドランメルト
前走は重馬場のオクトーバーSで13着。折り合いがつかず、馬馬云々というよりも溜めが利かなかった。

以下は七夕賞のメモ。
”鞍上の田辺は地元でのレースになるので気合が入っていそう。という冗談は置いといて。前走は新潟大賞典で+14kgの520kgで太め。道悪が苦手で良馬場希望だが、前走は見事に不良馬場で12着もやむなし。2走前の小倉大賞典も重馬場でやむなし。3走前の中山金杯は外枠でやむなし。2000mは問題ないが、オープンクラスに上がってからは不運の連続。今回は良馬場濃厚ではあるが、季節柄いつどのタイミングでどのくらい雨が降るかわからない。またミドルペース以上だと先行勢には苦しい展開となり得るので今回も運が向かないか。ただ内枠で前に壁を作れるようならまだチャンスはある。ここまで不運で負けてきた馬だけあり、人気以上には走れるポテンシャルは秘めているのでワンチャンで勝っても良い。”

基本的に展開や馬場が向いていないことが多く、もっとやれるはず。七夕賞は良いペースではあったが、先行有利のレースとなってしまい、後方からは届かず。ここが久々ではあるが、念願の良馬場でのレースとなるし、内枠でも引けて前に壁を作れれば。

レーベンスティール
レベルの低い4歳世代の1頭。前走は新潟大賞典で1番人気11着。イレ込んでおり、テンションも高く、全体的にちぐはぐなレースとなってしまい、完全に参考外。最後は無理をせずといったところ。ただ、現状人気を裏切り続けており、香港ヴァーズも1番人気で8頭立ての8着。しかも鞍上にモレイラを迎えての結果。セントライト記念こそ強かったし、折り合いの悪い馬だけに距離短縮はプラス。また、新潟や中山の小回りよりは大回りの東京コースの方が合う。ただ59㎏を背負うほど抜けている存在かといわれるとそうでもないし、ルメールを鞍上に迎えて過剰人気になるのなら、ここは軽視したい。

ワールドウインズ
抽選通れば。持久戦は歓迎な馬で一見すると東京1800mは合わないが、このレースは比較的持久戦に寄りやすいレース。特に洛陽Sは外差し馬場の中で一頭だけ内を突いて0.3秒差の5着。阪急杯はそもそも1400mが合わず、参考外。2走前の六甲Sはハイレベル戦でボルザコフスキー相手にタイム差なしの2着で高評価。重馬場で時計がかかったのもよかった。前走の都大路Sはスローペースで瞬発力勝負になってしまい、やむなし。適性という観点から言えば買っておきたい馬。抽選通れば。

というわけで印は

◎グランディア
〇マイネルケレリウス
▲トゥデイイズザデイ
☆サイルーン
△アルナシーム、ジェイパームス、セルバーグ、ニシノスーベニア、ラケマーダ、ルージュリナージュ、レッドランメルト、ワールドウインズ

12頭も選んでしまったが、結構面白い馬が多く、穴もねらいやすい。
上位人気の馬もレーベンスティール、ヴェルトライゼンデ、ジェイパームスと絶大な信頼は起きにくい。ここは穴をねらっていく。


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