目黒記念

ダービーの後の白熱したレースといえば目黒記念。ここ3年はドスローの前残りというレースになっているが、去年はスローペースでも前は残らなかった。2020年以前は1000m通過が1分前後というレースが多く、過去14年の良馬場でのレースは以下のような1000m通貨タイムと上り3Fの展開となっている。

2010年
1000m通過 1.03.4
上り3F 34.0

2012年
1000m通過 59.5
上り3F 34..8

2013年
1000m通過 1.00.1
上り3F 35.2

2014年
1000m通過 1.01.2
上り3F 35.2

2015年
1000m通過 1.00.4
上り3F 35.0

2016年
1000m通過 1.01.2
上り3F 34.0

2017年
1000m通過 1.00.7
上り3F 35.1

2018年
1000m通過 1.01.3
上り3F 34.5

2019年
1000m通過 59.5
上り3F 35.8

2020年
1000m通過 1.00.1
上り3F 35.9

2021年
1000m通過 1.03.9
上り3F 32.8

2022年
1000m通過 1.02.5
上り3F 34.7

2023年
1000m通過 1.02.1
上り3F 34.5

という感じになっており、明らかに2021年から風向きが変わっている。2020年以前は1000m通過が1.02.0を超えることは2010年を除いて一度も登場していなかったのにここ3年は連続してドスローの展開になっている。こういう理由でここ3年の傾向をみるとドスロー前残りレースじゃんと思って狙う人も多いかもしれないが、本質的にはダービー後の最終レースとして持久力ラップになりやすく、アルゼンチン共和国杯とは真逆の適性のレースという立ち位置。なのでここ3年は展開面でそうならなかったのでやむなしと割り切って今年も持久力で強い馬を狙っていく。そうなると馬場の割には前がつぶれやすいレースともなるので狙うべきは必然的に後方でのんびり走って脚を溜めている馬。今年は14頭と例年に比べて出走数が少ない分、スローペースになる可能性も大いにあり得るが、ヤマを張って予想する。逃げ馬は今回は軽視。

クロミナンス
体質の弱い馬で脚部不安だったり、骨折だったりで長期休養を良くする。そのため、もう7歳にもなるのだが、キャリアは12戦。あまり使っていない分、衰えもそんなにないのか、7歳にして今年はAJCC3着、日経賞2着と好走が続いている。AJCCは不良馬場でのレースで一度手ごたえはなくなったものの直線はじりじりと差を詰めて3着。不良馬場で外枠の方がいい馬場を走れた様子。前走は日経賞で外の3頭目を回されるロスがありながらも、2着。AJCCと同様3~4コーナーで手ごたえがなくなりかけるロスがあり、そういう馬なのかもしれない。逆に言えばここでポジションが落ちる可能性があり、外を回さざるを得なくなる馬なのかもしれない。距離は問題ないし、持久力を問われるレースもおそらく問題にはならない。ただ体質の弱さを考慮するとこの春3戦目というのはちょっと不安。過去のレースでも1シーズンに3走もしたことはなく、2か月の間隔で3戦目が怖い。

ケイアイサンデラ
前走は3勝クラスで3着。典型的な逃げ馬で前走は10番ゲートから淡々とリズムよく逃げ。気分良く走らせて後続を話していたが、残り100mで捕まって3着。3勝クラスの馬故に斤量も4歳牡馬で54㎏。ハンデ戦のここも逃げたいだろうし、軽斤量を活かして淡々と逃げてほしい。

サトノグランツ
ハンデは58.5㎏。前走はカタールのアミールトロフィーで3着。3か月開けてのレースとなるが、海外帰りで斤量も増えるとなるとさすがに要割引。2走前は日経新春杯で3着。3コーナーから早めに押し上げて直線を向いてからは良く伸びたが、前の馬にとってはきついレースとなり、3着。これが57.5kgだったことを考えるとここで58.5㎏はやはりちょっと厳しい。神戸新聞杯こそレコード勝ちしているものの、レベルの低い4歳世代に重いハンデならここは軽視。古馬相手にはまだ勝ち切れていない部分もあるので人気ほどは強くないかも。

サンセットクラウド
コントレイルの弟だが、まだ3勝クラスで良くて3着。G2ともなると力不足と言わざるを得ない。

シークレットラン
8歳牡馬で斤量は52㎏。前走は大阪ハンブルグカップで斤量53㎏の14着。後方から大した脚も使えずだった。常に後方でじっくりと脚を溜めて運ぶ馬ではあるが、良い脚を使えず、凡走を繰り返す。ピークアウトしており、レベル的には厳しいところ。ただ上りのかかる展開は歓迎で後ろの馬を狙いたいという今回ならハンデ52㎏も相まって、恐る恐る3着にでも据え置きたい馬。ワイドの相手に買ってワンチャン大穴できたらうれしいなっていう程度で抑える。

シュヴァリエローズ
6歳牡馬で前走はメトロポリタンSで3着。メトロポリタンSはスローペースで前残り決着になっており、今回のレースとはあまり合わない展開なので度外視。2走前は休養前の京都記念で4着と好走。一時期はマイルで走っていたが、最近は距離を延長してきた。京都記念は勝ちに行く競馬をしてスムーズに折り合って直線もじわじわと伸びたが、最後は伸び負けての4着。ただし、京都記念はメンツ的にはやや低レベルだった。左回りの方が得意な馬で京都記念は右回りの中で出した結果と考えると十分な内容か。3走前は白富士Sで9着。左回りでも東京の方が苦手という印象があるらしく、東京よりは中京や新潟で好走する。直線が長いと切れ負けする可能性が高く、スローからの瞬発力勝負は苦手。白富士Sも速い上りを求められていた。同じ左回りでも持久力に寄って上りのかかる展開ならチャンスは十分にあると思われる。ただ頭までかといわれるとそうではないので穴としてねらいたい。斤量も56㎏と手ごろ。距離を長くして覚醒し始めているのかも。

シュトルーヴェ
前走は日経賞1着。去勢明けから2連勝しており、前走は日経賞1着。斤量は増えて58.5kgだが、鞍上がモレイラとなるとさすがに軽視はしにくい。去勢効果がみるみる出ている馬だが、3勝クラス勝ちも強い内容で気の悪さが出てこなくなった。2400mもこなすし、今回100m伸びるという点は特に問題はないだろう。正直軽視する要素があまりない馬。しいて言えば、58.5kgか。

ジューンアヲニヨシ
目下2連勝中で前走は休み明けの烏丸Sで1着。斤量は55㎏。前走は斤量56㎏でハンデ1㎏減をもらってのレースだったが、休み明け感があって、上積みがあると池添のコメント。斜行によってケイアイサンデラが被害を受ける形となってしまったが、それがなくてもジューンアヲニヨシが勝っていただろう。2走前も長く良い脚を使って強い内容で1着。2200mだと3勝している一方で2勝クラスの琵琶湖特別では2400mに出走して5着。2500mは距離が長い可能性があるし、荒れ馬場もよくなさそう。今回昇級戦となるし、距離が長い可能性があるが、まだまだ上積みがありそうだし、1勝クラス勝ちがエリザベス女王杯よりも0.7秒速い時計の決着。この1勝クラス勝ちの日は1秒速い高速馬場でエリザベス女王杯の日は水準時計だった。補正的には1勝クラスの方が遅いタイムとはなるが、それでも走破時計は速く、ここ2戦も充実している。斤量も1㎏軽くなるし、持久戦がどうかという問題はあるが、昇級戦即通用はしても良さそう。

ダンディズム
ここは絶好の狙い目。基本的に後方からになる馬で後方から良い上りで追い込んでくるタイプ。まさに目黒記念に合っていると思うし、去年の目黒記念にも出走したが、差を詰めての7着。今年は去年よりも持久力が問われる流れ(になってほしい)なので、ここはベストに近い条件だと思う。G2では少し足りないかもしれないが、前走で新潟大賞典を使ったので叩いて2戦目。そもそも前走は逃げ馬が勝つスローペースの展開で合わず。

ナイトインロンドン
3勝クラスの馬で斤量は52㎏。3勝クラスは3戦して一度も掲示板なし。長い距離で走っているので距離自体は合うとは思うが、物足りない競馬が続いている分、ここは厳しい。斤量差があれど。

バラジ
斤量は56㎏。オープンクラスでは成績を残せてはいないものの、新潟記念では5着と好走。2走前に去勢をしており、今回は去勢明け3戦目。去勢から馬体重を減らしているし、まだ効果が見えていないのかも。金鯱賞の時点でもまだ変わって感じがないと言っているし、前走のメイSでも出遅れて13着。オープンクラスまではトントン拍子で来れていた馬だし、オープンクラスで壁には当たってしまったが、比較的ハイレベルで条件戦を抜けてきた馬。ポテンシャルはある。ただ距離が2400mで長いというコメントが出ており、去年の目黒記念でも2000mくらいなら強気な競馬ができると三浦皇成がコメントしている。そこで直近4走は1800~2000mで走っていたが、4走前の新潟記念はゲートが悪く、出負けして5着。3走前の毎日王冠は持ったままで4コーナーを迎えたが、9着まで。出遅れも目立っていたし、硬さも出ていたので去勢したという感じか。気性面はそこまで悪くない馬。ここまで書いていて気付かなかったが、前走がメイSでここがまさかの連闘。ただ距離が長いとはいえ、去勢効果が出始めれば意外とこなしてくれるんじゃないかという淡い期待を持って抑えに入れる。ちょっとこの条件替わりは不気味。

ヒートオンビート
力のある馬だが、近走はパッとしない。そのうえで斤量59㎏となると重すぎる。基本的に集中力が持続しない馬でゴール前になると気を抜いてしまう。前走は日経賞で中山の方が直線が短くて良いという評価だったが、いつもよりも前につけて7着。やはり周りに馬がいないと集中することができなかった様子だった上に苦しい展開だった。2走前は有馬記念で4コーナーの不利があったので参考外だし、レベルも高かった。アルゼンチン共和国杯は59㎏で3着同着だったが、リズムよく乗って鋭く伸びたが0.2秒差の3着。このアルゼンチン共和国杯は比較的ペースが流れており、1000m通過は1.01.1。もともと瞬発力タイプではなく、持久力タイプなので目黒記念は合っており、59㎏も経験済みであることを考えるとここは連覇もあってもよい馬。過剰な人気にはならないだろうし、妙味もある。

マイネルウィルトス
G2を主戦場として結果も残せている。前走は日経賞で3着だったが、ゲートが悪く出負け。結果的には良いポジションに収まったが、手ごたえほど伸び切らなかったと武史がコメントしている。年齢の割に…という言葉もあるのでやはり年齢相応の衰えは多少なりともありそう。2走前は得意の道悪で逃げたが、5着。スクリーンヒーロー産駒らしく、中山は得意で東京だと切れ負けする。一方で去年のアルゼンチン共和国杯は2着と好走しており、これはヒートオンビートのところでも言ったように割と持久力を問われた結果となっている。そう考えると目黒記念は比較的合う展開になりそうで、スタミナも十分あるこの馬にとっては比較的良い条件ではないかと思う。実際去年の目黒記念も2着と好走している。

メイショウブレゲ
天皇賞春、阪神大賞典、万葉Sと連戦してきている。万葉Sは斤量54㎏での勝利で、阪神大賞典、天皇賞はともに8着。どちらも後方から伸びては来ているものの、さすがに相手が強かった。今回は斤量56㎏だし、後方にもチャンスのあるレースと考えると展開は合いそう。末脚はあるし、展開が向けばという馬でもあるので、ここは買いたい。能力は今回のメンツならそこまで大きくは見劣りしない。

以上で印は
◎ダンディズム
〇ヒートオンビート
▲シュトルーヴェ
☆ジューンアヲニヨシ
△メイショウブレゲ、マイネルウィルトス、バラジ、シュヴァリエローズ、クロミナンス
×シークレットラン

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